二胡工房 光舜堂

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二胡を鳴らす、その5。

2012-12-02 20:16:08 | ■工房便り 総合 
私に決定的に出来ないのは、弓の毛がしっかりと弦をとらえる感覚が、イマイチ。

何かたまに出来たかなと言う時もあります。

弓の毛が弦をしっかりとらえるというのは、松脂が弦をしっかりとらえているということだと思います。

問題は、弓の毛が、弦をしっかりとらえたとしても、それは微妙に言うと不連続なのです。

不連続だからこそ、弦は振動します。

弓の毛が、弦を一度とらえ少し、引っ張られると次にそれが外れ弦は元に戻ろうとします、ですから弾みますまた次の毛にまた引っ張られます。

この繰り返しなのだと思います。

この時に一定のスピードで一定の弦のとらえ方が出来ると、弦は綺麗に振動します。

当然良い鳴りになります。

松脂を変えると、同じように弾いても弦の振動が変わります。

松脂の粒子の大きさが変わったりしますので、引っかかる力も強さも変わるからです。


いずれにせよ、松脂が弦を捉えて離す、この繰り返しが弦を振動させます。

これは、思い切り手の力を抜いて、松脂の引っかかるのを感じながら弓を弾いてみると良く解ります。

弓を滑らすように弾いている方は、比較的、比較的です、弓をしっかり握り込んでいる方が多いように見えるのは私の錯覚でしょうか。

反対にウエートを乗せて弾く弾き方のほうの方が多少指で、人差し指の指の第二関節辺りに弓が来ているような感じです。

手首を回転させるのと、手全体の関節を使うのとの違いかもしれません。

あくまでもこれは自分でやってみた結果の形ですので悪しからず。

何が違うかと言うと、指でとらえる方が、敏感に弦を弓の毛が捉えるのを感じることが出来やすいのです。

それにしてもこの弦を松脂、弓の毛が捉える感じさえかんじるようになりさえすれば、弦楽器は良くなるようです。

それには相当手と腕全体の脱力と言うのが必要です。

皆さんは、薪割りと言うのをやったことが有りますか?

特に、大きな斧で丸太を割るというような薪割りです。

これは結構やはり脱力の問題なのです。

斧を大きく振りかぶって、ふっと肩と手の力を抜き、腰から前にウエートを乗せると、きれいに薪が割れます。

この時全身を鞭のように使うのです。

斧が落ちて行く感じがつかめると、それに力を加えることで、相当な力になります。

鍛冶屋のハンマーも同じですね。

刀鍛冶の、大槌も、落とすのです。

最後に金床に当たる瞬間に手のひらを握り込みます。

その時点で最大の力が加わります。

二胡の場合も多分この脱力と言うのが最大の問題でしょう。

にもかかわらず、駒を飛ばすほどの圧力がかかっているということだと思います。

内弦の高音、特に第3,4ポジションで音が出にくいことが有ります。

これも同じですね、むきになって力を入れても音が裏返ったりもします。

これも脱力を意識すると出やすいようです。

優しく、多少いつもより弦を緩めにウエートを乗せて、と言う感じでしょうか。

お前出来るのかと言われると、、、自分の作った楽器なら出ます。

他のはたまに、、出たり出なかったりという感じでしょうか。

でも何人かの上手な人は、私が出せなかった内弦の音を出しますから、方法はあるのでしょう。

多分脱力だと思います。

剣道などやっていた方は、この脱力の感じと言うのをつかみやすいかもしれません。

或いは、ゴルフですかね。

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