二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

ホアキンコルテス、或いはシルヴィーギエム、そして音のキレ。

2012-12-01 20:36:50 | ■工房便り 総合 
ホアキン・コルテスのダンスをよく見に行きました。

相当昔、マドリッドで、やたらにこの人のポスターが張られていて、たまたまこれはなんだろうと、ホテルの人に聞きました。

「この人は、ダンサーだよ、絶対見に行った方が良いよ」

と言うことでその日は、舞台を見に行きました。

以後日本で彼の公演が有ると全ての日程を見に行ったのです。

それと、シルヴィー・ギエム、この人の黒鳥、、、もうこれは女王様と言う雰囲気、

ダンスや音楽を言葉にするというのはとても馬鹿な話だと思います。

二胡の鳴りと言うのもそれと同じように話すだけ無駄、と言う気がしなくもありません。

しかし、音の問題や、ダンスの事で多少とも皆が、共通した感じで話せるとしたら。

キレ、という言葉かも知れませんね。

キレの有る音、キレの有る踊り、これらはみなプロの技と言う感じを人に伝えます。

もちろん演奏や曲の感じではむしろキレと言うのを必要としない物もあるでしょうが、キレの有る演奏と言うのはとても良い感じを、そして如何にプロの技かというのを人に伝えると思うのですが、どうでしょう?

音にキレが有る、、、、、それは解るのですがどうやったら出るのでしょうかね。

よく、音の頭出しを気をつけなさい、

音の頭をくっきりと、とも言われます。

二胡の場合、弓がかなりダルっとしていますね。

これでキレが有るように弾くというのは相当なスピード、或いは瞬発力(私が持っていないもの)を必要とします。

全く動かない状態から、いきなりキレの良い動きをするというのは、物理的に言って、とても大変なことです。

それと、頭の中に感覚としてキレ、が無いといけないのでしょう。

二胡の場合もそうですが、擦弦楽器と言うのは、弓の働きと言うのはとても大きいです。

バイオリンの弓は、中には150万250万と言うのも少なくありません。

二胡の場合は、安ければ、1000円ぐらいのも有りますね。

高いものでは、3万円近くのも有ります。

何が違うのでしょう。

安い弓と言うのは比較的、竹が細いです。

反発力が無いですね。

そして、毛の質が悪い物が多いです。

松脂が乗りにくい物と言うのは、比較的安い物に多いですね。

良い弓の毛は、松脂を最初に塗る時にとても早くのります。

と言うことは引っかかりが良い物だとも言えます。

酷い弓は、松脂が全くのらない、30分も松脂こすりつけているけれど、などと言うのも有ります。(これは油分が抜けていないのです)

バイオリンほどではなくとも、いやいや、最近解かってきたのは、やはり擦弦楽器は弓が大切、

これは二胡も同じ、右手の動作を素早く伝え、しっかりと弦をとらえて、十分に良い音を鳴らすには、弓はとても大切です。

そしてキレ。キレのある音を出すにも、良く引っかかる毛、そして弾みのある竹、微妙な手の感触を素早く、そしてキレの有る音に作り上げるには、良い弓が必要です。

珍しく、宣伝です。

とても良い弓が入りました、明日12月2日から、販売します。

これは劉継紅先生が一つ一つ、確かめてくれたもので、試しに弾いてみたところ、

これは手放せないですね。

ウチとしては他店に、安すぎるとは怒られない値段になってしまいますが、これは、今まで使った中では最高です。

これで私の音出しも、少しはキレが出るかも???



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