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内閣改造をおこなった自由民主党がこれから始める増税と田舎芝居

2023-09-21 | 小日向白朗学会 情報
 2023年9月14日、自由民主党は、公報を通して『「変化を力にする内閣」が始動 経済対策を早急に策定方針』という内閣改造の趣旨を発表した。
『……
第2次岸田第2次改造内閣が9月13日、皇居での認証式を経て発足しました。今回の内閣改造では、19閣僚のうち13人が交代し、11人が初入閣しました。女性閣僚5人で第1次小泉内閣、第2次安倍改造内閣と並んで過去最多となりました。記者会見に臨んだ岸田文雄総理は、激動する内外の諸情勢を念頭に「変化を力にする内閣だ」と強調。今後取り組んでいく重点政策として、(1)経済対策(2)少子化対策、デジタル政策等(3)①外交・安全保障―を挙げました。
このうち経済対策については、②「ガソリン補助金の継続を含め、国民生活を応援する大胆な経済対策を実行していく」と力強く表明。今後、経済対策の策定と補正予算の編成に向け、与党と緊密に連携を取りながらスピード感を持って取り組むとの方針を示しました。
③少子化対策については「2030年までが少子化トレンドを反転させるラストチャンス」と改めて力説。こども未来戦略方針に基づき、「次元の異なる少子化対策」を早急に実施するため、関連法案を次期通常国会に提出するとしました。
デジタル政策に関しては、④「デジタルを力として地方経済の成長を図る。国と地方の行財政の仕組みを変えていく」と語り、その指令塔として「デジタル行政改革会議」を新たに設置することを明らかにしました。
このほか、⑤旧統一教会について「法律に照らして解散命令請求を行えるかどうかをしっかり判断した上で手続きを進めていく」と述べました。
……』
とある。
 この広報を通して見えてくることは、自由民主党の政策的な弱点は外交安全保障問題、それも予算処置の問題にあって、その先行に強い危機感を持っていることである。2022年末、自由民主党は「防衛三文書」で今後の防衛の在り方を決定した。ところが、その恒久的財源を確保することができておらず、次の国会で最大の論議となることは必定である。そのため、高騰するガソリン価格を抑えるためガソリン税を一時的に停止する「トリガー条項」を発動することを取引条件として防衛予算を制度的に固定できる恒久財源にすることを目論んでいるのだ。つまり、政府自民党は、一時的減税により恒久的財源を確保しようという「エビで鯛を釣る」作戦なのである。この作戦に協賛しているのが、国民民主党であり、連合(日本労働組合総連合)という野党分断を担当している、自称、労働組合なのである。自由民主党が国民民主党を選んだ理由は「安全保障政策」が一致することと、予てから「トリガー条項」の発動を求めていたからである。国民民主党に付いては「国家主権のない日本が憲法改正するとアメリカの完全従属国となる -国民民主党の云う憲法改正は、現行では、売国幇助か「馬と鹿」のどちらか-」(クリックで遷移)で、その詳細を述べてきた。
 ところで、自由民主党が、ここまで露骨な野党分断をおこなわなければならない根本的な理由は、政府が策定した防衛政策が大失敗であったからである。
それは日本政府が「防衛三文書」で仮想敵国をロシア、中国、北朝鮮として、日米安保条約を基軸として防衛能力を拡大強化して仮想敵国に反撃することを決定した。ところが、日本の安全保障の頼りの綱である当のアメリカが、2023年06月18日、ブリンケン国務長官が訪中し、対中国問題、すなわち、台湾有事に、アメリカは中国と戦争をしないというこれまでの方針を追認することになった。これで日本政府が作成した「防衛三文書」の根拠がなくなってしまった。つまり、アメリカを頼りに尖閣列島防衛戦を行うつもりで準備した資金と装備で対中国戦と台湾有事を日本単独で戦うことになってしまった。それも、島嶼防衛などという、愛国心を鼓舞する耳当たりの良い言葉であるが、住民避難の方策もない、パラノイアとしか言いようのない愚作で対処するというのだ。
