【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

維新の党の上西小百合さん除籍は不可解、幹部「素行悪くない」、関西の異常テレビ報道ねらいうち

2015年04月05日 17時40分57秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[画像]「女性の活躍推進法案」で、ノールックで代表質問演説する、上西小百合衆議院議員、2014年10月31日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 維新の党は平成27年2015年4月4日(土)、上西小百合衆議院議員(2期、大阪7区比例)を除籍しました。上西さんは無所属として衆議院議員を続ける方針。

 私にはまったく不可解で、上西さんは維新国会議員団で2名だけの女性で、オリジナルメンバーとしては唯一の女性です。

 上西さんは衆議院総務委員としてていねいな質疑をしており、昨年10月31日の衆議院本会議では、「女性の活躍推進法案」 の趣旨説明に対して、維新の党から代表質問。この演説を、ノールック(原稿は手元に置いているが見ないで質問すること)でこなしました。(参考、2014年10月31日付エントリー

 上西さんは衆・総務委では原稿を手に質疑していますが、ていねいでまとまった質問演説で実績を積み上げてきました。仮にその原稿を手入れしているスタッフがいるにしても、責任はすべて政治家本人のものです。また本会議でノールックで演説できるものではありません。ノー原稿やノールックは、私が見たのは、衆議院3名、参議院で1名のみという極めて高度な芸当です。

 維新の党最高幹部は、関西テレビ放送が端緒となったバッシング報道が過熱してしまい、「関テレがひどいんだよ。これだけ報道されると、泣く泣く切らざるを得なくなった」と話しました。大阪府議選・大阪市議選の選挙運動期間中であり、同党の現職候補者は統一地方選前半戦の方が多いことが影響しているとしました。他の党幹部が上西さんがふだんから素行不良があったと話したことについては「悪いわけではない」と否定しました。比例近畿ブロック惜敗率次点者が千葉県から大阪府に国替えしたことに対する党としての貸し借りはとくになく、あくまでも統一地方選対策だと強調しました。私の「女性だから狙われたとのではないか」との指摘について、維新の幹部は「関テレの問題だ」としました。

 2府4県を放送域とする、大阪準キー局はもともと番組制作の大部分をキー局に任せながら、広告は独自にとるため、利益率がとても高かったのですが、不景気で「貧すれば鈍する」状態なのでしょうか。

 昨年8月の海江田おろしの後、私が書いたエントリーで、転載先媒体のコメント欄で「宮崎氏は会見でも多くの質問を海江田氏に投げかけていましたが、一度大阪市長の定例記者会見を見てはいかがでしょうか。 比べ物にならないくらい厳しいやり取りがありますよ」とかかれ、大阪市長の1時間半の「登庁ぶら下がり」なるものを、閉会中だったので、のこのこと、見てみましたが、その厳しいやり取りとは、MBSテレビが最後に意図的に挑発したもので、感情的になったシーンを夕方のテレビニュースに使おうという意図が透けて見えました。

 政治家は公人なので、肖像権はなく、その映像の利用、再利用において、報酬を払ったり、許可をとったりする必要は法的にありません。

 このような2府4県の放送が、昨夏には、笹井博士自殺という痛ましい事件につながりました。貧すれば鈍するの2府4県の過熱報道にはまゆをひそめざるをえません。海外の先進国も含めたメディアではゴシップ紙を中心にこのくらいの異常報道はあります。ただ、2府4県となると、人口も2000万人を越えてきますし、すべて上場企業ですから、貧すれば鈍するの異常報道はなくならないでしょう。橋下徹さんはそれを利用している面もあるので、今後の推移を見守りたいところです。 

 ただ、やはり女性だから、テレビの標的になったのは間違いありません。

 とんでもないことです。

 維新の党国会議員団は、昨年末の第47回衆院選で、国会議員団メンバーのうち、小沢鋭仁さんが突如比例近畿ブロック単独1位になり、さらに松浪健太さんが選挙区3位で比例復活となったことに反発が広がりました。この反動で、第47期衆議院では大阪維新の会オリジナルメンバーが、期数は若いながらも、維新国対の主導権を奪いました。ただ、その国対幹部よりも衆・総務委では上西さんの方がまとまった質疑をしていました。

 信頼している政治家が、上西さんは「素行は悪くない」と言っているので、上西小百合衆議院議員を今後も、そこそこ応援していこうと現時点では考えています。