「代表選に参加できますよ、と言って、必死にサポーター集めをしていたので、今度の代表選は複数立候補してくれないと困る。あるある詐欺になっちゃいますよ」。
若手の衆参議員にこのような声が多いのは事実です。
私は8年前は新聞社在職中で、党員・サポーター籍がありませんでした。これまで、代表選で投票した経験がありません。ですから、サポーターとして投票に加わりたいし、権利を行使したいという気持ちを、つい先週までは持っていました。
私は、一人の、民主党サポーターとして、他の党員・サポーターのみなさんに提案します。
私たちは、党所属議員や、総支部に声を届けることができます。
9月1日、立候補者を菅直人総理一人に絞るよう、働きかけようではありませんか。
私たちが、「総理を選ぶ一票を投票する」。それは私たちの周りにいるみなさんから羨望のまなざしをもらえるかもしれない。だったら、国難(デフレ不況など)の今こそ、私たちが先頭に立って、権利を留保しなければいけない。
私たちは民主党員・サポーター以前に、日本国民であり、日本を愛する人です。
あす(8月25日)午後1時から、立候補予定者の説明会がありますので、代理人も含めて、いくつかの陣営が参加し、立候補予定者が見えてきます。
しかし、9月1日(水)の告示日に立候補者が一人立った場合には、選挙はありません。ただし当選日は9月14日(火)の臨時党大会(代表選出集会)になります。ただ、菅直人さん一人の立候補なら、追加景気対策、概算要求の査定スタート、再仕分け・特別会計仕分けの下準備、国連総会(9月)APEC横浜(11月)の予習、そして秋のねじれ臨時国会の法案準備と作戦立てに、14日間という時間を使えます。党人事・内閣改造へのさや当てもあるでしょうが、この辺は老獪な当選10回生、菅さんにとっては、時間があった方がむしろ「党の力を最大限に引き出す布陣」をつくることができます。
猛暑と不況でストレスがたまっています。代表選投票でストレスを発散したい人は、日曜日に「ウインズ」に行って、勝ち馬投票券すなわち「馬券」を購入することでも、ストレス発散はできます。
ですから、党員・サポーターは「菅政権無投票続投」で9月1日~14日間の安定した時間を作って、追加経済対策と秋の臨時国会への対応をとる時間を与えましょう。
単に「菅直人」という属人的な問題ではありません。
あの政権交代の夏に配った「09マニフェスト(政権公約)」を、ねじれ国会で、他党さんの声と懐具合(財源)を見すえて、考えを曲げながら前に進む「マニフェスト修正路線」を向こう3年間粘り腰でやっていく。日本は間接デモクラシーなので、いちいち私たちの判断を仰ぐ必要はありません。が、私たちは、しっかりと説明を聞く権利があります。まずは菅総理から消費税発言に関する説明、というか謝罪かもしれませんが、説明をしっかり聞きたいところです。
権利と義務は表裏一体です。「総理を選べる」という権利のために、多くの人は野党時代から党員(年6000円)、サポーター(年2000円)として民主党を支えてきました。その権利の行使を見送る以上は、見返りを求めましょう。「マニフェストの修正」には、党員・サポーター集会での十分な説明と若干の意見聴取が必要だと、内閣・党に義務づけちゃいましょう。
「党員・サポーター集会」の開催を要求します。
ある民主党王国の県連では、県都の会場を借りて、「党員・サポーター集会」を開く予定です。これは党員・サポーターは無料ですが、一般の有権者も有料で入場できますが、会場での発言権は党員・サポーターに限られます。前々から、「仮に代表選がまた無投票になった場合の、県連登録の党員・サポーターの怒りを抑える」のが目的で、集会を構想したそうです。さすが王国です。
このような党員・サポーター集会を県連、総支部が開き、「マニフェスト修正の説明と説得、質疑応答、意見聴取」をやる。あるいは、当日かけつけた人には新しくサポーター登録をしてもらうことで、参加できることにしたらいかがでしょうか。
