時々思うのですが、自分で弾いた時の音とネオちゃんの弾いた時の音と随分違う感じがあります。
ヴァイオリンなどは、もろに耳のそばで振動します。
弦を擦る弓毛の音や、弓を折り返し弾いた時の掠れ音や引っ掛かり音、そして何より弦の擦れる音というのがとても良く聞こえて来ます。
私がチェロを最初に習った先生は、反射音を聞くようにとよく言っていました。
楽器はその弾く環境で音色も変われば、音の強さも、そして楽器の雑音なども相当に聞こえ方が違います。
キッチンやお風呂場あるいは玄関などで弾くととても強く響き音も良く伸びた感じで聞こえます。
また、寝室などで弾くと音も伸びず小さくも聞こえ、そしてやたらと雑音も聞こえて来ます。
擦弦楽器は撥弦楽器に比べると楽器自体の発生する弦の振動音そして弓毛の擦れる音など良く聞こえて来ます。
気になりだすととても気になってきます。
でもその楽器を誰かほかの人が弾くと耳元で鳴るような雑音というのは消えて楽器の音色だけが聞こえてくるような感じになります。
ヴァイオリンほどではなくとも、二胡もチェロと同じように棹の頭が、耳のすぐそばにあります。
棹はかなり振動しているのです、それも良い楽器程良く振動します。
二胡の場合胴の振動は耳だけでなく腰のあたりに共鳴して体を通して響いても来ます。
勿論棹を握っている手にも感じます。
ところが他の人が弾くと、楽器の音そして何より部屋に響く音を耳を通して感じることが優先的になってきます。
ですから、自分で弾くよりほかの人が弾いた方がその楽器の音色をよく分かるのかもしれません。
勿論弾く人の腕にもよるでしょうが。
だからでしょう、先生が弾くとご自身の楽器がとても良い音色に聞こえますし、また楽器屋さんで新しく楽器を購入しようとして、ご自分で判断付かない時にお店の方に弾いてもらい、良い音とその楽器を購入してみたけれど、、、、、などという事が起きたりもします。
でも誰かが弾いてよい音だとしたら、その音を目指して頑張れるのかもしれませんね。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