二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

弦堂さんからのコメント。対談「序」

2020-08-11 09:38:50 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
弦堂)
ご覧いただく皆様へ
西野さんは世界(といっても二胡の場合は今のところ東アジアだけですが)屈指の製作家でいらっしゃるので、なかなか聞けない製作方面からの有益な情報が多く、どんなお話が伺えるのか皆さんと共に楽しみにしています。
第一回の対談でも西野さんにお会いしてやっと間違いに気がついたことも話しています。
弦堂は中国に行ってから初めて二胡を見た人なので常識がズレていまして、その辺も西野さんにご指摘いただいたこともお話の中に出てきますが、こういうのは意外と面白いかもしれません。
そこは中国と日本に違いそのものであったりもすることもあると思います。
異文化は概念が全く違うので、そういうものを受容することはすごく大変なことです。違うものを受け入れるのはとても難しいことです。意欲的に挑戦する皆さんと光舜堂ブログで交流できることも楽しみにしています。
弦堂は浅学なので見てきたことぐらいしか話せませんが、当たり前と思って話したことが、島国では「え?」と思われてしまうこともありまして、西野さんに皆さんを代表して突っ込んで貰っていますが、よろしければ皆さんの方でも思ったことを言っていただければ、それがまた次のお題に繋がったりして面白くなるかもしれません。どこまで続くかわかりませんが、よろしくお願いします。

西野)
弦堂さん
私の作った楽器を認めていただけるのは大変ありがたいです。
しかし、先日の対談でも、まだまだ私の知らない事が、とても多いということに、気づかされています。
そのほとんどが、作ることよりむしろ、民族楽器としての中国の二胡という事でした。
日本とはずいぶん、二胡の音色に関しても、感じ方が違う。
やはり中国に実際に住まわれての実体験というのは、単に日本で「二胡好きです」といって作っているのとは、二胡に対する理解というのが相当に違います。
良く中国音楽を理解しないと、二胡はわからないという方がいらっしゃいます。
確かにそうだなという感じもあります。
ただ私としては、もっと、二胡の可能性は広げてやりたいなという思いも、
まあそのあたりは、これからの話し合いで、しかし、強烈でしたよ、先日の話は。



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6 Comments

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Unknown (石原学)
2020-08-11 15:36:59
対談、楽しみです。
ちょっとお二方にお伺いしたい事が有ります。
バイオリンの先生がバイオリンは
全く使えない。音色以前に機能的に
問題が有る楽器が安価で売っていて問題である。
と仰るのです。ペグが全然留まらない。(緩む)
高域が出ない。ネックがグラグラとか
楽器として体を為さない品が有るらしい。

そういう物を掴むと上達しようが無い。
と言って居られましたが私は、そういう品を
見た事が無いしソレが売り物ってのが信じ難い…
何ソレ?と私が言ったら先生が
二胡では無いのですか?と聞いてこられました。
無いのか?って有る訳ないだろ…
そんな物を売ったらクレーム殺到だろ?と
思いましたが実は有るのですかね?

私が幸運にも回避出来ているだけかな?
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石原さん (nisino)
2020-08-11 17:35:18
コメントありがとうございます
その楽器の不具合の話、話題として取り上げさせていただきます。
少し後になるかもしれませんが
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Unknown (弦堂)
2020-08-13 14:13:45
石原さん、こんにちは。

実際に日本に入ってきている楽器は、修理などで持ち込まれることもある西野さんが詳しいので、どういうものがあるのかご説明があると思います。

うちの方からは仕入れという観点から少しお話しできると思います。バイオリンの場合は様々な機能上の問題があっても一応、外観と言いますか、体裁は商品としてかろうじて保っているものと思います。ですから販売できるという判断になることもあるのだと思います。

安い楽器というのはつまり、材料が安価というのが大きな理由としてあります。バイオリンは張り合わせが多いので崩れてこないのではないかと、二胡はそうではないという違いがあります。スカスカの木材で棹を作る、かなり曲がってきます(張り合わせると大丈夫そうですが)。それより多いのが六角の張り合わせで一枚毎の板があまりにも反ってきてバラバラになるといったようなことがあって、新品が工房から運ばれてきた時点で早くも問題を発生させていたりします。このような理由から仕入れは躊躇われます。しかも日本の気候は大陸とはかなり違いますので尚更です。