総理の菅さんにも、都市部・地方部のいくつかの会場に来てもらいましょう。数千人と面会しなくてもいいのです。数十人の会合を数カ所でいいんです。そういう姿勢を示すことが大事なんです。
インターネット、例えば衆院議員の石井登志郎さんがやっている「スタジオ民主なう」への出演もいいでしょう。
09マニフェストについて、暫定税率撤廃のマニフェストを破った、との誤解がありますが、暫定税率は撤廃されています。その分、本則税率が引き上げられたので、ガソリンの値段は高いままですが。私は、これについての民主党財務大臣(藤井裕久さん、菅直人さん)の答弁に不満を持ってきました。
3日の衆院予算委員会で、財務大臣の野田佳彦さんは次のように答弁しました。「暫定税率については、(略)現行の十年間の暫定税率は廃止をする、ただし、税率水準は維持することとなりました。これは、地球温暖化防止の観点であるとか、原油価格が現在安定している、そういうことを勘案しながらの判断でございます」と分かりやすく、マニフェスト修正を答弁しました。
これに先立つ公明党幹事長の井上義久さんの質問は「暫定税率については、22年度から全廃というふうに(09マニフェストでは)なっています。ところが、鳩山総理も最後までこだわっていらっしゃったようですけれども、小沢前幹事長の(昨年12月の)ツルの一声で存続が決まった。これが今度は、参議院マニフェストでは、ガソリン税についての廃止には、もう記述がないんですね。(略)これは、ガソリン税の暫定税率の廃止はもうあきらめたというふうに理解してよろしいんでしょうか」というものでしたが、これは井上さんの認識が間違っています。しかし、多くの国民は井上質問の方が正しいと思っているでしょう、だって、ガソリン高いままなんですから。
この野田答弁のように、マニフェスト修正に必要なのは、説得力です。時間がかかります。代表選の14日間はもったいない。しっかりこの14日間で、秋から3年間、じっくりと腰を落ち着けて、マニフェスト修正とねじれ国会での法案を成立させていく。それは。党員・サポーターとして、サポートしていきましょう。まだまだ大丈夫です。
【上記の国会議事録】
第175臨時会 衆院予算委員会 第2号 平成22年8月3日(火曜日)
(前略)
○井上義久(公明党幹事長)
では次に、暫定税率の廃止について。
暫定税率については、22年度から全廃というふうに(09マニフェストでは)なっています。ところが、鳩山総理も最後までこだわっていらっしゃったようですけれども、小沢前幹事長の(昨年12月の)ツルの一声で存続が決まった。これが今度は、参議院マニフェストでは、ガソリン税についての廃止には、もう記述がないんですね。(略)これは、ガソリン税の暫定税率の廃止はもうあきらめたというふうに理解してよろしいんでしょうか。総理、これは重要な課題ですから。
○野田佳彦財務大臣 政府税調の会長でもありますので、私の方からお答えをさせていただきたいというふうに思います。
委員御指摘のように、暫定税率については、熟慮を重ねた結果でありますけれども、現行の十年間の暫定税率は廃止をする、ただし、税率水準は維持することとなりました。これは、地球温暖化防止の観点であるとか、原油価格が現在安定している、そういうことを勘案しながらの判断でございます。
平成二十二年度の税制改正大綱では、地球温暖化対策の税については、今回、当分の間として措置される税率の見直しも含め、平成二十三年度実施に向けた成案を得るべくさらに検討を進める、この方針に基づいて政府税調の中で議論をしていきたいと思います。
○井上(義)委員 これは全くのごまかしです。国民は、ガソリンの暫定税率が下がる、ガソリンの値段が下がる、こういうふうにマニフェストを理解して皆さん投票したわけですよ。それは国民に対する裏切りですよ。明確ですよ。結局、これも工程どおりにいかないということがはっきりしたというふうに私は申し上げておきたいと思います。(後略)