二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

やっと目標が見えてきました。

2017-05-06 10:06:40 | ■工房便り 総合 
二胡を造り始めた時には、

むしろ作りたいということより、解りたいということがほとんどでした。

何しろ生まれてからこの方、何かを作り出すこと以外はやってきていませんから、

作ることで初めて理解できるのです。

そういう点では子供ができて初めて、自分の若い時のことが理解できるのと同じかもしれません。

無我夢中で育ててきて、やっと孫ができるくらいの年になって、

子供あるいは人の人生というのが見えてくるのと、同じでしょうかね。

(孫はいませんが、二胡のおかげでたくさんの孫たちに出会えています)

二胡を造り始めたことたくさんの中国人の二胡演奏家にお会いするたびに、聞きました。

良い二胡とは?

でも、皆さんその言うことが違い、また私の求める答えを持っている人もほとんどいませんでした。

でも良い経験だったのは、その演奏家たちが良いという二胡を弾かせてもらうことができたことでしょう。

ある意味答えは、弾いた瞬間に体に響いてくる楽器の音、良い楽器は弾いた瞬間に分かります。

これは良い二胡だと、体に響いてくるのです。

二胡を造り始めて、8年たったころに、手探りで作り始めていたころの二胡が、

意外と正解だったことに気が付き、

それらをあえて作り出しているのが、今の二胡作りです。

去年から、半年もかけて、一台の二胡を作り上げました。

半年もというのはその間に実験で、ダメにした材料がたくさん出来たということでもありますが、

良い二胡とは、?ということに対する答えを見つけ出したのが、

『明王』であり、”やまと二胡”です。

今までは答えの見つからぬ状態でも、なんとかかんとか、数台作っては出来の良いものだけをお客様に提供してきました。

しかし、二胡は木が鳴る、ということをしっかりと自分のものにできたからかもしれませんが。

その答えの一つが、『明王』です。

これはあるお客様の依頼で作り始めたものですが、それも漠然とした依頼、

良い二胡が欲しい。

ヴァイオリンの音のボリュームに匹敵し、なおかつ二胡の良さである音色が生きるもの。

そして中国の本場のものに引けを取らない倍音。

それらはいかにして作ることができるかというのが、理解できたと今は考えています。

また、自分の作った二胡の販売だけでなく、

皆さんがお持ちの二胡をいかに良い楽器に仕立てるかというのが、自在にできるようになったとも考えています。

小さなことでは、千斤の巻き直しや駒の交換などの調整をすることで。

あるいは頭の修理や、胴割れなど、

そして、皮を張り替えさえすれば、

皆さんがお望みでしたら!、

西野二胡並みの響きと

木そのものが本来持っている音色を最大限生かすようなこともできるようになりました。

それには今までたくさんの方達からの、二胡の修理や皮の張替え依頼が、

私の二胡研究を支えてくれさらに進めてくれたとも言えるのです。

そして3000台を超える、様々な二胡を弾かせてもらえたことが、

そして信頼して楽器を任せていただけたことが、私の二胡作りの大きな力となってきました。

この先いつまでできるのかはわかりません。

7年前光舜堂を始める時に思ったこと、

私の作る二胡だけでなく、皆さんのお持ちの、全ての二胡をよく鳴らしていきたいと考えています。

今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。


2017年5月
光舜堂店主 西野和宏







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