【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【3/23】野党も解散風に同調して、デジタル庁法案と相続土地国庫帰属法案の早期成立に協力のかまえ

2021年03月23日 17時24分52秒 | 第204通常国会令和3年2021年
[写真]参議院屋外の伊藤博文像、「伊藤像」は国会議事堂内には2つあることになります、4年前2017年5月、宮崎信行撮影。

 説明資料に間違いがあっても、デジタル庁法案の審議は続き、野党各党が修正協議。参議院ではあらかじめ間違いに関する40分審議がありました。北半球は気温が上がっていますが、感染拡大傾向は欧州アジア問わず続いています。来月解散観測に向けた地ならしに野党も協力する姿勢が浮き彫りになってきました。

【衆議院本会議 きょう令和3年2021年3月23日(火)】

 「地震防災対策特別措置法の5年単純延長法案」(204衆法 号)は全会一致で可決し、参議院へ。阪神大震災の翌年から5年間かける5回目の区切り。

 「踏切道改良促進法改正案」(204閣法13号)が全会一致で参へ。

 「いわゆる思いやり予算を1年間暫定延長する条約の承認案」(204条約2号)は共産党反対、自民党・公明党・立憲・維新・国民の賛成多数で可決し、参へ。

 「令和3年度NHK予算承認案」は共産・維新反対、自公立国賛成多数で承認し、参へ。

 次に、「特定都市河川浸水被害対策特措法改正案」(204閣法18号)が公明党の赤羽嘉一国土交通大臣から趣旨説明され、赤羽さんや、総務大臣らが答弁。立憲民主党は国土交通族で埼玉・川越の小宮山泰子さん、公明党は東京における荒川の付け根にあたる「赤羽」に落下傘した岡本三成さん。筆者個人としては、父が碓氷峠を越えて東京に来て、令和3年荒川右岸で大家業になり都議選を迎えることが確実となりました。もともと荒川右岸が、実業家としての父や、私の生まれ育ちですが、昭和60年に始めた大家業としては逆に、今回初めて荒川左岸から右岸に渡ることになります。千曲川から昭和27年に碓氷峠を越え、迎えた令和3年、皇居まであと8キロ。まったく偶然ですが、きょう午後5時半に公示地価発表ですね。長野補選・都議選の前で良かった。とりあえずは左岸と右岸の両岸をしっかりやっていきます。どこの党でも日本の地価の中央値が大きく下がるような政策は許しません。

【参議院第1種常任委員会 きょう】

 定例日ではない昨日に全委員会が開かれる、異例の展開となり、参議院野党の協力姿勢が明確です。

 きょうは自民党が委員長ポストを持つ5委員会がすべて開催。公明党が委員長ポストを持つ2つのうち1つが開かれ、立憲が委員長ポストをもつ3委員会のうち1つが開かれました。

●参議院法務委員会は開かれず「裁判所職員定員法改正案」は審議入りできていません。

【参議院内閣委員会 きょう】

 法案がまだ回ってきていないのに、デジタル庁関連5法案の附属資料の大量ミスについての平井大臣の報告がありました。これに対する野党の質問が40分間コースでありました。早期成立の地ならしと考えられ、安住淳・国対委員長のみならず、難波奨二・参議院国対委員長(来夏に議員勇退見通し)も審議に協力する考えと思われます。安住さんと難波さんが仲良いかどうかは知りません。

【参議院財政金融委員会 同日】

 「所得税法改正案」(204閣法7号)「特例公債法案」(204閣法4号)。

【参議院総務委員会 同日】

 「地方税法改正案」(204閣法9号)と「地方交付税法改正案」(204閣法10号)がきょう初めて審議入りしました。まず、令和3年度地方財政計画を武田大臣が概要説明。次に、熊田裕通・総務副大臣(愛知1区)が補足説明がありました。熊田さんは新聞報道の通り、地元のスタッフが持続化給付金の不正指南で逮捕されました。熊田副大臣と菅総理総裁の2連ポスターを見せたり、自民党所属だから特別な伝手があると思わせたりしていたようです。また、政策・公設秘書でないことは、否定せずに接していた、との報道があります。愛知1区といえば河村たかしさんの「税金で食うとる奴は極楽」という名言があります。共産党の伊藤岳さんの市町村と医療機関の問いに、厚労省の大坪寛子審議官が答弁していました。

