【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

菅さん、もっと地方へ、もっと高齢者へ、もっと貧者へ、もっと情報弱者へ

2010年09月09日 00時45分38秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ
[写真]鳥取県米子市を訪れた菅直人さん、2010年7月7日、民主党ホームページから。

 代表選は終盤に向けて仕上げの時期を迎えました。最後までしっかりとやっていきましょう。

 代表選の情勢を聞いてみて、分析してみて、菅さんは、もっと地方へ、もっと高齢者へ、もっと貧者へ、もっと情報弱者へ、目を向けないといけません。

 政権政党の党首選で、内閣総理大臣である候補者が有利であることはたくさんあります。しかし、不利な点もあります。それは東京都以外の46道府県で遊説をしにくいことです。

 総理の周りの警護官(SP)は、これ都知事の管理下にある警視庁の警察官であって、総理が行くならどこまでも、多摩川や荒川を越えて、全国・全世界に同行します。しかし、都外では、各道府県警が先乗りして、しっかりと計画を立てて、スーツを着て警備します。ですから、事前に、官邸にいる警察庁出身の総理秘書官が県警本部と連絡をとって設定しないといけません。

 内閣総理大臣の公務は東京でやらなければいけない、という法令はないでしょう。菅総理は、地方視察、それもド田舎の視察に行くべきです。そして、ホテルで寺田学・総理補佐官と昼食をした後は、「菅総理」から「菅候補」に早変わり。ここからは、地元で用意したハイヤーに乗り換えて、まあ警備当局の要請もありますから高級車ですが、そうやって菅候補として数十人を前に演説する。そして何より握手して、話を聞く。

 菅さんの熟議の政治の集音マイクを、もっと地方へ、もっと高齢者へ、もっと貧者へ、もっと情報弱者へ向けてください。それが代表選のプロセスからはっきり見えてきています。菅さんがそれをやってくれれば、安定政権をつくれ、代表選をやってムダではなかった、良かったということになります。

 民主党代表選には、内閣総理大臣で民主党代表の菅直人候補と、元代表・小沢一郎候補の2人が立候補していて、14日(火)に結果が判明します。