【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

小沢一郎さんの関連2団体が小沢和子夫人に「事務所賃借料」を合計1112万円

2010年12月03日 23時01分31秒 | その他
[写真]小沢一郎さんと小沢和子夫人

 小沢一郎さんの関連政治団体2団体が、「事務所賃借料」の名目で、2009年に小沢和子夫人に合計1112万円を支出していたことが、総務省の2009年(平成21年)定期公表分の政治資金収支報告書から明らかになりました。

 小沢衆議院議員の政策秘書(ことし9月に退職)が代表者を務める「誠山会」と「小沢一郎政経研究会」の2団体は、それぞれ毎月69万5000円ずつの「事務所賃借料」を1月分から8月分の合計1112万円支出しています。日付は、誠山会が2009年1月23日付~10月23日付の計8回、小沢一郎政経研究会が1月23日付~10月28日付の同じく計8回。

 小沢一郎政経研究会
 http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/101130/31510017.pdf

 誠山会
 http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/101130/31810059.pdf

 これはいったい何なのでしょうか?

第176臨時国会が閉幕

2010年12月03日 13時54分38秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議

[写真]鉢呂吉雄・民主党国会対策委員長

【衆議院本会議 2010年(平成22年)12月3日(金)】

 何とか延長無しに会期末を迎えましたが、東京は未明からどしゃ降りでした。

 午後1時からの衆院本会議で、国会同意人事(1時間前に参院で同意済み)を採決し、「同意を与えることに決まりました」。

 その後、今国会では意外や意外、八面六臂の大活躍をみせた衆院環境委員会の小沢鋭仁(おざわ・さきひと)委員長が「地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律案」(閣法176国会第12号)が可決、成立しました。環境委員会は、鳩山内閣の環境省政務三役全員(小沢大臣、田島一成副大臣、大谷信盛政務官)がそのまま、委員長、理事、筆頭理事に移っていて、鉢呂吉雄・国対委員長が就任記者会見で語った「政務三役(帰り)にも委員会の現場で汗をかいてもらう」をイチバン体現した委員会でした。「地球温暖化対策基本法案」が持ち越されましたが、これはメキシコで日本の環境省職員も奮闘している国際会議「COP16」の結果を分析してから、通常国会でやればいいでしょう。COP16で、まかり間違って、京都議定書の単純延長となれば、今の法案では米中を巻き込めない“自爆”につながりますから。衆・環境委では、議員立法の「気候変動対策推進基本法案」(公明党の江田康幸さん提出)、「低炭素社会づくり推進基本法案」(自民党の野田毅さん提出)という、閣法(福山・岡田法案)、公明党案(江田法案)、自民党案(野田法案)は来年の通常国会で熟議されます。

 本会議では、公明党の江田康幸さんが頑張っている「HTLVー1ウィルスに関する請願」など諸請願および「労働者派遣法改正案」など諸法案が午前中の各委員会による議決に伴う委員長からの申し出に基づき、各委員会での閉会中審査が認められました。

 最後に、横路孝弘議長があいさつに立ちました。

 「諸君、第176回国会は本日をもって終了いたします。本年は議会開設以来、120年を迎えましたが、わが国をめぐる内外の諸情勢はまことに厳しいものがあります。これまで幾多の試練を乗り越え、議会政治の確立に献身された先人の尊い努力を改めて振り返り、国会において、一層充実した審議を重ねて、国民生活の安定向上に努めるよう、 引き続き議員各位のご協力を願って止みません!」

 これをもって、10月1日(金)に召集した第176臨時国会は閉幕しました。7月11日の第22回参院選でねじれ国会になってから初めて、民主党は予算(補正予算)を編成して、審議し、可決、成立させることができました。嵐のような平成22年(2010年)の国会でしたが、私はこの程度のことは大したことはないと思います。

 現場で指揮をとった鉢呂吉雄・民主党国会対策委員長が、そのストレスに耐え、最後まで完投しました。変わりやすい物の例えとして「女心と秋の空」。時々勘違いしている方がいますが、変わりやすいのは「女心(おんなごころ、をんなごころ)」であって、女性の心理が変わりやすいという意味ではないですよ。むしろ私が知っている女性社長の心理なんか、もう少し秋の空のように変わりやすくなった方がいいかと思いますが、女心と同じく「世論」なるものが、ジェットコースターのように移ろいやすくなってきました。日本という国家は青春の終焉を迎え成熟社会となりましたが、日本の国会はこれからが青春です。議会開設120年目からのBegin! 菅さんも岡田さんも鉢呂さんも辞めない。辞めない精神力がイチバン必要です。クリーンでオープンな国対ということも、会期中に発売された海部俊樹著「政治とカネ 海部俊樹回顧録」を読んでいると、55年体制よりは、政治が国民の手に戻っているんだ、という確信はします。国民が国会を育てていくという気構えを、短くとも第46回衆院選までは持ち続けていただきたいと思います。