人間の欲求とは限りないもので、あのぺらぺらの音が欲しいと言われる方もいます。そういう方は大抵、高価な楽器を2桁持っていたりします。その上で演奏作品によってはペラペラ安物サウンドがどうしても欲しいというわけです。それで上記の説明をします。困難ということをご説明します。このようなものを用意しようと思えば、材に対して製作者がかなり気を遣ってかからねばならないと思われます。それで結果、価格は高くなったりするのでしょうけれども、そこは問題にならない、音が欲しいわけですので、そういう事情であれば欲しいと言う方はおられるかもしれません。そうしますとどうしても国内生産になりそうで、西野さんのような製作家に相談するしかありません。大陸から持ち帰ると往生しそうです。
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Unknown (石原学)
2020-08-13 21:48:18
弦堂さん。御無沙汰しております。
なるほど、売る前からソレでは流石に素人でも解りますねぇ。
棹が曲がってたり胴をコンコン叩いて
叩く場所に拠って音が違ったら「ん??」って成りますしね。

ペラペラの音が欲しい・・そんな要求が有るんだな。
と言うかペラペラの音なんて狙って出せる様に
作れるのか・・ソレも凄いですね。
出来ました!いや、こんな音じゃない!とか
言われても作り手も困るし欲する本人の要求を
正確に伝えるのも大変そうだなぁ・・

「どんな音が欲しいのですか?」と
聞かれて他人に説明できる人も天才ですね。
声で二胡の音が真似できたら解るけど
アンタ上手だね。楽器要らないよね。声で良いやん。ってなるし。(笑)

しかし音の説明なんて出来るんだなぁ・・。
私は未だに自分の欲しい音なんて解らないです。
死ぬまで解らないかも・・・。
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Unknown (弦堂)
2020-08-14 14:20:00
安価な材を使ったものは、風呂の反響のようなタイプの音がして芯がありません。一聴して太い音かと思いきや、薄っぺらいペラペラな響きであることにもすぐに気が付きます。しかしこれはこれで独特の求心力はあります。昔の中国の老人らはこれで行ってましたからね。ここから良質の音を引き出すノウハウは驚きの水準で、熱心に討論までするほどです。おかしな楽器を持っていったら直してくれたりしました。「あんた金持ちだな。こんな楽器を1度でも買ってみたいよ」と言われます。日本人が見ると高価な楽器ではないのですが。

日本では問題が発生して扱いにくい二胡なるものはほとんどないと思いますが、その代わり、あの手この手で迫る楽しみは奪われています。楽器の方が完成していますからね。これに不満を抱いた方が安価な楽器を求めます。しかし小店からは「あれは身近に修理工房があるからできることです。老人らはしょっちゅう修理して使っています」。もう少し詳しい説明を求められた後、多くの方が手を引きます。その詳しい説明というのは昨日申し上げたような、ああいった内容です。

安価な二胡は反響が出るのは宜しくない、これだけなんとかすれば、それなりに魅力的な音がします。興味も様々で、音楽よりも楽器に関心があるという方もおられます。その場合、変な言い方ですがいろんな楽器「すべてを手に入れたい」という風になりがちです。

この観点から見た場合、安価なこのタイプの楽器はかなり興味をそそるものなのです。二胡も北京や天津、上海、蘇州でそれぞれ違いがあり、他にもいろんな弦楽器があります。それらは完成されています。それぞれが1つの結論です。しかしその全てには最初があります。最初にはあった筈のものですが、要らないものは捨てて、また改良したりして今に至っていますが結論は地域によってそれぞれです。安価な楽器はそのすべてに通じる特質を持っています。それを通して発展してきた歴史の重みを感じることができます。原点に戻ることでより素晴らしさを体感できるのです。
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Unknown (石原学)
2020-08-15 11:35:45
返答有難う御座います。
此処を専有するのも問題なので
後は対談を楽しみにして居ります。
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