二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

弱音器、小音二胡

2015-02-24 09:34:29 | ■工房便り 総合 
、擦弦楽器の弱音器は、普通、駒を振動させないようにします。

とても小さな振動だけにすると、その振動だけで鳴る音になります。

そうしても皮のごく一部の音だけがしてしまい、とても二胡を弾いているという感じにはなりません。

その上弱音器を付けていると皮の振動が足りなくなり、皮が育たなくなります

普通の二胡を音を小さくするとすればピアニッシモで弾くきりないのです。

皮を厚くしたり、胴を厚くしたとしても、どうしてもその皮の大きさがあるかぎり、

かなり大きな音になってい仕舞います。

団扇太鼓と言うのをご存知だと思います。

或はタンバリンも同じですが、皮の大きさの応じて音は大きくなります。

小さくすれば、音も小さくなりますが、音色はそれこそ高い音だけを響かせます、そしてなんだか全く二胡とは違ってしまいます。

都内のアパートや、一般的な住宅では普通二胡をそのまま弾けないので、どうしても弱音器を使います。

そこであるお客様のご要望により、ほとんど二胡の音と変わらずに、小さな、それこそ人が普通に話しているくらいの音で鳴る楽器と言うのは出来ないものかと、このところ、弱音二胡作りに励んでいます。

出来たら普通の二胡を改造して作れれば良いのでしょうが、これはなかなかに難しい感じでした。

そこで考えたのは胴の構造を厚くして、音が響きにくくする方法、

そして皮を人工皮に替えて、その皮を加工する方法です。

しかし鳴る部分の、皮を小さくするとどうしても、二胡の音とは思えないそれこそ弱音器を付けた音と変わりなくなります。

ある一定面積の皮があったとしても、その振動が、全部胴に伝わらなくするとすれば、どうでしょう?

そして、弓で弾いた時に、片側だけが鳴るようにするとすれば、音は半分以下になるような気がしました。

そこでやってみたのが、この弱音二胡です。

たぶん納得出来るくらいには音は小さく響かなくなったようです。

胴が響かなくなります。

これはもしかすると普通の二胡の皮だけ人工皮に取り換えて、そして胴の厚みも厚くするという方向で小音二胡は完成するかもしれません。



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