二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

楽器の修理は難しいですね!

2024-10-05 17:36:01 | ●二胡の修理
楽器はそれぞれに違います。
ましてや弾く人の感覚もそれぞれ違います。
修理した楽器はすぐにはなり出さないこともあります。
また、修理すると以前の楽器と変わりますから、違和感を持つ方もいます。
直ったとしてもなのです。

そして、修理の際もっと大きいのは、信頼です。
この人なら任せられると完全に信じていると、とても良い楽器に仕上がります。
修理する職人に対して不安があったり、はたまた何かしらの不信という程ではなくとも、何かしら微妙な気持ちの不安感があったりすると、何となく直してもらった楽器にも不満が残ったりもしますね。
例えきちんと直っていてもです。

このこと、楽器修理の職人と楽器を預ける演奏家の永遠のテーマですね。
ヴァイオリンの職人さんたちは良くやっていますね。

今日二胡奏者の孫越さんから、電話がありまして、

「西野さん良い蛇皮持っているという話ですが、まだありますか?」
どうやら、17,8年弾いてきた楽器を中国で初めて頼む職人さんに、皮の張り替え頼んだのだそうです。
ところが戻ってきた楽器が、3ケ月くらい弾いても馴染まないし雑音を感じる。とのことです。
「西野さん、一度この楽器見てもらいたいのだけれど、最悪皮の張替え頼むきりないような気がするのです。」
こうやって中国人の演奏家に頼まれるのは、本場で習ったわけでもない二胡職人としては大変うれしい事なのです。

以前、100万円を超える楽器を見させてもらい、中の胴の薄さに驚いたことがあります。
「これは皮を発り替えて、中の木を厚くするきりないですね」ということで、皮を張り替えさせてもらいました。

出来上がりは大変喜んでおられて、流石に良い木ですし部分的に木が薄かっただけですから。
8ケ月くらいしてくらいして「どうも、外弦が音が細くてならなくなってきたのは皮が何か変化したのですか?」
これは!と思ったのですが、とにかく工房まで来ていただいて。
弦と交換して、ハイ良く鳴りましたね。
はやり皮を張り替えたからおかしくなったと、思う方は楽器に何かあるたびに思うのでしょう。

これ弦が傷んでくると割とあるのです。
以前、有名な先生が西野二胡を弾いている方が生徒さんにいらして、「こうやって、押し弓引き弓の時に音程が変わるのは、この楽器良くない」
お客様が心配になって神田のお店に来られました。
弾いてみて、「はい、弦を交換しましょう1年以上取り替えていないでしょう」
弦を交換して見事に直りました。

まだまだ、日本人の作った二胡なんてと思っておられる方も多いのでしょうね。
修理など勿論もっとお客様は不安でしょう。

私は今ネオちゃんに二胡の修理を教えています。
もうすでに自分で一台を完全に、作れるようになって来ています。
先日もお客様のところへ貸し出したりもしています。
お客様は私が作ったものと考えていたようですが。
実は、私は二胡の修理というのをネオちゃんにはやらせたくないのです。
でも現実には、西野なら頼めるけれどというのがお客様にはあるのではないかとも思っています。
現実にはもうすでに一緒にやっていますし。
弓つくりに関してはもう演奏家の方と話し合って特注を受けたりもしています。
それでも私がいなくなった後は二胡の修理はあまりやらせたくないですね。
二代目というのは大変つらいのですよ。

所詮2代目と思われがちですから。
それにしては、私の本業を継いだ社長は良くやっています。
ネオちゃんも安心して頼んでもらえるように、頑張れ!ですかね。

工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ

すみません、「光輪」と「寂光」在庫がありません。
雨が上がり次第作ります。




Comment    この記事についてブログを書く
« 光舜松脂の破損の補修取りや... | TOP |   
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | ●二胡の修理