二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

日本における二胡の現状について、その8。

2012-06-25 08:45:34 | ■工房便り 総合 
中国でも、日本でも世界でもそうですが、工芸とか、楽器作りとかは、全て一人でやるということは殆どありません。

ある程度の受注残を持っている人なら、皆弟子の一人や二人ぐらいいるものです。

ですから誰々の作という名前が入っていても、全てその人が一人でやっているのではありません。

全て材料の製材から皮張までやっている人は、日本の貧しい二胡作り=私だけでしょう。

よく光舜堂に、これは誰々の作と言われていますが本当でしょうか、と訊ねて来られる方がいますが、

これは返事に困ります。

印鑑が入っている以上、或いは焼き印が入っている以上、その工房主が責任もってお客様に出すものですよ、というだけでしかありません。

それで良いとされるのが中国でもありますし、他の工芸などでもアールヌーボーのエミールガレの作品などは、工房物と、本人作と言われて、一応分けられていますが、これもホントかどうかわかりません。

ましてや、あれだけ偽物作るのが上手い中国人です。売れるとなれば、どんな名前でもつけるのは、これは皆さんもご存知だと思います。

これは皆さんのお持ちの有名二胡製作者の作った物を否定しているのではありません。

私に聞かれても解らないと言っているだけなのです。

唯一、王根興先生の作は、これは確実と思える方から購入された物を、5台は弾かせてもらっています。

それと、王瑞泉さん、王国興さん、満 瑞興さん、達の作ったと、かなり確実に解るものは弾いたことがあります。それから陸林生さん。これらは皆プロ演奏家の方が、作者から直接購入したものですから問題ないでしょう。

確かに良い楽器達でした。しかし、弾きこみの状態もそれぞれに違い、比べるようなものではないなというのが感想です。

多少、有名ではない人の作でもとんでもなくよく鳴る楽器というのはあります。

やはりそこがポイントでしょう。

音色がというより以前に、よく鳴ってるなーーというのが、基準でしょう。

とにかく二胡は鳴りでしょう。音色は皆さんが作り出すものです。

それと相性、人によっては良い音色がするのに、ということも皆さんは経験済みだと思います。

それを大切にしませんか?

ですから、どこのだれが作った二胡であろうと、皆さんのご予算に合い、弾いてみて良ければ良いのではないでしょうか。

ほんとならプロの為にきり作らないという人の二胡が販売されてもいます。

もしかしたら、凄く鳴るのかもしれません、ただ、その人が作ったプロ用というのを弾いてみたことが無ければ、これは違いは解りません。

その上難しいのは、プロ用などは、そのほとんどが、最初の頃はウルフ音がしたり弾きにくかったりもします。

1,2年弾いてみてではないとその楽器の良さが出てこないのも、二胡という楽器の持つ良さでもあり、大変なところでもあります。

まずどんな楽器でも最低2年は弾きこんでやって下さい。

そしたら本物かどうかわかると思います。




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