【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【2/13】「鯛は頭から腐る」に「意味の無い質問だよ」との首相発言、懲罰動議は見送りも月曜日に集中審議へ、地方税法改正案は本会議で質疑も、委員会での審議入りは先送り

2020年02月13日 18時35分46秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
 11時21分に速報版として投稿しましたが、きょう2月13日の国会について、すべて書き直して、再投稿します。

 辻元清美さんの「鯛は頭から腐る」について、安倍晋三首相が「意味の無い質問だよ」と発言したことについて。朝、安住淳国会対策委員長は、懲罰動議の提出のかまえを見せ、一度は野党幹事長会談で合意しましたが、与党の森山裕国対委員長から週明け月曜日に集中審議を開き、首相が発言するとの回答が昼に届き、正常化しました。

【衆議院予算委員会 令和2年2020年2月13日(木)】

 上記の流れで、開かれず、流会しました。「令和2年度予算案」は昨日までに9日開かれ、そのうち一般的質疑は3日でした。きょうは一般的質疑が3時間コースで予定されていましたが、正常化したの昼だったため、本会議もあり、開かれませんでした。明日の福島、熊本両県での地方公聴会は、予定通り、与野党そろって開かれるでしょう。

【衆議院本会議 同日】

 中曽根康弘さん、村岡兼造さんに対する弔詞の贈呈やその報告がありました。続いて、国会同意人事があり、順当に採決されました。

 次に重要広範議案である、令和2年度地方財政計画、「地方税法など改正案」(201閣法6号)と「地方交付税法改正案」(201閣法7号)が高市早苗総務大臣から趣旨説明されました。土地の所有者でなく居住者に対する固定資産税課税の柔軟化などを盛り込んでいますが、例年以上に、小粒な年次改正法案です。

 質疑では、維新の足立康史さんが公安調査庁が日本共産党を破壊活動等防止法の対象にしている理由について質問。重要広範議案なので、安倍首相が出席しており、「昭和26年から28年にかけて暴力革命の殺人の疑いがある」とし、その頃の綱領が維持されている面もあるためだとしました。

【衆議院総務委員会 同日】

 定例日の木曜日、午前9時の設定でしたが、開会は15時21分まで遅れました。

 前回の高市大臣の所信的あいさつに対する一般質疑でしたが、野党の一部の質問を2時間やっただけで、散会。当初想定していた「地方税法改正案」(201閣法6号)「地方交付税法改正案」(201閣法7号)の趣旨説明は先送りされました。

 かんぽ生命など日本郵政の不祥事に質問が集中し、吉川元さんや共産党の本村伸子さんらはこれに絞った集中審議を別途開催してほしいとしました。

 次回の開催日時は決まらず、協議し直しとなりました。

【参議院 同日】

 特にありません。

【今後の日程】

 あすは予算委地方公聴会。午前10時からの参議院本会議で国会同意人事が両院同意のはこび。衆議院財務金融委員会では一般質疑の後、税制改正法案が審議入りか。財金委は一般質疑ですから、ほぼ間違いなく、黒田東彦日銀総裁が参考人として何人かの議員に対して答弁すると思われます。週明けの17日(月)は集中審議3日目。首相や一部国家公務員の政治姿勢を、野党に正してほしいという空気が醸し出されています。「鯛は頭から腐る」国会となりつつある気がします。

 ◇

 以下は、11時21分に初投稿した内容をそのまま残して、このエントリーは終わります。

[写真]衆議院議員・安倍晋三君、3年前の2017年、宮崎信行撮影。

 安住淳国会対策委員長は、昨日の衆議院予算委員会での辻元清美さんの「鯛は頭から腐る」との発言に対する、安倍晋三首相の「意味の無い質問だよ」の野次に対して、きょう令和2年2020年2月13日(木)午後にも「衆議院議員安倍晋三君懲罰動議」を提出するかまえを見せ、国会が止まっています。

 かりにきょう午後、懲罰動議が提出された場合は、議長が衆議院懲罰委員会に付託する手続きがまず、必要となります。議院運営委員会理事会が開かれることになるでしょう。

【追記12時25分】週明け月曜日、2月17日に集中審議をし、首相が発言することで決着しました。衆議院予算委員会の集中審議は合計3日目になります。【追記終わり】


[写真]辻元清美さん、2年前の2018年、宮崎信行撮影。


[写真]安住淳国会対策委員長、きょねん2019年、宮崎信行撮影。

●吉田茂「バカヤロウ」すぐに謝罪も第4次政権

 衆議院予算委員会での首相の野次に対する懲罰動議は、半世紀以上前、西村栄一さんの「日本の総理大臣としての答弁を聞いている」などとする発言に、首相の吉田茂さんが「なんだ、バカヤロウ」と発言。このときも、大阪の代議士に対して、第4次内閣をひきいる首相の野次でした。吉田首相は直後に委員長に許可を求めた謝罪。しかし、野党提出の懲罰動議に対して、与党内の鳩山グループが賛成。この際は、解散を恐れる勢力に鳩山グループの発言で「嘘も百回つけば真実となる」が有名となりました。このときは、吉田は意表をつく解散の強硬策に出ました。2月・3月に解散したのはこのときが最後となりました。吉田は勝利し、鳩山グループは半数落選の大打撃を受けましたが、結局、第5次吉田内閣は弱小政権となり、第1次鳩山内閣へとつながりました。

 以上です。