私、宮崎信行は本日、43歳の誕生日を迎えました。感謝します。
【参議院予算委員会 平成29年2017年3月1日(水)】
平成29年度予算案は、3日目(本予算案の趣旨説明をした補正予算審議日含む)。基本的質疑は2日目です。といっても、衆院から送付された、翌日の午後1時から始まったので、3日目まであります。このため、初日は、民進党議員の質問の途中で、散会。翌朝は民進党議員から質問し、きょうは、共産党議員の途中で散会。明朝も共産党から始まります。「2泊3日」で、2泊とも野党サイドという基本的質疑は初めてかもしれません。
まず、午後4時半頃に、共産党の小池晃さんが登場したとたんに雰囲気が一気に変わりましたので、そこから。
小池さんは与党が触れなかった、森友学園国有地払い下げ問題だけ追及。安倍首相は「そんなに指をどんどんささないでくださいよ」と衆院と同様な態度で答弁。この後、財務省の佐川理財局長が貸付から売却に話がかわったことについて「適切な執行だ」と答弁。麻生太郎財務大臣は「今、佐川が申し上げた通り、適切な執行だ」と語りました。これには、民進党の岡田克也前代表の前日の発言と同様に、小池書記局長も、財務大臣が責任をもって答弁するように要求。午後4時45分に前後した麻生大臣の表情は、私が見たことのない表情でした。そこをスクリーンショットすると、その印象が当ブログ内で強くなってしまいかねないので、動画等で見てください。小池さんに対する不誠実答弁には、共産党の辰巳孝太郎理事(大阪府)だけでなく、民進党の福山哲郎理事(京都府)も共闘して、闘いました。一方、自民党の吉田博美幹事長も委員席に座り、野次を飛ばして指示を出しました。
この後、小池さんが、森友が最初に要望した条件だと、「10年分割で月の負担が100万円以内」の要望に、埋設物を控除した金額に近いと指摘。安倍首相は「不当な働きかけは無いと確認したと理財局長が言っている」としました。
安倍首相は「私の妻を犯罪者扱いしないでください」と気色ばみ増したが、この日のやりとりで、小池さんがそうしているとは、私の印象としてはありませんでした。この件は、場内協議がつかず、おそらく5時を過ぎたこともあり、山本一太委員長が理事会で協議することでひきとりました。安倍さんは既存メディア・ネットメディアの反応などからそのような言葉が出たのかもしれません。
●佐川理財局長は福島県出身
第193回通常国会では、佐川宣寿(さがわ・のぶひさ)理財局長が答弁する場面が目立っています。別エントリーにしようかどうか悩みましたが、エントリー建てはせず、こちらに書くことにします。
取り引き当時の本省の理財局長だった迫田英典さんと、逃げの答弁に徹する現在の佐川理財局長が昭和57年(1982年)の同期入省だったことが分かりました。迫田さんは東大法学部卒、佐川さんは東大経済学部卒。そして、迫田さんは首相と同じ山口県出身で、佐川さんは福島県出身と分かりました。年齢は佐川さんの方が、迫田さんよりも2歳年長なります。
長州山口県出身の安倍首相、迫田さんを、会津かどうかわかりませんが、福島県出身の佐川さんがかばう構図で、佐川さんの局長の立場が保たれているのならば、残念無念としか言いようがありません。
第169回通常国会いわゆるガソリン値下げ国会では、国土交通省の宮田道路局長が答弁に立ち、首相・財務相・国交相らに続き、答弁階数がベスト10入りしました。この場合は、ガソリン税の特定財源化や、社会資本整備特別会計の仕組みが分からない、冬柴鉄三大臣(故人)をひっしに助太刀する宮田道路局長に、民主党ガソリン値下げ隊から敬意を表する声があがりました。宮田さんはその国会終了直後に、省を去りましたが、今は、高速道路関係の会社の幹部になっているようです。人柄は抜群ながら、答弁で窮地に立たされた冬柴大臣と、福島出身の局長に押し付ける、麻生大臣や安倍首相は、自分の顔を鏡で見るべし。
委員会室に戻ります。
きょうのトップバッターだった、民進党の藤末健三さんは、「きょうの朝日新聞、東京新聞に載っていた共謀罪法案の全文は本当か」と聞きました。私が読んだのは、全文ではなく、対象となる犯罪名一覧だと思いますが、読んで愕然としました。こういうことだったのか、と。有印公文書偽造について共謀しただけで検挙されるなら、永田町・霞が関は検挙される事案ばかりになるし、法人税の節税について税理士と「それはできる、それはできない」と話しただけで、税理士は共謀です。共謀罪として立件することを懸念しているわけではなく、一度検挙者が出れば、同業者はますますモノがいえない日本になります。有印公文書偽造の共謀だからといって、検察官が検挙者第一号になることはないでしょうが。これはとんでもない法律案だとようやく私も分かりました。
委員室に戻ります。
午前中に質問した、自民党の二之湯智さんの質問に答えて、高市総務相は、地方自治体の臨時職員(一般職非正規公務員)の待遇改善を盛り込んだ、地方公務員法改正案を今国会に出すと答弁。二之湯さんは30万人に期末手当を出すことになるから、財源の調整が必要だとしながらも改正案を支持しました。
自民党の長峯誠さんは、1人区の宮崎選挙区で盤石の強さを誇ります。長峯さんは、日本版CCRC生涯活躍のまちを肯定的にとらえ、災害時の避難者名簿や、スイートピーの振興など、総務省、国交省、農水省をまたいだ質疑を展開しました。自民党宮崎県連の参院選の闘い方については、批判的な声もありますが、こういう政治活動をしていると、なかなか1人区・宮崎選挙区での自民党公認候補の連勝は、今後もかたいだろうな、という印象を持ちました。
公明党は魚住裕一郎参議院議員会長が給付型奨学金や文科省再就職問題を取り上げました。山本公一環境大臣はパリ協定について答弁。金田勝年法相には、司法修習生の給付金制度の復活と、ヘイトスピーチ理念法についての答弁を求めました。
参院はふたたび2割以上が女性に戻りました。新人の「いとうたかえ」さんは2人いますが、公明党の伊藤孝江さんが質問しました。選挙区選出の新人では初めての登場だと思います。
この後、上述の小池さんの質問の途中で散会しました。あす午前9時再開。
【衆議院文部科学委員会 平成29年2017年3月1日(水)】
松野博一大臣の所信表明があり、「教育再生は安倍内閣の重要施策だ」と語りました。私はずっと「日教組とんでもない、教育再生を応援する」という考えが強かったのですが、過ぎたるは及ばざるがごとし、と感じ始めました。大臣は「学校、家庭、地域の役割分担を検討しなければならない」と語りました。私は教育は学校、しつけは家庭だと考えますが、自民党内には違う考え方でもあるのでしょうか?
この後、教育再生実行会議の室長を経て、国会議員になった、義家弘之文部科学副大臣が「一般会計で5・9兆円、エネ特会で0・1兆円だ」と文科省の予算を説明。これに先立ち、丸川珠代五輪相も所信を述べており、水落敏英副大臣は内閣官房東京オリパラ本部の「予算は5億8000万円だ」と説明。きょうはこれで散会しましたが、38分もかかりました。今国会は「文科省国会」になるかもしれません。
この記事の本文は以上です。
(C)2017 宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki
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