 ただ、古本伸一郎・前財務政務官、大塚耕平・前金融担当副大臣、小沢鋭仁・環境大臣ら環境省政務三役、足立信也・前厚労政務官らの今国会での振る舞いを見ていると、国会運営には政務三役経験者を活用すべきだと感じます。その辺で、衆参国対委員長や代理、政調会長代理らに政務三役の経験がないということは解消する必要があるように思えます。

 議連は超党派で。それと、あまり赤坂で会合をしないで、政策を勉強している人が民主党、自民党とも活躍していることが与野党をチェンジすると、ますますよく見えてきました。

 どしゃ降りだった東京ですが、国会審議がスタートした9時頃には抜けるような青空になりました。きのう、東京スカイツリーが500メートルを越えました。きょうも山手線や新幹線は通常運行しているようです。ことし1年間、つたない国会傍聴記におつきあいいただいた読者と取材協力者のみなさまに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。


小幡幹雄事務総長が辞任、橋本雅史さんへ「同意人事」、「自立支援」、「歳費日割」を可決し参院本会議閉幕

2010年12月03日 12時05分21秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議
[写真]西岡武夫参議院議長(右)にお辞儀をして、参議院事務総長席を去る、小幡幹雄さん(参議院インターネット審議中継から)

【参・本会議 2010年12月3日(金)】

 内閣からの求められた国会同意人事が会期最終日に駆け込み採決。これについては、衆院の優越規定がありませんので、ねじれ参院での粘り強い熟議が必要です。

 うち、「長」に関しては、

 証券取引等監視委員会委員長に「佐渡賢一さん」を政府は提案。wikipediaによると、検察官出身で、2007年から委員長を務めていますので、再任ということになるんだと思います。空白期間ができたかどうかは、他の報道でご確認下さい。押しボタン式投票の結果、賛成230、反対5、棄権0で同意されました。

 空席だった預金保険機構の理事長には「田辺昌徳(たなべ・まさのり)さん」を提案。この人は日銀(日本銀行)出身です。賛成229、反対6で同意されました。

 この後、西岡武夫議長は緊急上程として、午前中の参院厚生労働委員会で可決した「障害者自立支援法改正のつなぎ法案」について、津田弥太郎委員長が報告。「応能負担が原則であることを明示する」ことなどの現行法の手直しに関する暫定措置を盛り込んだ法案内容を説明。

 総数235、賛成224、反対11で可決・成立しました。

 さらに、議員立法の「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の一部を改正する法律案」(城島光力衆院議員・民主党政調会長代理ら提出)について、柳澤光美・参院経産委員長が報告し、「賛成214、反対20」で可決・成立されました。

 次の緊急上程として、川端達夫・衆院議院運営委員長が提出した「国会議員の歳費の日割り法案」について審議。鈴木政二・議院運営委員長(自民党)が「全会一致をもって可決」したと報告。超党派の”熟議”のおかげで、
 投票総数 233
 賛成    233
 反対      0

 で、全会一致で可決・成立しました。ねじれ国会の最後は、熟議の全会一致でした。来年への光明が見えました。

 この後は、請願の処理、法案の閉会中審査、調査案件の継続などの諸手続。
 当たり前のことですが、実はことしの通常国会は参院選直前ということで、これをやっていませんでした。

【参議院事務総長がバトンタッチ】

 そして、西岡議長から「小幡幹雄(おばた・みきお)事務総長から辞表が提出されました」と発言。小幡事務総長は西岡議長にお辞儀をして、参院本会議場から去りました。そして、後継の事務総長の選挙は省略し、西岡議長は事務次長だった橋本雅史(はしもと・まさふみ)さんを新しい参議院事務総長に指名しました。

 小幡事務総長は今国会の予算委員会で、自民党の西田昌司さんの指名で、事務総長としては異例の答弁に立ち、参議院事務局職員として、警務部をはじめとする裏方さんの誇りを堂々と示し、長年(35年~40年くらい?)務めた参議院事務局を去りました。橋本雅史さんが2011年のねじれ参議院の裏方さんトップを務めることになりました。小幡幹雄・第16代参議院事務総長は2007年10月5日から2010年12月3日まで、橋本雅史・第17代参議院事務総長は2010年12月3日から、ということになります。いずれにしろ、「ねじれ国会」ということで、事務局職員にとっても腕の見せ所とはいえ、深夜国会など波の高い日々が来年も続きそうです。

(時事通信から引用はじめ)

 
時事ドットコム:参院事務総長に橋本氏

 参院は3日の本会議で、小幡幹雄事務総長の辞職を許可し、後任に橋本雅史事務次長を選任した。事務次長には中村剛委員部長が昇格した。橋本 雅史氏(はしもと・まさふみ)東京教育大文卒。76年参院に入り、警務部長、議事部長を経て07年10月事務次長。57歳。大分県出身。

(時事通信から引用おわり)

 西岡議長は最後に起立して、年末のあいさつに立ち、「最後に小幡幹雄事務総長の長年のご労苦に敬意を表します」と締めくくりました。

 国会においては、参議院議員である蓮舫大臣も、小幡事務総長に歩み寄って、その労をねぎらったのだろうと、きょうはネット中継で見ていますから確認できませんが、蓮舫参議院議員も小幡さんに労をねぎらったのだろうと、きっとそうだろうと、思います。

