二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

私の作った楽器は、売れなくとも構わないのです。

2014-09-06 09:57:16 | ■工房便り 総合 
最近人生の最期が見えて来てからは余計、思います。

売れる,売るという事は、たまたまのご縁だと思うのです。

何しろ二胡は中国のものと思われている二胡弾きさんがほとんど99%くらいでしょうから。

いくらデザインを、機能と形を追求したものにしたからと言って、二胡の形はコレと思われている方には、違和感を感じるのは否めません。

私は二胡大好きです。

先日もある発表会で、ヴァイオリンやら沢山の楽器聴いていた中で二胡の合奏を聴きました、キレイですね、音にふくらみがあります。

ヴァイオリンの音色もそれなりに美しいですが、初心者が弾くとキッチリ音楽していないと美しい音色とは聞こえてこないのです。

ところが先生とほぉさんの合奏であの超初心者のほぉさんが弾いても美しい音色に感動します。

隣でそれを聴いていた、発表会に参加されてい方の親御さんでしょうか、おh--良い音色ですね、と感動しておられました。

勿論K先生の音色は絶品で、それに引っ張られたところもあるのでしょうが、

改めて引き比べた時の二胡の音色と言うのに感じ入った物です。

二胡は音色、とさんざん言ってきたつもりです、でも本当につくづく思った時間でした。

たしかに二胡は上手な人が弾けば、様々な音色を表現できます。

でも、楽器そのものが美しい音色を豊かな音色を響かせるよういに出来ているのです。

これは楽器としては特別ですね。

人間の感情に直接響いてくるようなところがあります。

だからこそでしょうか、国が支援するわけでもないのに日本で人々の中に自然に広がりつつあります。

ましてやテレビなどでは、日本の職人などと言う番組の中で二胡が演奏されてもいます。

ある中国人の先生も、むしろ日本にこそ二胡がのこるかもしれないと言っている方もいます。

先日も神田の光舜堂の営業日に、ふらりと入ってこられた中国人の女性が、初めて二胡を触る、楽しいし良い音色ととても喜んでおられたのです。

二胡は音色、今日本に入ってきて、私たちの気持ちをつかんだ、二胡がどこまで完成度をあげて、それこそ最初に弾いた人だれもが簡単に良い音色を響かせられるような楽器を作りたいというのが、まあ、私の最後の人生の願いでしょう。

楽器の場合、形は音色を作り出します。

音色を追及していってどんな形になるかも、私自身興味のあるところです。

美しい形は美しい音色を生み出すはずなのです。

ですので販売するための定型というより、より先を目指して行きたいのです。

以前、だいぶ前7年前ですかね。

「そろそろ日本人が二胡を作り出す時期だとは思っていたよ、それがたまたま貴方だったという事ね、この二胡は日本の二胡の第一号だから、私が欲しい、買い取ります」

と、店中の現金をかき集めて、買い取ってもらいました。

その方が、中国屋楽器店のオーナーのショウホウさんです。

と言う昔の中国人の一つの倫理観をもっていた、中国屋楽器店のオーナーのショウホウさんが亡くなられました。

「どんどんあなたの作る二胡は変わりますね、もっともっと良い音を作り出すように頑張って」

「この二胡は行き過ぎ、日本人が弾けるような弾き易い二胡作るのがあなたの仕事でしょう」

次々と出来上がる新しい二胡を持って、彼に会いに行くのが楽しみでした。

5年前にショウホウさんが、体調を崩して、北京に帰られました。

その時に「貴方渋谷にお店持っているのでしょう、そこで自分の楽器を売ればよいでしょう、私の最初のお店よりよっぽどいいお店ね」(笑)

光舜堂を始めるきっかけはその一言でした。

また去年だいぶ体調が良くなられて(そのはずでした)

「西野さん、奇跡的に体調良くなったよ、ほんと生き返った」と電話をもらい、

今年の春先にも、或る日本人の二胡愛好家の方の楽器の修理のトラブルがある中国人の先生とあった件でも、ショウホウさんは、陰ながら先生との交渉など引き受けていたりもしました。

「日本にも中国にも悪い人も良い人もいるよ、西野さん後、頑張ってね!と」電話口で話したのが最後でした。

自分が売った楽器でもないのに、中国人と日本人が二胡のことでもめるのは嫌だと、動いてくれていたのです。

そのうち、ショウホウさんにもまた会う事でしょう、その時には最高の出来の物を持って行きますよ。

ほぉさんは一緒に持たせると言っていますから。










Comments (10)    この記事についてブログを書く
« 8月30日(土) グダグダの発... | TOP | 9月7(日)上手くなる弓は... »
最新の画像もっと見る

10 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
めっ! (めぐみ&のぞみ)
2014-09-06 10:39:42
まだまだ遊び足りないから、そんな弱気はめっ!
ショウホウさんも怒ってるよ!
返信する
最高の出来の物は! (152)
2014-09-06 13:56:12
「ゆっくりでいいよー。」と、霊媒したらショウホウさんが仰っていました

