【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

自民党の危機管理に隙(すき)はないか? 岩屋毅シャドウ防衛相の後任が空席のまま

2011年07月06日 22時42分40秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[画像]自民党の岩屋毅さん、同氏ホームページの「岩屋たけしの歩みーAn Album Of Mr. Takeshi Iwaya-」からキャプチャ、トリミング。

 7月6日(水)の午前9時からの衆院予算委員会の「延長国会の諸課題に関する集中審議」から国会が正常化しました。6月22日(水)の衆院本会議以来、2週間ぶりの正常化。その本会議で、フロントベンチの政権準備政党(The Opposition) である「自民党」の党議に違反して、横路孝弘議長の発議による「延長幅70日間」に造反(賛成)した、シャドウ防衛大臣の岩屋毅さんと、シャドウ内閣府特命担当大臣(行政改革・公務員制度改革担当)の河野太郎さん。2人とも辞表を提出していましたが、自民党党紀委員会(民主党では倫理委員会)から「役職停止1年間」の処分を受けたことから、シャドウ閣僚辞任となりました。

 これにより、自民党のシャドウ・キャビネットのホームページ(http://www.jimin.jp/member/s_cabinet/index.html)からは、6日午後に2人の顔写真が削除されました。とはいえ、自民党は大丈夫なんでしょうか? というのは、河野さんの後任はまだしも、岩屋さんはシャドウ防衛大臣だったんですが、現在、空席ということになります。副大臣として、徳田毅さんと佐藤正久さんがいますが、どちらが優先するかは決まっているのでしょうか。自民党のことはよく分かりませんが、自民党は「東日本大震災復興基本法」を成立させたのに、いまだに、シャドウ復興担当大臣も置いていないようです。このようなことでは困ります。民主党に何かあったらどうするんですか? 日本のために、自民党にもしっかりしてもらわないと困ります。

 7月6日(水)の予算委は、久しぶりだからか、自民党の質問はあまりキレがありませんでした。というよりも、自民党は明らかに、「菅内閣を退陣させよう」という気はまったくない。このまま任期満了に追い込むか、できれば解散して欲しい。これは幹事長と政調会長が質問に立っての感想ですから、間違いないでしょう。みんなの党も渡辺喜美代表が明らかに解散してほしいという本音が見えました。政権を担い続けることのきつさというのを、十分に、民主党議員・秘書も、あるいは国民も、味わうべきだと、私は考えています。

 幹事長の石原伸晃さんが、延長国会で「閣法で出すべき法案を菅内閣が出さないので、議員立法で出す」として、二重ローン対策の金融機関再建買い取り法案などをアピールしました。そのうえで、「浜田政務官引き抜き事件」に触れました。菅直人首相は、「私も新進党から自民党に一本釣りされるのを(さきがけ・第1次民主党で)見ていた」と攻撃しました。

 続いて、政調会長の石破茂さんが60分間質問しましたが、相変わらずの「与党ならこうするもんだ」という説教調でした。伊吹文明さんと石破茂さんは野党質問になっていないように思えますが、自民党会派は持ち時間が多いので、サンドウィッチのように間に挟むには、傾聴に値すると思います。勉強になります。しかし、石破さんは「浜田事件」について、自分が新進党を離党して自民党に帰った過去がなかったかのように、ぬけぬけと批判しました。鳥取県の有権者はいい加減に怒ったらどうでしょうか。浜田氏について、石破さんは、「(第22回)参院選は政権選択選挙ではないが、民主党政権を批判する有権者の声があらわれたものだ」として、「こういう人を(自民党公認候補として)鳥取県民にお願いした不明を恥じ入る」と述べました。しかし、鳥取県ではこのような二大政党間の鞍替えが相次いでいます。ちなみに「鞍替え」は「旦那がひいきの芸者を”鞍”替えする」という下品な語源を持つ言葉なので、当ブログでは、「国替え」、「院替え」などと言い換えていますが、この場合は、「鞍替え」がピッタリです。第44回衆院選(2005年9月11日)では、郵政造反で自民党を除名(民主党でいう除籍のこと)された川上義博さんが、小沢一郎氏の誘いで、第21回参院選(2007年7月29日)で民主党公認で当選し、小沢グループになりました。小沢氏は、さらに自民党の田村耕太郎参院議員を引き抜き、選挙区も捨てさせ、第22回参院選(昨年7月11日)で民主党公認の全国比例の候補者としましたが、落選しています。また、民主党の鳥取選挙区の女性候補者は、元自民党参院議員の孫娘でしたが、これは祖父と孫は別人格ですから、いいでしょう。鳥取県では有権者が選んだ政党を次々と裏切る政治家が出ていますが、火付け役は石破さんです。石破さんは、自民党政科研(中曽根・渡辺派)から、細川・羽田内閣発足後に新生党に移り、新進党結党に参加しました。そして、小沢一郎氏に辟易し(これに関しては同情しますが)、自民党平成研(小渕派)に一本釣りされてしまいました。この石破氏の「1度裏切る人間は2度裏切る」行為により、鳥取県では「鞍替えは全然オッケー」になってしまいました。鳥取県民はもっと怒るべきです。

