【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

安全保障3文書を年内改定へ「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」、野党は玄葉光一郎ネクスト外相・安全保障相の発信力で当初予算案審議も含めた全体の枠組みで一つ一つ精査

2022年09月30日 20時00分01秒 | その他
[写真]ネクスト内閣の閣議にのぞむ立憲民主党の玄葉光一郎ネクスト外務・安全保障相、きのう令和4年2022年9月29日、国会内で、宮崎信行撮影。

 ゼレンスキー大統領と首相の電話会談があったようで、プーチン大統領の発表を前にモスクワは異様な雰囲気に包まれていると報じられましたが、さきほど「
国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」の第1回会合が官邸で開かれました。

 年末に、安全保障3文書(国家安全保障戦略・防衛計画の大綱・中期防衛力整備計画)の改定を閣議決定するうえでの、政府の意見を代弁することになりそうです。

 自民党は4月26日に「提言」を発表。これをふまえてGDP2%を目標にした総合的な防衛体制の強化や官民連携と「いわゆる財源論」も含めた経済財政のあり方に関する議論が始まりました。

 国会や野党のかかわり。これまでの防衛大綱、中期防とも、閣議決定後に衆議院安全保障委員会・参議院外交防衛委員会で大臣報告とそれに対する一般質疑程度しか野党はかかわれていません。

 立憲民主党は次の内閣を設けて、玄葉光一郎元外相を、「ネクスト外務・安全保障相」としました。泉健太代表は今月9日の記者会見で「防衛分野においては非常に重要な三文書だと思うので、立憲民主党として必要なものを一つ一つ精査していく」「国民全体がバランス感覚を持って防衛予算を考えることができるように、我々としても発信していきたい」と語り、野党が携われる予算案まで枠組みを広げて、ていねいな党内議論を積み重ねる考えを示しています。

 また、これは以前からずっとそうなのですが、防衛省・自衛隊は、課長クラスから野党に情報が漏れることがたびたびあります。まず、防衛省は事業官庁エージェンシーであって、政策官庁として自衛隊法改正案や防衛省設置法改正案の交渉や審議に携わる頻度が他省庁よりはるかに少ないこと。そして、課長クラスではエリートの「防衛政策課長」「航空機課長」などが扱う予算は莫大ですが、個別に与党部会や議員会館を根回しする仕事ではないので、他省庁よりも局長だけに上がる情報の割合が大きいこと。内局・統幕・陸幕などが別々にあるので、市ヶ谷の中で野党やマスコミに話すなという同調圧力が利きにくいということもあるでしょう。

 いくら理由を聞いても、「ネクスト防衛大臣」でなく「ネクスト安全保障大臣」という名称はよくわからないのですが、玄葉さんの静かで重厚な発信力に泉代表の期待と信頼が厚いように感じ取れます。



[写真]ネクスト内閣の閣議にのぞむ立憲民主党の玄葉光一郎ネクスト外務・安全保障相、きのう令和4年2022年9月29日、国会内で、宮崎信行撮影。

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