二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

光舜松脂は中国製ではありません!

2024-06-05 11:29:05 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
先日クロサワ楽器店さんのお茶の水店にご挨拶をしに行ったところ、店員さんに、「この松脂は良く中国製の松脂ですかと聞かれるのです」とのこと。
確かに、ヴァイオリン用の松脂は、光舜松脂以外は皆英語かフランス語か、あるいはその他のヨーロッパ言語で表記されていますね。
私もいろいろ考えたのです。
中には、「二胡屋が作っている松脂など二胡以外鳴らせないのでは」などという話も聞こえて来ます。
「褒めているのはコントラバス奏者きり居ない、べたべたでヴァイオリンにはダメでしょう」
などなど、
私の作るものは、建築やインテリアで鉄板など床に使ったりまったくの間接光だけで、舞台のように仕上げたり、今では普通にインテリアとして使われるようなことを3,40年前に始めたのです。
その時の批判もすごかったですね。
でもその批判をした人たちが今では普通に鉄板床や壁、あるいは鉄の鎖でのカーテンなど使っています。
楽器つくりもそうですね。
二胡ではさんざん言われました。
「日本人に二胡は作れない」「どうせ大した蛇皮を使っていないのだろう」
「あんなものは二胡の音ではない」
いま、木村ハルヨさん、鳴尾牧子さん、チェンミンさん、桐子ちゃん、里地帰君。
そして、中国人の孟菲さんは、大変気に入って販売してくれています。
また、孫越君などは「中国で張り替えた蛇皮の音が気にいらないから、西野さん張り直してください」とのこと。
自慢しているのではありません。
兎に角自分自身確認して、実験して実験して、あとは信じて作り続けるだけなのです。
明治25年ころ三味線作りだった鈴木宗吉さんが見よう見まねでヴァイオリンを作り出しました。
当時どれほどの数の人がヴァイオリンを弾いていたのでしょうね、ヴァイオリンの音など聞いたこともない人が殆どだったはずなのです。
そのような世の中で、その20年くらいひたすら作り続けたのでしょう。
大正年間には鈴木ヴァイオリンは世界中に10万台のヴァイオリンを輸出していたとの話もあります。まあ勿論ヨーロッパが第一次世界大戦でヴァイオリンつくりどころではないという事もあったのだとは思いますが。
私は、光舜松脂が世界に広がればよいとは思っていません。
なにしろ、生産量が頑張って他の仕事を止めても月に100ヶも作れば限界でしょう。多少人数を増やしたとしてもセイゼイ200ヶ。
理由は、大量生産できないからです。
私もいろいろ試したのです。
沢山作ればもっと安くできるのではと、、、、
多くすれば多くするほど熟成に時間がかかるのです。
最初の段階、光舜松脂の最初の0の原型を作り出すのに1ケ月半かかります。
大きな容器で沢山作ると更に時間がかかります。
熱をかけるにしても多く作ると熱が回り切れなくなります。
そして何より、大変熱量に敏感な光舜松脂は大きな容器ですと、全体の温度が一定にはならないのです。
確かに、環境や熱を掛ける容器を開発すれば一定にはなるでしょうが、その設備だけでも大半なイニシャルコストがかかります。
この光舜松脂・要するに天然熟成された松脂の素晴らしい効果がヴァイオリンを弾く方達に、熟知されたころには、だれかがもっと大規模で作りだすかもしれないとおもっています。
そんなにすごいわけはないだろうと思われる方も、現在では多いでしょう。
しかし、260円から10000円を超えるどこのメーカーの松脂の上に乗せても、はるかに豊かな音色と響きと弓の操作性の良さ(カーボン弓でも相当弾きやすくなるそうです)そして切れの良さを実感していただけると、私は考えていますし、多くの方の試し弾きでも、実感できたようです。
先ずその天然熟成の松脂の感じを味わっていただきたく、期間限定,個数限定ではありますが、0ゼロseriesの一番中庸なグリップ感のある「ON」6月15日には発売始めようと思っています。
お試し価格です。1650円 量は約2年分くらい。
6月15日はこの光舜松脂の大本を作ってくれた、ほぉさんの命日なのです。

工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ





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