 石原さんの総括的質問、石破さんの説教に続き、塩崎恭久さんが「原子力賠償スキーム法案」などについて、そして、赤澤亮正(あかざわ・りょうせい)さん成立した議員立法に対する民主党の対応について質問しました。この赤澤質問も大会派だからできる質問です。赤澤さんは鳥取2区ですから、石破さん、赤澤さんの鳥取選出の衆議院議員は全員が質問に立ったことになります。小泉チルドレンで小選挙区で生き残った2期生は、赤澤さん、稲田朋美さん、徳田毅さん、小里恭弘さんの4人で、全体の5%程度になります。

 赤澤さんは、議員立法の津波対策推進基本法案(筆頭発議者・二階俊博さん)を第174回通常国会に提出したのに、民主党(小沢一郎幹事長・山岡賢次国対委員長)がたなざらしにしたことを菅総理(民主党代表)が知らなかったとして、民主党のシステムが危機管理に即していない、と批判しました。民主党と自民党の相対的な比較ならば、それは自民党に一日の長があるでしょう。しかし、だったら自民党政権50年間に、閣法として、津波対策推進基本法を成立させるべきでした。

 そして、繰り返しになりますが、自民党も政権準備党(The Opposition)として、シャドウ防衛大臣とシャドウ復興対策担当大臣、シャドウ行革・公務員制度改革相を今すぐ任命すべきです。聞くところでは、英国では、シャドウ大臣にも少額の手当が国から支給され、シャドウ首相には若干の交際費も国費で認められているようです。このように、日本でも、シャドウ・キャビネットに、「資料費」などを支給するシステム作りが必要です。

 2週間ぶりに国会が正常化した今朝、このブログの左につけた「ブンブンカウンター」を使ったリアルタイム・ログ(アクセス履歴)解析で、「hq.jimin.or.jp」というリモートホストからのアクセスが全体の4位になっていました。その後、現時点では19位となっていて、朝早くから働いていることからしても、自民党の総裁・幹事長室や政務調査会事務局などが見ていたかもしれません。おそらく、2人の新閣僚について、何か質問しようかと探っていたのでしょうか。ならば、あすの参院予算委員会の質疑では、意外にバクダンはなさそうです。ちなみ自民党本部よりも海上保安庁からのアクセスが多くて、「あれsengoku38さんか?」と思いましたが、その方はすでに退職していますし、この国会で法案や、第2次補正予算案は関係ないと思うんですが、どうなんですかね。

 とにもかくにも、日々のアクセスありがとうございます。また有料ブログの方も6月の無料試読の方が多く有料会員になっていただき、7月は過去最多の購読者となっております。すでに7月1日の昼頃には入っていた情報で、遅くなってしまいましたが、謹んで御礼申しあげます。

 さて、最後に。言わずもがな、野暮も野暮、スーパー野暮なヒトコトです。岩屋毅さんと河野太郎さんも、1年間の役職停止中も含めて、引き続き、自民党でがんばって、第46回衆院選で政権担当可能な2つの政党の選択肢を私たちに必ず提示していただきたいと考えます。

 あすは午前10時から参院予算委の集中審議です。衆院の青少年問題特別委員会もあります。そしてあさって金曜日の参院本会議、衆院本会議から法案審議が再スタートします。暑いですから、シャキッと、短時間でしっかりと仕上げていきましょう。

[河野太郎さんのブログから抜粋引用はじめ]

一夜明けて  私はなぜ会期延長に賛成したか
2011年06月24日 00:53|影の行政刷新・公務員制度改革担当相

http://www.taro.org/2011/06/post-1036.php

今朝入金するはずだった党本部からの交付金の振り込みが取り消されたという連絡で1日が始まる。議員会館の経常経費半年分だ。

(中略)