 参議院本会議は休憩し、午後1時からの衆院本会議散会後に、流会となるものと思います。これで、第176臨時国会「熟議(への助走)の国会」は閉幕します。

 橋本事務総長には在任中に「より開かれた参議院(事務局)」を実現するよう求めます。

これはビックリ国会番外地 平成20年度決算、平成23年へ継続審査決定

2010年12月03日 11時20分01秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議
[写真]衆・決算行政監視委員長の大村秀章さん(自民党)と参・決算委員長の鶴保庸介さん(自民党)

【参・決算委員会 平成22年(2010年)12月3日(金)】
【衆・決算行政監視委員会 同日】

 これはビックリです。

 例年よりも半年以上遅れている「平成20年度決算」ですが、(注意:平成21年度決算ではなく平成20年度決算です、念のため)、平成23年国会へと先送り(継続審査・閉会中審査)となりました。

 午前10時40分からの参・決算委員会では鶴保庸介委員長(自民党)が継続審査の手続きを取り、散会を宣言すると「お疲れ様でしたー!!」と大声をあげましたが、疲れていません。

 午前11時40分からの衆・決算行政監視委員会は大村秀章委員長(自民党)が閉会中審査の手続きを取りました。大村さんに限りませんが、国会での仕事をキッチリと仕上げてから、次のステップに進んでほしいですね。

 平成20年度予算・決算というと、福田康夫内閣~麻生太郎内閣で、第2次補正で定額給付金が2兆円増額補正されたアレです。予算もアレなら、決算もアレ。ホントウに自民党は無責任政党です。その無責任政党に50年間政権を預け続けた日本国民もその責めを負わなければ行けません。

 珍プレーか、はたまたホラーか。

 君子は根本のことに務めます。根本のことを務めて、初めて、前に進む道が生じてきます。

 平成20年度決算が認定(是認)されないまま、平成23年度当初予算を今月中に組み上げなければ行けない菅直人政権。民間では考えられないことですが、自治体でも考えられないことです。

 今国会は極めてTV中継が多かったので、初めて国会中継に興味を持ったというお年寄りも多かったようです。明日のために何ができるか。どんなつまらない人生も、自分の植えたリンゴの木からとれる実を子々孫々まで残したいなら、まずは12月中(政治資金規正法では12月が年度末)に個人献金。そして、来年の国会も一緒に、第46回衆院選・第23回参院選での投票行動を決めるために、当ブログと一緒に見ていきましょう。

現在国会で未認定の決算関連案件は次の通り。(何かに引用する際は衆院事務局か参院事務局にご参照・ご確認ください。)

決算 173 平成二十年度一般会計歳入歳出決算 
決算 173 平成二十年度特別会計歳入歳出決算 
決算 173 平成二十年度国税収納金整理資金受払計算書 
決算 173 平成二十年度政府関係機関決算書 

決算 176 平成二十一年度一般会計歳入歳出決算
決算 176 平成二十一年度特別会計歳入歳出決算
決算 176 平成二十一年度国税収納金整理資金受払計算書 
決算 176 平成二十一年度政府関係機関決算書

国有財産 173 平成二十年度国有財産増減及び現在額総計算書
国有財産 173 平成二十年度国有財産無償貸付状況総計算書
国有財産 176 平成二十一年度国有財産増減及び現在額総計算書
国有財産 176 平成二十一年度国有財産無償貸付状況総計算書

障害者自立支援改正つなぎ法が会期最終日に参・厚労委通過 足立信也理事が付帯決議

2010年12月03日 10時12分17秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議

【参・厚生労働委員会 2010年12月3日(金)】

 「障害者自立支援法の改正のつなぎ法案」が厚労委で賛成多数で通過しました。衆院厚生労働委員長提出の議員立法です。津田弥太郎委員長による挙手採決では、社民党の福島瑞穂委員が反対したようで、一般傍聴席から「3党連立の意味があるのか!」「障害者自立支援法(そのものに)反対!」との声が、ネット中継でも聞こえました。一般傍聴席からのヤジは極めて異例で、その後聞こえなくなったことから、衛視さんに制されたものと思われます。

 このつなぎ法案は、窓口などで払うお金を、診療など受けるサービスに応じた「応益負担」から、収入など支払能力に応じた「応能負担」に変える(戻す)もので、私にとっては個人的には不利になる法案ですが、国権の最高機関が決めたことですので、従い、制度自体がよりこなれたものになるよう見守りたいと思います。

 委員会の最後に、厚労政務官帰りの足立信也理事が、抜本改革に向けた付帯決議案を提出し、可決されました。午後の参院本会議に緊急上程されて、可決、成立する見通しだと、思われます。

法律(案)の正式名称は、

衆法
議案提出回次 176 議案番号 7
議案件名 障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律案

http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g17601007.htm