【参議院文教科学委員会 同日】

 「35人学級法案」(204閣法16号)が趣旨説明され、散会しました。萩生田公一文科相は閣議後会見で、事務次官が学校法人豊栄学園の清水豊理事長と会食していたと、自ら発表。しんぶん赤旗が、亀岡偉民・文部科学副大臣(福島1区比例)が補助金を受けている清水理事長とたびたび会食し、数年前に藤原誠官房長も呼び出され同席し、亀岡さんが払った、と報じました。この間、安倍晋三前首相は2回連続で公示後第1声を福島1区で上げ、前回は司会した地方議員の「総理が召し上がったおにぎりを持って帰ってください」の声がニコニコ生放送に入り、県外の男性が福島県警に告発。書類送検・不起訴となった経緯があります。

【参議院国土交通委員会 同日】

 二島貨物会社財政支援の「国鉄清算事業団の債務処理法改正案」(204閣法12号)が審議入り。衆では全会一致。

【参議院農林水産委員会 同日】

 「間伐等特措法の10年延長などの改正法案」(204閣法33号)が審議入り。衆では共産党のみ反対ですが、かなり強硬に攻め立てました。

【参議院外交防衛委員会 同日】

 外務、防衛両大臣の所信に対する質疑が2時間半。この後、「在外公館・位置・名称・給与法改正案」(204閣法32号)が審議入り。今年の法案には「ダナン総領事館」新設が入っています。この街には私は若い頃、26年前の1995年8月に行ったことがあります。


[写真]ダナン、1995年8月、宮崎信行撮影。

 ベトナムは北部、中部、南部が歴史的に別々で、政府があるハノイ、経済のホーチミンとは別の王朝がもともとあったところ。また、ダナンはもともと同国最大の港で堺などとの交流が長いのですが、ハノイ・ホーチミンとの国内移動は飛行機。コロナ渦では封じ込め後になってから、港・ダナンで感染者が出ましたが政府は再び、完全な封じ込めに成功し現在に至ります。今後、TPP、RCEP両方で経済の関係が強まりますので、法案が成立すれば、しっかり現地語で情報収集をしてほしいものです。

【参議院地方創生・消費者問題に関する特別委員会 同日】

 2大臣が出席。坂本哲志・地方創生相と井上信治・消費者相が所信を述べました。坂本さんは、企業の農地特区や地方分権一括法、井上さんは預託法などの改正に言及しました。これに対する質疑は後日になり、予算委員会から委嘱審査をしました。

【参議院災害対策特別委員会 同日】

この委員会の開催は通例は水曜日ですが、火曜日のきょう開催され、予算委から頼まれた委嘱審査がありました。

【参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会 同日】

 河野太郎大臣に対する委嘱審査の質疑。

【参議院政府開発援助等に関する特別委員会 同日】

 委嘱審査として外相に1時間50分コースで質疑。

【参議院東日本大震災復興特別委員会 同日】

 委嘱審査は2時間半コースでした。

●参議院の倫理選挙制度特別委と、拉致問題特別委は開かれず。

【衆議院法務委員会 同日】

 「相続土地国庫帰属2法案」(204閣法55号と56号)の審議は4日目で、対政府質疑2巡目。

 質疑に立った山下貴司元法相は「与党も分かりやすい説明したい。きょうの質疑時間は与党1時間半、野党1時間半の配分。野党理事に感謝したい」としました。東日本大震災の所有者不明土地で苦労していた階猛さんが協力的なようです。公明党の大口善徳さんもライフワークだとして、長年の経緯を説明しました。上川陽子法相も初当選直後の河川氾濫後、所有者不明土地以外で法面(のりめん)を直したら、再び壊れたとの地元のエピソードを披露しました。但し、この法案は政府は日切れ指定にしておらず、それが当初予算成立前に審議4日目というのは極めて異例のペースとなります。

●定例閣議

 定例閣議、月例経済報告閣僚会議があります。月例経済報告閣僚会議は、民主党政権時だから、早朝ではなく、夕刻の開催となり、甘利明さんが大臣になった後も夕方に開かれているようです。


[写真]参議院議員宿舎前に立つ筆者、先々月2021年1月、千代田区麹町。


[写真]参議院にたなびく日の丸、衆議院第2議員会館から、きょねん2020年8月、宮崎信行撮影。

このエントリーの本文記事は以上です。
国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 
このニュースサイトは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。
Ⓒ2021年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