【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

消費者庁の福井照大臣「なにとぞご容赦を」と本会議議事録かってに修正案配布事件を陳謝

2018年05月23日 18時00分04秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[画像]福井照大臣、2018年5月23日、衆議院本会議インターネット審議中継。

 消費者庁が、福井照大臣の衆議院本会議での答弁の議事録の「修正案」とするペーパーを、消費者問題特別委員会で、「無所属の会」の黒岩宇洋委員だけに配っていた、謎の事件で、大臣が全面陳謝と委員会答弁の全撤回に追い込まれました。

 消費者庁は「大臣本会議答弁の修正について」と題したペーパーを大臣と黒岩委員の2人だけに配布。両者がお互いに読み上げながら質疑をしたところ、与野党から「もらっていない」との声が相次ぎました。委員会は、そのまま休憩して、散会しました。

 そもそも、本会議議事録の修正は、議院運営委員会の理事が議運にはからねばならないもの。「修正」という言葉を使ってしまったのは、役人の浅知恵でしょうが、委員会中にもらったペーパーをそのまま読み上げた福井大臣の対応にも批判がでました。

 きょう平成30年2018年5月23日(水)の消費者問題に関する特別委員会は、午後5時45分過ぎに、開会。自民党の桜田義孝委員長が「政府の不適切な対応に十分な反省を求める」と遺憾の意を表明。

 福井大臣は消えいりそうな小さい声で「衆議院本会議での答弁を訂正するかのような、私の誤った委員会答弁と消費者庁の不適切な対応で、委員会を混乱させたことをお詫びする」「本会議での答弁を修正するかのような発言をした委員会での答弁を撤回する」としました。合計3回謝罪し、最後に「なにとぞご容赦いただき、ご審議いただきますようよろしくお願いします」と異例な文言で、委員会審議を再開するよう、与野党に謝罪しました。

 福井大臣は、「社会生活上の経験が乏しい者の定義とはなにか」との問いに対する本会議での答弁と委員会での答弁に、齟齬があるのではないか、と問われていました。そこで、役人が「修正案」と題したペーパーを大臣と委員に渡したところ、大臣がそのまま読み上げてしまったようで、副大臣も知らなかったとしました。

 「消費者契約法改正案」(196閣法31号)は、時代の変化が激しい為おおよそ1年半に1回程度改正されており、今次改正案はデート商法での無効規定を盛り込むなどしています。当初は、おとといに、全会一致で可決すべしとなるのではないかとの見通しがありました。きょうの審議は、午後8時20分過ぎまで続く見通しですが、大臣と与野党による委員会正常化ができるかどうかは、やや不透明でした。最終的には、午後8時半過ぎに、「老いにつけこむ商法も無効にする」との修正案を、与野党が加えて、全会一致で可決しました。

 新卒一括採用終身雇用の霞が関ですが、消費者庁は8年半と「若い官庁」。若い官庁では、過去20年近く、金融庁がよく頑張っている、と評価されています。消費者庁は、前回の附帯決議での見直し規定の年が近づいているとして改正法案提出を与野党理事に説明して回る丁寧な国会対策で、ほとんど全会一致での成立を実現させ、特定財源ともいえる課徴金制度の新設にも成功しています。

【追記 2018年5月24日 午前9時】

 内容を付け加えました。 

【追記終わり】

このエントリーの本文記事は以上です。

(C)2018年、宮崎信行。

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