 日本はアメリカに梯子を外されたのだ。
そもそものアメリカと中国の関係であるが、1972年2月 27日に中国問題に関して「一つの中国」政策に同意しアメリカは中国と戦争をしないことを約束していた。ところが、2022年08月03日に当時の下院議長ペロシ下院議長が台湾を訪問し、アメリカとして台湾有事に介入しよう試みた。これには中国から激しい反発にあった結果、ブリンケン国務長官が中国を訪問して、渋々ながら台湾有事にアメリカが介入することを撤回してしまったのだ。仕上げは、「一つの中国」政策を立案したキッシャンジャーが訪中して、これまでの政策が変わらないことを再確認した。これにより、ウクライナ戦争を強行してきたバイデン大統領、ブリンケン国務長官、ヌーランド副長官代行は、極東政策を変更せざるを得なくなってしまった。
 この事態に気が付いた日本政府は、麻生太郎自由民主党副総裁を台湾に派遣して、台湾有事に日本は加わらないことを伝えた。そこで麻生太郎は、日本が変節したことを悟られないように発したことばが「(日本政府は台湾有事に共に)戦う覚悟です」という、開いた口がふさがらないような虚言なのである。所詮、自衛隊の指揮権を売渡してきた自由民主党が立案する安全保障政策などはこの程度なのである。司令官であるアメリカが「打ち方止め」といえば、日本の事情とは無関係に決定されるということなのである。これに付いて纏めたのが『麻生太郎自由民主党副総裁という大馬鹿者』(クリックで遷移)である。
 ここで問題なのは、日本政府が、尖閣列島防衛と台湾有事をリンクさせて国民の危機感を煽り、その勢いで「防衛三法」を作成し、予算化に動き出した。国会では、防衛予算を毎年議論することなく恒久的に確保する財源確保法を制定したものの、その財源に関しては不況下での「増税」に国民の反発も強くいまだ決定をみていないことである。
 それだけでも2023年後半から始まる国会では、日本の安全保障政策が中心的な論議となることは必然である。そこに、さらに大問題が生じた。アメリカが極東戦略を変更したことで「防衛三文書」の根拠が失われてしまったのだ。根拠のない防衛予算が国会で問題となるのはこれまた必定なのである。流石に、根拠の無くなった防衛政策を「ごり押し」することには無理がある。これに付いては、既に『自由民主党外交政策が大失策となった原因』(クリックで遷移)で述べたことである。
 そこで、ガソリン税に関してトリガー条項を発動する代わりに、恒久的な防衛予算を認めさせるという野党、それも国民民主党と取引ができるような仕組みにしたのが今回の内閣改造なのである。
この自由民主党の「トリガー条項」と防衛恒久財源を取引することを後ろで操ったのが連合である。2023年9月15日、NHKは「政府 国民民主党の元副代表 矢田氏 首相補佐官への起用を決定」を配信している。
『……
政府は15日の閣議で、国民民主党の副代表を務めた矢田稚子元参議院議員を、賃上げや雇用を担当する総理大臣補佐官に起用することを決めました。
新たに総理大臣補佐官に起用された矢田氏は、大阪府出身の57歳。
1984年に当時の松下電器産業、現在のパナソニックに入社し、2016年の参議院選挙に大手電機メーカーなどの労働組合でつくる「電機連合」の組織内候補として、当時の民進党から比例代表で立候補して初当選しました。
その後、国民民主党の副代表を務めましたが、去年の参議院選挙で落選し、今は党の役職も離れています。
……』
 岸田内閣は、矢田稚子氏を起用したことで、野党、特に国民民主党が予てから主張していた、レギュラーガソリン1リットルあたりの平均小売価格が3か月連続で160円を超えた場合にガソリン税を一時的に下げる「トリガー条項」の発動や暫定税率の廃止を求めることは、連合が推薦した担当者を追及することとなることから政府に対する圧力を低減できるとともに、安全保障問題で紛糾した場合には「トリガー条項」発動を認めるかわりに防衛予算を恒久化するという「増税」を容認させる取引ができるからである。
