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二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

日本の二胡の現状について、その2(ソフトバージョン)

2012-06-16 11:28:05 | ■工房便り 総合 
いろいろ考えました、このテーマ。

あまり過激にならないように書けないものかと。

そこで、誰が読んでも、これは事実だなということだけを書こうと思います。

私の意見を入れない。

たとへ何かで反論されようとも、この事実は貴方は否定できないでしょうと言えるだけの根拠をもったことだけにします。

もちろん事実といえども、真実でありえないかもしれません。

真実というのはその事象の真の姿であると規定しますと、その真の姿を私自身の頭脳で一度拾い出すのですから、多少の歪みというのはあるかもしれませんが、極力その私の価値観というのを排除した認識に近づけるような努力をしてみようと思います。

ですから、二胡の業界における様々な事象を、今の私の価値観の中で良いと思われる方向悪いと思われる方向での二つの価値観で書いて行こうと思います。

コメントは沢山いただきたいですね、ただ、以前夾竹桃さんという方から頂いた、感情的な論拠の無いコメントはお控えいただけると幸いです。

さて、

以前から書いていますように、日本人に二胡は合っているという感じがします。

これは私だけの意見ではなく、私がお会いした、中国人の二胡の演奏家11人の意見の中に必ず有ったことです。

いくら珍しい楽器とは言え、日本人の感性に似合わなければ、ここまでの広がりというのは得られないのではないでしょうか。

多分、全国各都道府県に、一つ以上の二胡の教室があるようです。

二胡の愛好者は、バイオリンの愛好者に及ばないでしょうが、三味線などよりも多いかもしれません。

三味線や、三線が基本的に伴奏楽器であるのと比べて、メロディー楽器として二胡は歌う側にあるからかもしれません。

二胡が日本に本格的に入ってきて、20年、中国人の演奏家の方々の努力は大変なものがあったと思います。

見ず知らずの国に来て、頼まれればどんな処へも出向いて二胡を弾いたり、生活の為にアルバイトをしたり、様々なご苦労があったとお聞きします。

大変ありがたい事です。

ましてや程農化先生のように、日本に帰化してまで二胡を日本に広げようとなさって下さった方までいらっしゃいます。

まだまだこれからも、日本に帰化される方は増える事と思います。

楽しみですね。

さて、皆さんの中には、お茶や生け花や着物の教室に通ったか通っていらっしゃる方も多いと思います。

日本独自の教室産業ですね。

お茶の事を、教室産業と言うと怒られるかもしれませんね。

しかし、お茶の世界が、皆さんそれを習う人の受講料や、必要な道具等の購買費等で成り立っているのは事実です。

これは日本独自の文化であり、世界に誇る文化でもありますから。

今言った、着物や、生け花等もこのお茶の世界に含まれていると思います。

確かに、お茶室で作法に則って、いただくお茶というのは格別なものがあり、その時人感じる非日常というのは、日々生活に追われるだけではなく、生きていることの別の意味での楽しみではあります。

しかし、本格的に、お茶や、生け花、着物を覚えて、それを糧として、生活を支える、要するにプロになろうとすると、莫大な金額が懸るのも事実です。

まず、お茶に必要な道具達がありますが、より良い物を欲しくなるという人間の性から、でしょうか、茶碗だけでも沢山必要ですね。

それこそ、無銘の数千円のものから、名器と言われる数百万、或いは数千万を越えるものまであります。

しかしその良い物をたくさん見なければ良い物が判らないということもありまして、どんどんエスカレートするのはこれはいたし方ないのかもしれません。

日本の教育産業には、宗師制度という物があって、全てが宗師に集約されていきます。

授業料も、授業に必要なもの達の物販も全てが、宗師に集約されます。

この日本的な、教育産業の形が、ニ胡の世界にも取り入れられてしまったようです。

これはもちろん文化の一つの形ですから、私がとやかく言う筋合いはないのだとは思います。

以前、学生の頃、大道具の会社を持っていました。

幸いと言ってよいのかどうか、比較的下町の世界に住んでいたものですから、日本舞踊やそれに伴う音曲というのに親しみがあり、大道具の中でも、日舞の世界にかなり出入りしました。

そこでも日舞という教育産業の世界を目の当たりにしたのです。

また、私の仕事の一つで、3万人程生徒のいる、着物教室の本部の設計をしたことがあります。

その時に、教育産業のある一つの形を、良いも悪いも覗いてしまった事は、私みたいな、単なる物作り馬鹿にとって、一つのトラウマになってしまったのかもしれません。

物作りとしての潔癖さがあるのでしょう、たまに「青いね」とも言われたりします。

以前にも書きましたが、昔チェロを弾いていました。先生と一緒に、楽器の工房や、楽器屋さんを訪ねて、自分の楽器を購入したのですが、その時にいろいろ他のバイオリンなどもみたりして、楽器は、楽器屋さんから、或いは製作者から購入するものだと、思っていました。