だから、急がないでくださいね。


ところで、人工皮の試し弾きは現在、可能でしょうか?
(千里眼で見たら?なんて言われそう・・
返信する
めぐみちゃんのぞみちゃん (nisino)
2014-09-06 15:00:30
二人がお嫁に行くまでは、ね!
返信する
152さん (nisino)
2014-09-06 15:05:12
まあ、ぼちぼち、全国の二胡弾きさんに福音弓を届けてからにします。
人工皮ありますよ。でも、、そういってくる人がかなり外国へ持って行きたい人多いのですね。
それと、外国の方から、、、、
福音弓も一緒にと、いつのまにか、アメリカやカナダの方も、、
中国人も多いのです、日本人には人気が無いのに、中国の人からは絶賛されています。。デザインが綺麗と、、
なんだかなーーー
返信する
楽器つくりなんてのは最高ですね (nikol)
2014-09-06 16:11:43
わたしもこの年で大正琴でもなく、尺八でもなく、二胡という楽器をやりだしたのも粋狂かと思ってましたが

楽器つくって、人様に使ってもらえるなんてのは、はるかに上を行ってます

そのうち買いに行きますからよろしく


私自身のものつくりの希望は、ホバークラフトを作ることと、凧にカメラを積んで空から撮影する程度のことですが、
いつになることやら


中国屋楽器店は3回くらい行きましたが、最初のときにオーナーがいました
二胡をいくつか試し弾きさせてもらい、そのときの対応から、信頼できる人だと思っていましたが、残念なことです


返信する
nikolさん (nisino)
2014-09-06 17:19:52
今年の春先には、ショウホウさんは本当に元気でした。
がんを手術したばかりの私の方がよっぽど弱っていたのです。でもたぶん私の役目はまだ残っているのでしょう。ショウホウさんは日本で二胡を売るからと中国の二胡工房で数年二胡つくりを覚えてきたのだそうです。
たぶん日本に二胡を定着させた先駆者の一人です。
「日本人の方が良い二胡作れるはず、日本人の方が緻密だから」とも言っていました。
なんだかとても懐かしいです。
、、、
ホバークラフトですか、それはすごいですね。スカートは何で作るのですかね。蛇皮いかがですか、たくさん余っているのです。一部分きり使わない贅沢な取り方する物で、薄くて強靭、アルカリ系での鞣しをするとても弾力も出るのですよ、、、と、話はそれてしまいますね。
まだおう少しは頑張ります。革胡も直さなければいけないですし,キジャックも、、
返信する
様子見? (152)
2014-09-06 17:31:50
日本の方たちは慎重なので、なかなか主流から外れないかも知れませんが、
一旦よさが分かればブレイクしますよ。

勝手な想像ですが、欧米の方は動物愛護の観点も入れて?
そして、中国の方はメイドインジャパンも1つの理由?


経験上、日本の若い方も含め、昔ながらの日本職人気質をお持ちの方は
どんな職業に就いても日本独特の美意識と本物志向を発揮します。
誠実にプライドを持って仕事するので、周りから根強い信頼を得られます。

私の場合は、西野先生が作る人工皮だから興味をそそられます。
行けそうになったら改めてメールしますね。
返信する
152さん (nisino)
2014-09-06 21:15:30
ハイありがとうございます。
中国の人の日本ブランド志向と言うのは寝ず良い物が有りますね。
あまりブレイクされても、そこそこが良いです、今そこそこは売れていますから。
それより弓は、、凄い事になって来そうです。
東京の他の二胡屋さんからも卸して欲しいという依頼まで来ていますから。
まあ、弓屋も楽しいから良いですが、今度は木で作りたくなってしまいますね。
返信する
またご冗談を (nikol)
2014-09-07 22:03:31
蛇皮をホバークラフトに使うなどめっそうもない
でも人工蛇皮なら使うのもいいアイディアです
ネットでは掃除機用モーターで人を乗せて浮かすことができるなんて書いてますが、本当かどうか
タコの件はカメラ付き携帯が出る前に考えはじめたことです 
今ならスマホで簡単なことでしょう  (私はスマホを持っていないのでよくわかりませんが)



最近マリンバのyoutubeをよく聞くのですが、メーカーにコオロギ社という会社があります  
福井県の武生の近くの町にある会社でけっこう評価が高いメーカーのようです 振動板に紫檀を使うようで、もともと家具屋さんだったのかもしれません
楽器つくりだったら中国やタイに負けない1例でしょうね
物作りにロマンを感じにくくなっている昨今、楽器作りが一番なのかもしれません

Ghijekの件、ほんとにゆっくりで結構ですのでよろしく

返信する
nikolさん (nisino)
2014-09-09 09:05:08
了解です。
10月は少し他の楽器を作りま宇sのでその時に、今は日々弓造りに追われています。
返信する

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | ■工房便り 総合