近くの公園で…。 (5月30日~6月8日) ※画像をクリックすると拡大できます。
ゾンビ化したテントウムシってご存知ですか? 今年の3月に「ダーウィンが来た」でも紹介されたのでご覧になった方もいらっしゃると思いますけど、簡単に説明しておきます。寄生バチの1種、テントウハラボソコマユバチはテントウムシに麻酔をかけて卵を1つ産み付けます。テントウムシのお腹の中で孵化して成長した幼虫は外に出てきます。出てきた幼虫は繭を作りますが、寄生されていたテントウムシはその繭を守るように覆いかぶさります。つまりこの時テントウムシは生きているんです! 繭から大人になったハチが飛び去ったあとも生き続けるケースがあるんだそうです! (゜o゜)
一緒に探虫をしていたSさんが、そのゾンビ化したテントウムシを2匹見つけてくれました。 この後どうなるのか気になりますよねぇ? 2匹のその後を追っかけてみました。
テントウムシ科 ナミテントウ! & コマユバチ科 テントウハラボソコマユバチ(繭)!
ナミテントウ(A) (5/30)
ナミテントウはツツジの葉の裏側にくっついている繭をしっかり抱きかかえています。
ナミテントウ(A) (6/1)
じっと見ていると 時々触角や脚を動かすので生きていることが分かります。
ナミテントウ(A) (6/2)
今日も触角と脚が動いていたので生存確認!
ナミテントウ(A) (6/3)
全体が下がってきているのと、繭を抱えている脚の位置が下にずれてきているのが気になります。
4日は強めの雨が降り観察には行けませんでした。5日に行ってみるとツツジの葉にはナミテントウ(A)と繭の姿はありませんでした。昨日の雨で落ちてしまったのかもしれません。落ち葉の上を探してみましたが、見つかりませんでした。ナミテントウ(A)の観察はここで終了です。
ナミテントウ(B) (5/30)
ササの葉の上にいたテントウハラボソコマユバチの繭とナミテントウ。
ナミテントウ(B) (6/1)
5/30とほとんど変わりませんが、脚がわずかに動いたので生存確認。
ナミテントウ(B) (6/2)
上から撮りましたが、こちらの繭はしっかりとササの葉にくっついています。
ナミテントウ(B) (6/3)
大きな変化は見られません。
ナミテントウ(B) (6/5)
昨日の雨は無事やり過ごしたようですが、体が少し動いたようです。
ナミテントウ(B) (6/7)
1日空けて来てみると事態は大きく変化していました。テントウムシは繭から離れて後ろ足1本でかろうじてぶら下がっている状態。
随分頑張ったけど、とうとう息絶えてしまったのかと思ったその時…!
最後の力を振り絞って飛ぼうとしました。 すごい生命力に心が動かされます。
ナミテントウ(B) (6/8)
翌日来てみると繭の先に脱出孔が開いていました。テントウハラボソコマユバチはナミテントウのおかげで無事羽化したようです。
傍らで、ナミテントウは動かなくなっていました。本来の使命を果たすことはできませんでしたけど、数奇な運命をたどり1匹のコマユバチを育て上げました。
以上 2021/05/30~06/08撮影 (^^♪
虫さんの世界も、身近なところで人知れずいろんなことが展開しているという事を改めて感じました。
jijicchiさんが、観察を続けていたツミの営巣や、進行中のオオタカもそうですけど、いつも自然に目を向けていることが大切ですネ!(^^)