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陳舜臣「唐詩新選」牡丹⑤:白居易「牡丹芳」

2006年01月19日 22時37分39秒 | 本・陳舜臣
きのうの続きです。陳舜臣「唐詩新選」牡丹(中公文庫)
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(66ページ)
 韓弘と同時代人であった白居易は、いちどならずこの「牡丹狂い」を、作品の中で批判している。まず楽府(がふ)の「牡丹芳」は、天子が農を憂うるを美(ほ)めるというテーマで、牡丹の美しさより大切なものがあると警告した。

  花開花落二十日  花開き花落つ二十日
  一城之人皆若狂  一城の人狂えるが若(ごと)し

 と、当時の世相をよみ、華を重んじ、実を重んじないことをなげく。牡丹狂いは華を重んじる気風が、とうぜん行き着くところであるとする。この楽府はつぎの句で結ばれている。

  我願暫求造化力
  滅却牡丹妖豔色
  少廻卿士愛花心
  同似吾君愛稼穡

  我は願う暫(しば)らく造化の力を求め
  牡丹は妖豔(ようえん)の色を滅却し
  少しく卿士(けいし)の愛花心を廻(めぐ)らして
  同(とも)に吾が君の稼穡(かしょく)を愛するに似せしめんことを

 卿士(大臣)たちが牡丹にうつつを抜かすのは、その花のすがたが、あまりにも奇絶であるからなのだ。こうなれば、もう造化(自然)の力にすがり、牡丹の魅力をすこし減らしてもらうほかなさそうだ。
 そうなれば大臣たちも、花を愛する心を、農事にふりむけることができ、わが君の農事を愛する心に近づくことができるのではあるまいか。 

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 続く 

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