自分が正しいとは思っていても党と違う行動をとったのだから、役職の辞表を書く。党本部に提出に行く時に、地下道で蓮舫消費者問題担当大臣とすれ違う。「例の問題の打ち合わせをどこかでお願いします」と言われて、いかん、消費者問題調査会長を辞表に書き漏らした。

辞表の修正をしながら、来日中のシンガポールのゴー・チョクトン上級相との昼食会に帝国ホテルに向かう。

昼食会のメンバーは、党三役と小坂参院幹事長、塩崎代議士と僕。ここで辞表を手渡すわけにもいかないし。

しばらく静かにしていたが、上級相が原子力の問題を取り上げたので、Although today I am on probation, but 我が国の原子力業界は腐っている、力説した。上級相、笑いながら、彼はまだ党内で少数派かい。

遠藤筆頭副幹事長から、昨日の件で弁明を聞く機会をつくってから処分ということになるからとの連絡をいただく。

議員会館に戻って、スタッフに、辞表を出してからみんなの党にいくよと声をかけたら、ええっと驚いている。あれ、みんなの党の原子力の勉強会は今日だろと言ったら、離党してみんなの党にいくのかと思った、だって。おいおい、よせよ。

約1時間半、みんなの党の会議室で、原子力・エネルギー政策の勉強会で講師。渡辺代表から、みんなの党の総裁ポストが空席なのでこちらでぜひ、とお誘いをいただく。

その後、学術会議から河川の基本高水の検討状況についての説明。

自民党は、前日まで50日の会期延長で与党と合意していた。だから自民党は会期延長に反対しているわけではないという執行部の説明はウソではない。

しかし、昨日の本会議には、50日間の会期延長の動議はない。

昨日の本会議の採決は、会期を70日間延長をするかどうかだ。

自民党は会期を50日間延長しろと訴えたが、結果として70日間の会期延長の動議が本会議に提出され、採決となったのだから、それぞれの議員がとることができる選択肢は70日間の会期延長に賛成か、反対かだけである。反対が通れば、会期は延長されず、国会は閉会する。

自民党執行部は50日が妥当であり70日は長すぎると主張し、私は国会は通年でやるべきで70日は短すぎるという意見だ。

しかし、50日の延長も通年国会の開催も、そうした動議がかかっていない以上、その選択はできない。主張の如何に関わらず、70日の延長か閉会か、どちらかを選ばなくてはならなかった。

だから私は70日の会期延長に賛成した。

被災地の状況を考えれば、国会を閉会することはできない。東電に代わって国が賠償金を仮払いする法案を自民党は提出したばかりである。再生可能エネルギーの買い取り法案もある。そして特例公債法案も待ったなしだ。二次補正もある。

だから、閉会という選択肢はない。それならば、70日という数字にどの程度満足しているかは別として、賛成しなければならない。

私は、国会改革を訴える仲間や民自連といった超党派の仲間と一緒に通年国会をずっと訴えてきた。

南三陸や陸前高田、気仙沼などの被災地に足を運び、被災された方々や町長をはじめ行政に携わる方々の声を直接、聞いてきた。

今、政局で、復興を遅らせてはならない。永田町の理屈は、いや、屁理屈はどうでもいい。国民に、まっすぐに、政治が国民のために全力で動いているということを理解してもらえるような行動を議員一人一人が行っていかなければならない。

政治不信は極まっている。いや、むしろ、政治家不信だろう。

会期を70日延長したら三次補正が遅れるなどというのは永田町の理屈だ。世の中の理屈は、三次補正が必要ならば与野党の政治家が力を合わせてそれを全力で早くやればいい。

もし、自民党の理屈が被災された方々にもきちんと伝わるのだったら、なぜ、小野寺、秋葉、吉野、梶山といった被災地の代議士が本会議を退席しなければならなかったのか。彼らが一番、つらかったはずだ。なぜ、彼らが、自民党はこう行動したと堂々と地元で胸を張って伝えられるような行動を、自民党はとらなかったのか。

世の中が国会議員に望んでいるのは、与党も野党もなく、力を合わせて国民のために一生懸命仕事をしてくれということではないか。永田町の屁理屈で行動するのはやめよう。

[河野太郎さんのブログから抜粋引用終わり]

このエントリー記事の本文は以上です。 


平野達男・復興相の「それから」を応援しよう!

