【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【国会5/15まとめ】ねじれる前に・・・「成年後見制限」「特別養子」各省肝いり法案と議員立法が続々審議入り

2019年05月15日 20時21分07秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

[写真]参議院の日の丸、おととし2017年6月、宮崎信行撮影。

 再来月の参院選で、ねじれ国会になる公算が高いというと、マスコミ世論調査の政党支持率を見ているのか、と言われそうですが、選挙制度からして、ねじれるでしょう。霞が関各省はそれを分かって国会対策をしています。悪気はないのですが、政治が国民の手に遠くなる感覚を持つかもしれませんが。

 先の国会で唯一継続審議となった閣法「成年後見」、そして「特別養子縁組」、さらに重要広範議案「児童虐待防止法改正案」が衆議院で審議入りしました。今国会成立の公算。あとは、独占禁止法改正案と、国家戦略特区関連の法案は審議入りしていませんが、各府省の国会連絡室と大臣官房は、めどがたってほっとした雰囲気ではないでしょうか。

【きのう 衆議院総務委員会】

 まずきのうの記事の訂正から。「NHKインターネット常時同時配信のための放送法改正案」(198閣法36号)が採決され、可決すべきだと決まりました。あす衆議院を通過し、今国会で成立、年内に実施の公算。

【衆議院内閣委員会 令和元年2019年5月15日(水)】

 先の国会で政府提出閣法で唯一の継続審議となっていた「成年後見人の権利の制限の適正化法案」(198閣法56号)が審議入りしました。閣議決定はきょねんの3月13日。次回の委員会で、提出から1年3カ月目で初めての質疑があります。

 また、野党がお願いした、統計に関する予備的調査について、衆議院調査局長に対して、予備的調査を命令することが議決されました。下述する通り、毎勤についての予備的調査とともに要求されていました。

【衆議院法務委員会 同日】

 「特別養子縁組推進のための民法改正案」(198閣法51号)が審議入りしました。こちらも過去の経緯と未来を同時に考える「永遠の今」という考え方をとる私としては、とても大事な法案です。

【衆議院財務金融委員会 同日】

 「資金決済法改正案」(198閣法49号)が審議入りしました。G7で初めて「仮想通貨」という言葉を法制化した我が国ですが、さっそく「暗号資産」に言い換えることになりました。ただ、経緯を見ると、金融庁は誠実に原案をつくっていると、私はとらえています。

【衆議院厚生労働委員会 同日】

 与野党が重要広範議案に指定した4本のうち最後の1本が審議入り。

 「児童虐待防止法改正案」(198閣法55号)と「これに対する野党対案」(198衆法7号)が同時に審議入りしまいた。

 これに先立ち、196衆法41号は撤回され、廃案となりました。

 閣法の提案理由説明では、本会議での趣旨説明と同じく、厚労大臣の「時に、痛ましい事件により、子供のかけがえのない命が失われている」との一文が、心に響きます。

 また、賃金統計の事業所のサンプル入れ替えによる誤差に関して、予備的調査として、衆議院調査局が調べることが、与野党の全会一致で議決され、委員長が調査局長に命令することになりました。

【衆議院農林水産委員会 同日】

 採決の観測もあった「国有林野の管理経営法改正案」(198閣法31号)は次回も審議することなりました。市町村に移管するわけですが、林野庁の「過去の林野行政の失敗」と明言する答弁は、いまさらですが、好感を持っています。

【衆議院経済産業委員会 同日】

 「中小企業経営強靭化法改正案」(198閣法26号)が可決すべきだと決まりました。

【衆議院国土交通委員会 同日】

 「船舶油濁損害賠償法改正案」(198閣法46号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。

【衆議院文部科学委員会 同日】

 ねじれることを懸念しているのか、与党・衆議院による、議員立法も早めに可決すべきだと決まりました。先の国会に提出され継続審査となった議員立法「学校教育の情報化の推進に関する法律案」(197衆法13号)が可決すべきだと決まりました。

【参議院本会議 同日】

 「マイナンバー推進のための改正健康保険法」(198閣法25号)が採決され、投票総数229、賛成213、反対16で可決し、成立しました。

 健康保険組合が保険証をつくらずに、マイナンバーカードで代用してもらったり、医師が病歴を参照することができます。国会召集後も、厚労省は「マイナンバー」という言葉を使わないようにしていたようですが、提出前日に新聞が「マイナンバー」の文字入りで報じました。但し、役所が懸念したほど、その言葉に世論が反応したようには思えません。また、先の国会で法務委員会などで問題視された、日本で働く特定技能など外国人労働者の配偶者ら家族が健康保険で日本で医療を受けて帰国することを制限する条項も盛り込まれました。

 これに先立ち、条約2件「198条約4号」「198条約5号」が採決され、投票総数231、賛成231、反対0の全会一致で承認すべきだと決まり、両院で承認されました。

 会議の冒頭では、天皇陛下のご即位にあたる賀詞を特別委員会で起草することを議決。いったん休憩になりました。その後、特別委員長(議運委員長)が案文を提案。ここでなぜか押しボタン式ではなく、発声による投票で「異議なし」と決まり、伊達忠一議長(今夏勇退)が読み上げました。

【参議院政府開発援助等に関する特別委員会 同日】

 日本など主要国20か国による「G20」と日本とアフリカ諸国による「TICAD」に対する一本の決議が全会一致で採択されました。

【参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会 同日】 

 衆議院側の委員による不祥事について、石橋通宏特別委員長(立憲、今夏は非改選)が発言。「北方四島交流訪問事業にはこれまで多くの国会議員が参加してきたが、参加した一国会議員の言動により問題が生じていることは遺憾だ」と述べ、名指しを避けながらも、維新(除名、会派離脱)の丸山穂高・衆議院議員を批判しました。

 この後、沖北相や外相に対する一般質疑。

 日程そのものは当初から予定されていたものでしょう。

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