[写真]西岡武夫参議院議長(右)にお辞儀をして、参議院事務総長席を去る、小幡幹雄さん(参議院インターネット審議中継から)
【参・本会議 2010年12月3日(金)】
内閣からの求められた国会同意人事が会期最終日に駆け込み採決。これについては、衆院の優越規定がありませんので、ねじれ参院での粘り強い熟議が必要です。
うち、「長」に関しては、
証券取引等監視委員会委員長に「佐渡賢一さん」を政府は提案。wikipediaによると、検察官出身で、2007年から委員長を務めていますので、再任ということになるんだと思います。空白期間ができたかどうかは、他の報道でご確認下さい。押しボタン式投票の結果、賛成230、反対5、棄権0で同意されました。
空席だった預金保険機構の理事長には「田辺昌徳(たなべ・まさのり)さん」を提案。この人は日銀(日本銀行)出身です。賛成229、反対6で同意されました。
この後、西岡武夫議長は緊急上程として、午前中の参院厚生労働委員会で可決した「障害者自立支援法改正のつなぎ法案」について、津田弥太郎委員長が報告。「応能負担が原則であることを明示する」ことなどの現行法の手直しに関する暫定措置を盛り込んだ法案内容を説明。
総数235、賛成224、反対11で可決・成立しました。
さらに、議員立法の「
原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の一部を改正する法律案」(城島光力衆院議員・民主党政調会長代理ら提出)について、柳澤光美・参院経産委員長が報告し、「賛成214、反対20」で可決・成立されました。
次の緊急上程として、川端達夫・衆院議院運営委員長が提出した「国会議員の歳費の日割り法案」について審議。鈴木政二・議院運営委員長(自民党)が「全会一致をもって可決」したと報告。超党派の”熟議”のおかげで、
投票総数 233
賛成 233
反対 0
で、全会一致で可決・成立しました。ねじれ国会の最後は、熟議の全会一致でした。来年への光明が見えました。
この後は、請願の処理、法案の閉会中審査、調査案件の継続などの諸手続。
当たり前のことですが、実はことしの通常国会は参院選直前ということで、これをやっていませんでした。
【参議院事務総長がバトンタッチ】
そして、西岡議長から「小幡幹雄(おばた・みきお)事務総長から辞表が提出されました」と発言。小幡事務総長は西岡議長にお辞儀をして、参院本会議場から去りました。そして、後継の事務総長の選挙は省略し、西岡議長は事務次長だった橋本雅史(はしもと・まさふみ)さんを新しい参議院事務総長に指名しました。
小幡事務総長は今国会の予算委員会で、自民党の西田昌司さんの指名で、事務総長としては異例の答弁に立ち、参議院事務局職員として、警務部をはじめとする裏方さんの誇りを堂々と示し、長年(35年~40年くらい?)務めた参議院事務局を去りました。橋本雅史さんが2011年のねじれ参議院の裏方さんトップを務めることになりました。小幡幹雄・第16代参議院事務総長は2007年10月5日から2010年12月3日まで、橋本雅史・第17代参議院事務総長は2010年12月3日から、ということになります。いずれにしろ、「ねじれ国会」ということで、事務局職員にとっても腕の見せ所とはいえ、深夜国会など波の高い日々が来年も続きそうです。
(時事通信から引用はじめ)
時事ドットコム:参院事務総長に橋本氏
参院は3日の本会議で、小幡幹雄事務総長の辞職を許可し、後任に橋本雅史事務次長を選任した。事務次長には中村剛委員部長が昇格した。橋本 雅史氏(はしもと・まさふみ)東京教育大文卒。76年参院に入り、警務部長、議事部長を経て07年10月事務次長。57歳。大分県出身。
(時事通信から引用おわり)
西岡議長は最後に起立して、年末のあいさつに立ち、「最後に小幡幹雄事務総長の長年のご労苦に敬意を表します」と締めくくりました。
国会においては、参議院議員である蓮舫大臣も、小幡事務総長に歩み寄って、その労をねぎらったのだろうと、きょうはネット中継で見ていますから確認できませんが、蓮舫参議院議員も小幡さんに労をねぎらったのだろうと、きっとそうだろうと、思います。
参議院本会議は休憩し、午後1時からの衆院本会議散会後に、流会となるものと思います。これで、第176臨時国会「熟議(への助走)の国会」は閉幕します。
橋本事務総長には在任中に「より開かれた参議院(事務局)」を実現するよう求めます。