2011年07月06日 08時48分43秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[写真]菅直人首相と平野達男復興相、2011年6月5日、首相官邸ホームページから。

 2011年7月5日、坊ちゃん議員らしく、スパッと辞任した松本龍さんに代わり、復興相(東日本大震災復興対策担当大臣)に平野達男さんが起用されました。順調な人事で、歓迎します。平野さんは、参院岩手選挙区(1人区)選出ながら、昨年6月の代表選で、小沢一郎氏が推した候補ではなく、副総理の菅候補に投票しており、「政権の重荷」「与党の責任」を知っている人だと思います。おとといのエントリーで、参院本会議でノー原稿で演説(討論)した議員を松本龍さんが「へーやるねえ」と感心したエピソードを書きましたが、このときノー原稿で、政権交代後最初の予算の賛成討論に1年生議員を起用したときの筆頭理事が平野さんでした。平野さんはノー原稿演説について、「憲政史上初だ!」と褒めたそうですが(実際にはノー原稿は野田佳彦さんらたびたびありますが)、人を見る目がある、頼れる“現場監督”です。

 このときの政権交代後最初の与党としての参・予算委で筆頭理事を平野さんが務めたのですが、与党でありながら、野次る議員が多く、残念でした。しかし、あるとき、野党の質問中に、最前列に座る平野筆頭理事が左手を高く挙げ、掌を後ろに向けて、「止め!」のジェスチャーをすると、委員会室がさっと静まったことがあります。そして、高く挙げた手をしっかりと伸ばしながらサッと前にやると、今度は野党の議員が、次の質問に進み、審議がスムーズに動き出した場面がありました。平野さんはヒトコトも発していませんから、議事録には残っていません。が、これが平野達男さんの正念(性根)場だったと思います。復興の陣頭指揮も同じようにとってもらいたいと考えます。一方、退任した松本龍さんについても、多くの人から「ああいう人ではない」「ストレスではないか?」という声が次々とあがっているようです。龍さんの面倒見が良いという人柄があらわれた格好で、こちらも「正念場」ということになります。イチイチ言葉がなくても、政治家というのはいろいろな人と交わるのが仕事ですから、性根は分かるものです。

 とにかく余裕がありませんから、力がある人の背中を押して、日本復興を進めていきましょう。

 そのなかで、6日付東京新聞3面に気になる記事がありました。ベタ見出し(見出しが1行)の記事で、「小沢元代表『受けるな』平野氏に」。平野復興相が菅首相から就任を要請された際、首相と対立関係にある元代表・小沢一郎さんに連絡したところ、「受けるな」と言われ、入閣を辞退するよう促されていたと民主党関係者が明らかにした、とする記事です。東京新聞は「具体的な会話の中身は明らかではない」とことわりながらも、小沢の圧力は奏功しなかったとしています。そして、「入閣が正式に決まった後、平野氏は小沢元代表へ伝えようと、再び連絡を試みたが、返答は得られなかったという」としています。このように、小沢氏が電話の取り次ぎに一切応じることがなくなることは今までにもたびたびありました。かつては、岩手3区の佐々木洋平衆院議員が一切連絡をもらえず、黄川田徹さんに公認候補者をさしかえられ、佐々木さんは無所属で出馬しましたが小選挙区ではとうてい及ばず、その後国政に戻ることはできませんでした。新進党時代に船田元さんも同じようなことをされたみたいです。これはまさに、小沢氏の性根です。何とか、地方の方、高齢の方、貧しい方にも小沢氏の性根を知ってもらいたいものですが、なかなか支持者は根強い物があり、世襲グループ(田中眞紀子氏、鳩山由紀夫氏ら)への親しみが底堅いようです。

 平野達男さんは次の2013年6・7月の第23回参院選で改選を迎えます。選挙制度改革があれば、岩手県選挙区は他の選挙区と合区(がっく)したり、東北ブロック大選挙区などになったりする可能性があります。仮に平野さんが岩手県選挙区1人区ということで、立候補すると、小沢グループの嫌がらせや、自民党(鈴木俊一県連会長)の追い上げを受ける可能性が出てきました。平野さんは次の選挙の時点ではまだ59歳ですから、年金をもらうまで時間があります。たとえば、全国比例に転出するにしても、自民党にはJA組織内の山田俊男さん、民主党には岩手県連(元県会議長)の藤原良信さんらと支持層が重なります。衆参ダブルになれば、衆院という選択肢もありますが、いずれにしろ、参議院の岩手を中心とする選挙区が軸になります。ぜひ、平野さんの故郷への思い、復興に資する、国に報じようとする意気込みを私たちは買おうではありませんか。復興相としての実績で、仮に岩手県内で小沢氏が妨害しても、しっかりと押し上げる。有権者の識見が問われます。

