【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

IRカジノ実施法案が衆議院を通過し、衆議院は店じまいモードで、あす会期末、延長の公算

2018年06月19日 19時37分48秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

 「働き方改革関連法案」とともに、今国会の重要法案だった「IRカジノ実施法案」が衆議院を通過して、衆議院は店じまいモードとなりました。第196回通常国会は、あす、150日目、会期末となります。しかし、参議院に法案が残っていることから、延長される公算となります。長期安定政権となっている、第3次自民党与党期で、延長幅が、会期末当日に決まるのは、久しぶりと言えます。

【衆議院本会議 平成30年2018年6月19日(火)】

 「地方分権第8次一括法」(196閣法54号参先議)は、共由反対、自公立国など賛成多数で可決し、成立しました。

 「民法相続編を改正して配偶者居住権を新設する法案」(196閣法58号)は、立憲の反対、自民、公明、国民、無所属の会、共産、維新の賛成多数で可決し、参議院に送られました。会期が延長された場合は今国会で成立し、1年以来、来春には施行されることになりそうです。

 「法務局における遺言書の保管法案」(196閣法59号)は、全会一致で可決し、参議院に送られました。

 「IRカジノ施設実施法案」(196閣法64号)は、立国共反対、自公維賛成多数で可決し、参議院に送られました。維新の浦野靖人さんは賛成討論しました。

 「健康増進法改正案」(196閣法47号)は、立共維反対、自公国賛成多数で、可決し、参議院に送られました。立憲の反対討論の最後に「維新が同じく反対してくれることに感謝する」との発言がありました。維新は浦野靖人さんが再び登壇して、反対討論しました。

 「参議院選挙区政見放送で、政党のビデオ持ち込みを解禁する、改正公職選挙法」(196参法16号)は、共反対、自公立国無の賛成多数で可決し、成立しました。

【衆議院国土交通委員会 同日】

 参議院先議で送られてきた「建築基準法改正案」(196閣法44号参先議)が共反対、自公など賛成多数で可決しました。委員会ではまず、石井啓一国土交通大臣が前日の大阪震度6弱地震で政府報告。法案審査にあわせて、前日の小学校プール外ブロック塀横転による女児死亡について、市役所が建築基準法違反を認めて記者会見で謝罪したことについても問われました。立憲は、さしかえで登場した議員が「URの家賃」について繰り返し質問。たしかに、URが家賃滞納で裁判所の執行官が出てくるタイミングがもっとも早いと批判されていますが、立憲議員がひたすらURの家賃のことだけ質問するのはいかがなことか。国土交通省の住宅局は、同省初の女性局長の、伊藤明子局長が答弁しました。

【衆議院農林水産委員会 同日】

 参議院から送られてきた「生産緑地など都市農地の賃貸円滑化法案」(196閣法43号参先議)が全会一致で可決すべきだと決定しました。質疑では、自民党の石原伸晃元幹事長が登場し、「初めての農林水産委員での質問だ」とし「私は2005年に発足した自民党都市農業研究会の会長だ。当初は農水省は冷たく、国交省は、市街化区域から農地は早く出て行けという態度だった。実際に、東京では、柿の木農業といって、年に一度柿が実るのを待ちながら、土地の転売をねらっている人もいた。しかし東日本大震災で、防災や緑の効果が見直されることになった」と活動の成果を強調しました。

 ◆

●なお、参議院先議では、5月18日に共産党の反対、自公立国などの賛成多数で衆議院に送られた「医療法及び医師法改正案」(196閣法60号参先議)が衆議院厚生労働委員会などで審議入りしないまま、会期末当日を迎えました。

【参議院外交防衛委員会 同日】

 一般質疑で、米朝首脳会談について外相に、前日の大阪地震について防衛相に質問がありました。

 この後、「オゾン層を破壊する物質のモントリオール議定書の改定の承認案」(196条約3号)が趣旨説明され、散会しました。

【参議院経済産業委員会 同日】

 「オゾン層保護法を改正してモントリオール議定書改定を国内実施する法案」(196閣法41号)が全会一致で可決しました。代替フロンも温室効果が高いため規制します。

【参議院内閣委員会・農林水産委員会連合審査会 同日】

 「TPP11の締結に伴うTPP12国内実施法案の施行日を前倒す法案」(196閣法62号)。

【参議院内閣委員会 同日】

 「TPP11の締結に伴うTPP12国内実施法案の施行日を前倒す法案」(196閣法62号)について、参考人質疑があり、それだけで散会しました。なお、衆議院から送られてきた「ギャンブル等依存症対策基本法案」(196衆法20号)が審議入りしないまま、きょう、「IRカジノ施設実施法案」(196閣法64号)が送られてきました。196衆法20号ですが、改めて読んでみると、「ぱちんこ(パチンコ)」を「遊戯」と明確に定義づけており、私は、ぱちんこも刑法の特例賭博にして、三点方式も止めて、現金がいきなり出てくるようにして、そのうえで、しっかり規制すべきだ、と考えています。もちろんこの議員立法で転換すべき法解釈ではないかもしれません。公営4競技も、ぱちんこも、カジノもしっかり刑法の特例賭博ギャンブルだと位置づけて、伊勢佐木町あたりで違法賭博開帳図利をしている稲川会を一網打尽に完全粉砕するのが正しい姿だと考えます。

このエントリーの本文記事は以上です。

(C)2018年、宮崎信行。

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Miyazaki Nobuyuki


加計・学校法人理事長が記者会見、今治獣医学部特区の安倍晋三首相(自民党総裁)への働きかけを完全否定

2018年06月19日 11時28分34秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[画像]学校法人加計学園の加計理事長、NHKさんニューズウェブ画面から、2018年6月19日午前11時1分ごろ。

【追記 11時】

https://www3.nhk.or.jp/news/realtime/rt0000358.html?utm_int=all_contents_realtime_001

 

サイト
【追記終わり】

【追記 11時半】

 加計理事長は、安倍晋三首相(自民党総裁)への、「特区」の働きかけや面会を完全に否定しました。

 加計理事長は「総理とはリラックスする話が中心で、政治の話はしますけど」とし、特区の話はしていないと強調。「騒動になっているのは、私の不徳のいたすところだ」と認めました。獣医学部特区がある、愛媛県の中村時広知事が懸念を示していることについては「加戸守行知事の方が良かったのかな、今後は加戸先生にお願いしたい」と語りました。記者会見は25分前後で終わりました。

【追記終わり】

 学校法人加計学園の加計理事長が、あと、1時間20分後の、午前11時から記者会見をすることになりました。

 時事通信ニュース速報が報じました。

 きょねん3月・4月の加計学園、今治獣医師学部特区問題発生以来、加計理事長の記者会見は初めて。