【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

訃報なのでご冥福をお祈りしますが旭堂南陵さん(旭堂小南陵元参議院議員)やはりどうしても・・・

2020年08月02日 06時50分34秒 | その他
 書くかどうか逡巡したところですが、先週の訃報で、旭堂南陵さん、旭堂小南陵元参議院議員が亡くなったそうです。享年70。心より哀悼の意を表するとともに、私からはご冥福をお祈りいたします。

 しかし、私にとっては許せない思いです。私は極端に記憶力が良く、過去を水に流さない性格です。この記事は、私と直接面識がある政治関係者に、やはり宮崎さんはニコニコしていても、腹の中では忘れていないんだな、と再認識してもらうために書きます。

 1994年平成6年1月21日(金)、参議院本会議で一般恒久法案4本が採決されました。異例の政治日程であり、小沢一郎・新生党代表幹事が描いたものだとされています。

 法案は、当ニュースサイトが「平成6年政治改革4法」と呼ぶ、新法である「政党助成法案」、「衆議院選挙区画定審議会設置法案」。改正法として「公職選挙法改正案」「政治資金規正法改正案」。このうち公選法改正案は「小選挙区250、比例代表250」であり、のちに制定されたものとは違います。そして、4法は四半世紀経っても、ほとんど内容は変わりません。

 この法案は参議院社会党が賛成討論。しかし、参議院社会党の態度は分かれました。

 賛成が、会田長栄さん、青木薪次さん、一井淳治さん、糸久八重子さん、今井澄さん、岩崎昭弥さん、岩本久人さん、上野雄文さん、及川一夫さん、大森昭さん、梶原敬義さん、上山和人さん、川橋幸子さん、菅野壽さん、北村哲男さん、久保亘さん、久保田真苗さん、日下部禧代子さん、櫻井規順さん、篠崎年子さん、庄司中さん、菅野久光さん、鈴木和美さん、瀬谷英行さん、竹村 泰子さん、谷畑孝さん、谷本巍さん、種田誠さん、千葉景子さん、角田義一さん、堂本暁子さん、野別隆俊さん、浜本万三さん、肥田美代子さん、深田  肇さん、渕上貞雄さん、細谷昭雄さん、堀利和さん、前畑幸子さん、松前達郎さん、松本英一さん、三重野栄子さん、峰崎直樹さん、村沢牧さん、村田誠醇さん、本岡昭次さん、森暢子さん、安永英雄さん、山田健一さん、山本正和さん、吉田達男さん、渡辺四郎さん、藁科滿治さん。

 参議院社会党の中で、反対したのが、翫正敏さん、稲村稔夫さん、小川仁一さん、大渕絹子さん、大脇雅子さん、喜岡淳さん、國弘正雄さん、栗原君子さん、佐藤三吾さん、志苫裕さん、田英夫さん、中尾則幸さん、西岡瑠璃子さん、西野康雄さん、三石久江さん、矢田部理さん、山口哲夫さん。

 この造反で、法案が否決。しかし、小沢さんがまたしても冴え細川護熙首相と河野洋平自民党総裁の党首会談を実現。「小選挙区300、比例代表200」という両院協議会の協議案で自民党が賛成に回ることになりました。小沢さんが著作「日本改造計画」で主張した、明治維新の廃藩置県とは逆に300藩を300小選挙区に置き換える理念が実現したことにもなります。

 で、反対した、西野康雄さんが、旭堂小南陵参議院議員。亡くなった旭堂南陵さんです。このとき、西野さんの造反シーンはさまになっており、テレビでは西野さんのシーンが多く流れていたという記憶があり、おそらく正しいのではないでしょうか。

 55年体制で参議院社会党の人と話したことがある人は少ないでしょうが、私の日大二中・高の先輩である村田参議院議員とは2時間以上お話したこともあり、賛成組は合計5名ほど会話を交わした人はいます。賛成者は参議院副議長が3名、副総理、法相、労相、経済企画庁長官、財務副大臣らが含まれます。反対組は話したことがある人はおらず。反対組は政務次官の経験すらないと思います。

 旭堂小南陵参議院議員がなぜ造反して、1期6年で消えていったのか。派閥の関係などは分かりません。

 死人に口なし。旭堂さんは反論できないし、ご遺族はおそらく当時の経緯はご存知ないでしょう。

 しかし、あれから26年経っても、私はそのことは忘れない。忘れられない記憶力の持ち主だし、過去を水に流さない性格である。それでいて友達は減らないし、資本家なので、好きか嫌いかだけで物を言える。ということだけは、ちょっと書いておきたいと思いました。

 国会議員とその家族には生活があるので、衆議院小選挙区比例代表並立制には問題があるような気はしています。