 そのうえ野党分断工作しか行っていない連合(日本労働組合総連合会)であるが、自由民主党との取引で庶民のために仕事をしているという宣伝になる。一方、自由民主党は、連合と国民民主党に対して「敵に塩を送る」といった体で、国家主権を売飛ばすことで生き延びてきた自由民主党政権をこれからも継続させるためには連合が行う野党分断工作が欠かせないことを露呈している。これで自由民主党と連合及び国民民主党は、利害関係が一致したのだ。一時的な減税を行うことで恒久的な増税を行うという「大いなる茶番劇」なのである。
 
 ところで、もう一つ自由民主党広報に気になることがある。統一教会のことである。自由民主党と犯罪者組織統一教会は、表と裏の関係にあり、自由民主党が行う国政選挙の裏選挙対策本部であった。
これについては、下記の表題ですでに纏めている。(クリックで遷移)
・『自民党総裁と統一教会が連携して行った選挙運動
・『映画『アンタッチャブル』を地で行く統一教会という犯罪者集団(1) -「内部告発者を裏切り者として刺殺未遂」、脱税、国体破壊等の犯罪-
・『映画『アンタッチャブル』を地で行く統一教会という犯罪者集団(2) ―統一教会を犯罪者集団と断定した「フレーザー委員会」報告書―
・『統一教会製空気散弾銃「鋭和B3」の使用が疑われる朝日新聞襲撃事件
・『統一教会と「日韓トンネル推進全国会議」
・『『文藝春秋』1984年7月号( 134-151頁) これが『統一教会』の秘部だ  世界日報事件で『追放』された側の告発
・『統一教会と系列国会議員の「日韓海底トンネル」という巨大利権
・『文鮮明が決めた統一教会系国会議員となる条件
・『統一教会と同教会認定国会議員の巨大利権
でその正体を纏めておいた。
 自由民主党広報に、統一教会の名称を書かざるを得なかったのは、同党が [禊(みそぎ)は済んだ]として、再び統一教会を利用して総選挙に臨みたいからである。
 しかし『統一教会が秘蔵する「御言選集」が流出していることが確認された』でも述べたことであるが、ハングルで書かれた膨大な「御言選集」について未だその詳細に明らかになっていない。もしも、自由民主党が統一教会問題は解決済みとして総選挙に臨んだ場合、まだまだ、世間に知られていない醜態が明らかになった場合に自由民主党が受ける打撃は計り知れず、甚大な影響を及ぼすことは間違いない。


 自由民主党は、アメリカと「日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定」と「行政協定(日米地位協定)」を締結したことで、日本の主権(自衛隊指揮権、航空管制権、電波権)をアメリカに売渡してきた。アメリカは、二つの協定という権益を維持するため、協定を締結した政権、つまり、自由民主党に対して恒久的に政権を維持することを求めた。そのわけは、日本がアメリカと締結した協定が国会承認を必要とする条約とは異なり、アメリカと当時の政権が決めたことであるため、もしも、政権が交代すると協定を破棄や改定を求めてくる可能性があったからである。そのため自由民主党が政権維持のためと、同党が存続する正当性を確保するための憲法改定のために精力を傾けてきたことは、野党分断工作と、統一教会をつかった国政選挙対策であった。その結果、長期政権による弊害は驕りとなって表れている。それは、自由民主党がこれまで獲得してきた既得権益はそのままに、高い税金を徴収し、国民の為であると嘯いていることからも明らかである。
 そろそろ日本国民は、自民党政権が行ってきた“愚民政策”に気が付く時に来ている。
以上(寄稿:近藤雄三)


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