しかし、二胡の世界に入って、そこにトラウマになった、日本の教育産業の在り方に再び出会った時にはかなりショックでした。

多分このようなことは皆さんにとっては、日常茶飯事で、いまさら言うまでも無い事なのかもしれませんが、

ある意味、私にとってとても大切な二胡の世界は綺麗事でいって欲しかったのです。

仕事ですから、二胡の世界に住む人々も利益追求というのはいたし方ない事ではあります。

もちろん私も自分の仕事全てで、利益を生み出すようなことは考えています。

ただそれは通常の商売と同じくらいでしかありません。

教室産業の恐い処は、教える人が売ると言うことでしょう。

当然先生と言われる人が売るわけです。

それも、教えると言うことに関係してですから、これは断りようも有りません。

しかし、今までの教室産業の販売にも良い処はたくさんあるには違いありません。

普通の生徒が、一私人としてはとても手に入らない物が、手に入れやすいということも有ります。

また、一私人として購入するよりはるかに安くも供給してくれます。

先生方の中には、こんな良い楽器をこんな安く売るのかという方も多くいらっしゃいます。

反対にそれはその教室の特別あつらえだからと言って、バイオリンに近い金額で売るところもあります。

これはどちらも有りですね。

楽器そのものの純粋な価値として見るのか、先生の眼鏡にかなった良い楽器群として、そこに付加価値という物を乗せてあるのかの違いです。

付加価値というのは、何故と思われる方も多くいらっしゃると思いますが、ものとしての純粋な金額などというのは元々あり得ないというのも確かなことなのです。

人々がたくさん欲しがれば、例え金額が上がって行こうと、購入します。

その金額がどのくらいかという事だけなのです。

以前テレビで、加藤陶九郎という方が、30秒で絵付けして、300万ですと言った時に、インタビュアーが、「30秒で300万ですか」と聞きました。

加藤先生はその時、「私の人生64年プラス30秒です」とお答えしたのには、成程と、恐れ入ったのでした。

さて、教室での二胡の販売ですが、中国で二胡を購入された方は良くお分かりだと思いますが中国で購入された二胡は大変安く購入できます。多分日本での5ぶんの1くらいか3ぶんの1ぐらいでしょう。しかしその後のメンテナンス或いは保障というのは全くあり得ません。

それに反して、教室で購入されたものは、当然メンテナンスも十分な体制がありますし、保障まではつかなくとも責任を持って販売もしてくれます。

そのはずです。そうであってくれないという話も聞くことも有ります。がそう言うことが教室での販売の良さであるということは皆さんは信じておられるはずです。

また、二胡以外の、お茶屋、着物などの教室では、ではかなりの上級者になれば、自分でも先生以外のルートで購入しても、誰も何も言わないということも、暗黙の了解になっていますね。

このように良い処もあるのです。

二胡の世界ではどうなのでしょうか?









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そこなんですよね (グリーンエム)
2012-06-16 20:53:18
御説ごもっとも。うわさに上るような教室もありますね。現地での価格の5倍ならともかく(いろいろと経費がかかるのは分かりますから)日本国内の標準的価格の5倍を付けるらしいですね。音色がいいなら別ですが。


教室運営の上手下手で、その流派の繁栄が違ってきます。つまりテクニックですな。


あ、ちなみに、私は草月流の二級師範という資格を持ってます。ただし、教えたことはないけど。
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グリーンエムさん (nishino)
2012-06-17 22:45:15
コメントありがとうございます。

が、ここで一つお願いです。

確証のない話は避けましょうや。
二胡弾きそれぞれに考え方はいろいろあると思います。
いくら高い楽器だからと言ってもその先生を尊敬していてその人の勧めるものは良しとするのも考え方の一つだと思いますので、嫌だと思えば、辞めるでしょうし、良しとしているからこそその教室に通うのですし、いくらの楽器であろうと購入するわけですし。
私の仕事など、インテリアのものやクラフトのもの等彫刻的な物などは、付加価値として有る百貨店などは相当上乗せしていますからね。でもお好きな方は購入して下さっていますのでありがたい事なのです。

是非事実ということが何かおありでして、それを書きたいということなら書いて下さい、お願いします。
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