こっちゃんと映画をみまちょ♪

レビューと呼ぶほど中身なし。しかし中身が無いのも中身のウチよのぅ。・・・なんちって。

月とキャベツ (1996)

2005年11月01日 | しびれるMovie
こっちゃんポイント ★★★★★
鑑賞環境  こっちゃんシアター 
上映時間 100分
製作国 日本
公開情報 劇場公開 (エース ピクチャーズ=シネセゾン)
初公開年月 1996/12/21
ジャンル ロマンス/ドラマ

バンド時代にカリスマ的人気を博したミュージシャンの花火(山崎まさよし)は、独立後は創作意欲を失ってしまい、人里離れた田舎でキャベツを育てながら隠遁生活を送っている。会う人間といえば友人でカメラマンの理人(鶴見辰吾)だけだった。その夏、花火の前にひとりの少女(真田麻垂美)が現われた。ヒバナと名乗るその少女は突然、花火の家に押しかけてきて、そのまま居ついてしまう。(goo映画より抜粋)

 

山崎まさよしというミュージシャンを知っていますか?
そんな彼の
One More Time,One More Chanceという歌を知っていますか?
こっちゃんの大好きな歌です。
まるで映画の中で初めて出来上がったかのようなこの名曲が、物語の結末を美しく結びます。

淡い想いが胸いっぱいに広がるこの作品を観ました。
もっと早く観るべきだったと、そう思える作品にまた出会うことが出来ました。

曲の書けないミュージシャンとダンサーを目指す少女のチョット不思議な交流。

決して人付き合いが上手いとはいえないミュージシャンの花火(山崎まさよし)は、大きな畑でキャベツを育てる毎日。そんな彼の目の前に突然現れた天真爛漫な少女ヒバナ(真田麻垂美)。突き放しながらも、気がつくと花火はスッカリ彼女のペースにはまってしまっています。

「家の人が心配するだろ!帰れ!」
怒鳴りつけ家を追い出しながらも、いつの間にか彼女を自転車で追いかけ、引き戻す気にさせられている彼がとても可笑しんですよ。

山崎まさよしは、気がつけばあちこちの映画でお目にかかったりもしてますが、この映画の彼はとっても初々しい感じが良くて、むしろ好感が持てました。

この映画は1996年製作。もう9年も前です。彼はこの映画でデビューだったのですね?今観れば、そんなカンジすら楽しむことができます。

オンボロのフォルクスワーゲン・ゴルフに乗り、堤防でダンスを踊る彼女に合わせてハーモニカを吹く花火。これが彼女との出会いでした。バスに乗るお金を貸してあげた・・・いえむしろ「あげた」ぐらいのつもりだった彼は、その夜家までお金を返しに来た彼女に驚きます。

「わたしヒバナって言います。」聞いてもいないのに、そういきなり自己紹介する彼女。「だいたい何でココ知ってるんだよ!」そう言って一度は追い返す花火。しかし、そのまま野宿しようとする彼女を観て放っておけなくなる。

そして仕方なく彼女を家に入れる花火。

今晩どころかそのまま家に住み着いてしまう彼女との新しい生活が、「彼」に創作意欲を蘇らせ再び曲を書く力を与えてくれます。

「熊が出るんだよっ!」そう思って、今まで踏み入れなかった森の向こう。ヒバナを追いかけ、半ば怒りながらやって来たその場所で見た初めての景色。「こんなトコあったんだ・・・。」その美しさに思わずたたずむ花火。青い空。柔らかい風にそよそよとなびく草むら。白いワンピースを着た彼女が、花火の歌を口ずさみながら、彼の歌への想いを語るヒバナ。

「いつか花火の曲で踊りたいと思ってたんだ。」

映像イメージは何処までも爽やかで優しく、まるでスクリーンから柔らかい風が吹いてくるようです。

壊れた自転車を拾って乗る
茹で上げたまるごとキャベツをナイフとフォークで食べる
鳴らないオルガンを大きな木の下で弾く

そんなさりげないエピソードたちが、山崎まさよしの軽快なギターにのせられ、不思議なほど心に残ります。

いいですね、この映画。

空に響くカミナリ。気になる台風情報。川辺で倒れるヒバナ。
やがて花火唯一の友人である理人-りひと-(鶴見辰吾)が知ってしまう一つの事実・・・。

流れる穏やかな時間に身を任せて観ていると、突然驚くべき結末が待っています。

ドラマが進むにつれ、少しずつ出来上がってくる新曲One More Time,One More Chance
まるでこの映画のイメージそのまま伝えてくれるかのようなこの歌の詩に、体の芯からジーンと来てしまいます。
そして歌とピアノに合わせてダンスを踊るヒバナ。 実に美しいシーンですね。

今まで何度もこの曲に感動し、泣きそうになりましたけど、この映画で聴くともっと泣きそうになります。心の奥まで染み込んでくるほどの切なさ。痛いほどの優しさに包まれます。

この歌を既に知っていると、まるでその部分だけ作曲ドキュメンタリーを見ているような気にもなるかもしれませんが、それがまたこの映画には良く似合っていますね。

映画の中の「夏休みはずっと続かないから・・・・。」

泣きたくなるほど切ない言葉でした。

(2006.08.01記事一部改訂)

 

【作品】月とキャベツ

 

月とキャベツ

ジーダス(JSDSS)

切なくも美しい...何度でも観たくなります
One more time, One more chance
山崎まさよし, 山崎将義, 森俊之, 中村キタロー, カラオケ
ポリドール

こころに染みます♪