 こう思うと、まさに平野復興相は「平成の長井代助(ながい・だいすけ)」と思います。長井代助とは、漱石(夏目漱石)が明治42年に朝日新聞に連載した『それから』の主人公です。代助は義侠心からかつての恋人・三千代を友人に譲りますが、「自然の児(こ)になろう」と決心し、三千代に告白し、三千代はそれを受け入れます。そして、代助は、兄から「貴様は馬鹿だ」「おれも、もう逢わんから」と言われながらも、立ち上がり、「僕はちょっと職業を探してくる」と言い、真夏の炎天下に飛び出します。そして、飯田橋から電車に乗り、まっすぐに走り出した電車のなかで「ああ動く。世の中が動く」と言いました。そして、「代助は自分の頭が焼け尽きるまで電車に乗って行こうと決心した」という一文で『それから』は終わります。昭和60年の東映映画では松田優作さんが演じています。

 平野復興相の『それから』を応援したいし、また被災民の方々のなかにひょっとして、立ち上がれるのに立ち上がろうとしていない人がもしもいるのなら、どうか炎天下のなかでも代助のように立ち上がってほしい。東北の『それから』、日本の『それから』。一体となって、もう一度立ち上がるために。志のある人をしっかりと応援し、偽者の政治家(おもに世襲グループの一部)をしっかりと抑えつけましょう。

 一人一人の有権者にとっても「正念場」の夏、あなたの性根がみられています。


東北放送(TBC)出身の郡和子さんがトップバッターで国会正常化 きょう7月6日(水) 衆・予算委

2011年07月06日 01時06分19秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

 さあ、いよいよ、きょう7月6日(水)の午前9時から、衆院予算委員会の集中審議(今年度予算の執行状況に関する調査)から、延長国会が正常化します。

 東日本大震災復興対策担当大臣が松本龍さんから平野達男さんに交代しました。これについては、エントリーを改めて、感想を書くかもしれませんが、松本さんがTV・スチールカメラ・ペン記者入りの、大臣と県知事の会談のアタマ撮りのなかで、話した後に、「今のはオフレコです」と言ったのは、これは報道における紳士協定上、ありえません。オフレコは事前に断り、両者が合意してからです。よほど仲の良い取材者ならば、武士の情けで後からオフレコを認めることもありますが、あの場面では、宮城県庁を担当している記者もいるわけです。これを報道した東北放送(TBC)は当然の対応ですが、他の会社が報道しなかったことから、東北放送のスクープになってしまいましたが、いずれにしろ、東北放送は「社会の木鐸」と言えると思います。

 その東北放送(TBC)のアナウンサー・解説委員出身の民主党の郡和子さん(宮城1区)が2期生ながら、集中審議のトップバッターに選ばれました。郡さんは今国会でははじめから予算委員でした。「3・11」後の最初の衆院予算委員会となった4月26日の集中審議でも、しっかり座って議論を聞いておられました。このとき、私は傍聴席の2階(一般傍聴席)にいたのですが、中井洽委員長に促されての「黙祷」のとき、それに従ったのが私1人だったことに違和感を持ちました。もちろん、前列の1階(報道傍聴席)から溢れたスチールカメラマンが黙祷する姿にシャッターを切るのは当然ですが、民報カメラのビデオエンジニア(?)の人なんかは、黙祷に加われたのではないでしょうか。

 それはそうと、郡さんは民主党代表選挙でも、勝ったり負けたりですが、毎回、私から見て、国益に資する判断をしています。女子アナから解説委員への道は、ご存じの通り、NHKの小宮山洋子アナウンサー・解説委員が拓いた道ですが、厚労副大臣を務める小宮山さん同様に、衆院・厚労委員会に所属していました。ただ、民主党の場合は、長妻昭さんなど、厚労委員会には人材のだぶつき感があったのは事実で、こうやって予算委員会で、震災復興と社会保障、そして財源と絡めた議論を、郡さんにはやってほしいと期待しています。

 時間も与党としては異例の25分間です。そして、地上波アナログ放送は、被災3県(宮城県など)を除き、7月24日の正午で終わります。郡さんは2月3日の基本的質疑でも、NHKテレビ・ラジオ中継入りで質問していますが、延長国会での再登場となりました。日ごろの行いが良いからでしょう。

 午前9時にNHKテレビ・NHKラジオ・衆議院インターネット審議中継・ニコニコ動画で視聴できなくても、ビデオで見ることができます。

 7日(木)には参・予算委の集中審議があり、8日(金)から法案審議に戻れそうです。