【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

平成29年法律86号までを公布、制定法律は2015年安保国会以来の年2ケタ

2017年12月18日 11時36分07秒 | 第195回特別国会(2017年10月~11月)第4次安倍内閣と野党3極

 まず、きのうの検索キーワードにありましたが、養育費が払えるかどうかを裁判所執行官が調べることができるようになる民事執行法改正案は衆議院解散で廃案され、法務省は再提出していません。上川陽子法相の一般質疑での発言からすると、同省は来年の通常国会で、民法の成年を18歳にする一連の法改正を優先する方針とみられ、民事執行法改正案の再提出や審議はずれ込むことが予想されます。

 さて。

 先週火曜日の閣議で決定し、先週金曜日の官報で法律が公布され、ことしの制定法律は86本となりました。

 天皇陛下は、先の第195回特別国会で、成立した、10法律をすべてを、公布しました。

 この中には、人事院勧告を完全実施した一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律が平成29年12月15日法律77号として公布されました。国会での議案番号は、195閣法1号でした。

 改正旅館業法(旅館業法の一部を改正する法律)は、平成29年12月15日法律84号。この施行日は、先の通常国会で既に成立していた住宅宿泊事業法の施行日(政令公布済み)と同日になるのではないか、とみられます。改正旅館業法は違法民泊の罰金を大幅に引き上げるとともに、「ホテル・旅館業」として、定義規定を合併させる法律です。

 人勧実施の改正・防衛省自衛隊給与法が平成29年12月15日法律86号。

 このため、衆議院解散があった平成29年2017年の制定法律は86本となりました。

 これは、過去5年では、おととし、平成27年2015年の78本に次いで少ない年となりました。2015年は、安保法制・改悪労働者派遣法・刑事訴訟法案(成立は翌年)のトリプルセットの審議ながら、安倍首相が集団的自衛権のために法案を絞り込んだことが改めてうかがえます。

 ことしの制定法律を眺めると、

 「農業災害法改め農業収入保険法」(平成29年法律74号、来年4月1日施行)

 「強制性交等罪を設けるなど性犯罪の量刑を重くする改正刑法」(72号、施行済み)

 「共謀罪法(改正組織犯罪処罰法)」(67号、施行済み)

 「住宅宿泊事業法(民泊新法)」(65号、来年6月施行)

 など、恒久的な、骨組みの法律は多かったように感じます。野党も共謀罪法などは手直しがしやすいと考えます。この5年間は、アベノミクス関連で減税の重箱をつくる、細かいスローガン法(理念法)が多く、制定法律が多い傾向があったといえるでしょう。野党はまず、細かい定義規定をシンプルにし、束ね法案を減らす。何よりも年次の国税改正法案は全部ほぐすという感じで、対案を練っていってほしいところです。

このエントリーの本文記事は以上です。

(C)2017年、宮崎信行。

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