恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

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鈴音~その8

2015-06-04 07:55:39 | アリサ

この話はハルルートの譲二さんの「それぞれの道」の7年間の空白期間を埋める話をと考えて書き始めたものです。
ところが、書いて行くうちにハルルートの譲二さんの話からは外れ、全く違う結末のお話になってしまいました。
それで、upしたものかどうか悩みました。

二次創作の二次創作だし…。
ヒロインは娼婦だし…。
譲二さんは壊れてるし…。
不快に思われる方もいるかもしれません。

でも、一時お話をかけなくなった時期に書けるものを書こうと書き始めたのがこの話で、そういう意味では私を助けてくれた話とも言える。
アクセス数が減ってるということは読む人も少ないわけで、ひっそりとupするのならいいかなと思い公開します。
性描写もそれなりにあるので、18禁にしようかとも思ったけど、そもそもネットではそれを確かめるすべもないし。
だから、こういう話はダメという人は避けてくださいね。

上にも書きましたが、ハルルートの譲二さんの話から派生した物語なので、読んでない方は『それは突然の告白から始まった…』から『それぞれの道~その1~その5』あたりまで読んでもらえると、どうして譲二さんが壊れているのか…とかが分かると思います。


☆☆☆☆☆

鈴音~その8

〈アリサ〉
仕事から帰って来たジョージはあたしを真剣な顔で見つめた。


譲二「アリサ…話がある」

いつもとは違う様子に胸騒ぎがした。


アリサ「ジョージ……どうしたの?」


ジョージは少し言い淀んだが、思い切ったように口を開いた。



譲二「アリサ…。君との契約を解除しないといけないかもしれない…」


ジョージの瞳は悲しそうに揺れていた。


アリサ「それって…、好きなひとができたってこと?」


あの…携帯に浮かんだ女の人の名前……。


譲二「いや…そういうわけじゃない…」

アリサ「じゃあ、前みたいにお見合いをすることになったとか…」

譲二「ああ。だけど、お見合いをすることになったんじゃなく、以前見合いした相手と付き合う羽目になりそうなんだ」



あたしは涙が込み上げてきそうなのを必死でこらえると微笑んだ。


アリサ「そっか…。元々、あたしとジョージじゃ生まれも育ちも全然違うもんね…。今までとっても楽しかったよ…。お幸せにね…」


ジョージは驚いたように目を見開いた。


譲二「アリサ…。君って女の子は…」


そして、あたしをきつく抱きしめた。


譲二「ごめん…。本当にごめん…。俺が不甲斐ないばっかりに…」

アリサ「ジョージ。あたしたちは単にお金で契約しただけの関係なんだから…。ジョージがあたしとはいられなくなったらいつでも契約解除していいんだよ…」


ジョージはそっと腕を離すとあたしを見つめた。


譲二「俺との契約を解除したら、また以前の仕事に戻るのか?」

アリサ「…そうだね。ジョージからのお手当で蓄えは出来たから、しばらくは大丈夫だけど、いずれは客を取らないといけないだろうね…」


あたしはにっこり笑ってみせた。

ジョージは…ジョージは悲しそうにあたしをみつめた。

どうしてそんな目で見るの? 決心が鈍るじゃない…。


譲二「いや…。俺が馬鹿だった…アリサ、ずっと俺のそばにいてくれ…」

アリサ「え? 」

譲二「俺はとんだ考え違いをしてた…。俺の心は壊れてて、もう誰も愛せないし好きにはなれないって思ってた…。
今も普通の男のようにはとても女性を愛せない…。だけど…俺にはアリサが必要なんだ…。
アリサがいてくれないと…俺の心は今度こそバラバラに空中分解してしまう」


ジョージはそういうともう一度きつく抱きしめた。


譲二「お願いだ…。俺のそばにいて…。俺を捨てないで…」

アリサ「だって…」


あたしの声は震えた。


アリサ「ジョージはその人と付き合わないといけないんでしょう?」

譲二「外堀は埋められて…回りからそうするようにしむけられてる…」

アリサ「だったら…」

譲二「アリサが俺の前からいなくなったら…、今度こそ俺の心は完全に壊れてしまう…」

アリサ「でも…」

譲二「お願いだ…。俺を捨てないで…」


あたしがジョージを捨てるわけないじゃない…。

こんなに大好きなんだもん…。

そう言いたいのに言葉はでない…。


代わりにジョージをきつく抱きしめ返す。




それに…いつか…。

きっと、あたしじゃなく、ジョージがあたしを捨てるんだよ…。

ジョージが元気になって……あたしを必要としなくなった時に。





『鈴音』おわり