二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

良い二胡とは何だろうと時々考えます。その2

2017-06-19 11:01:11 | ■工房便り 総合 
二胡は、木の種類によってその音色と響きが決まってしまいます。

メーカーによって少しずつは胴の形態も棹の形態も変わります。

が、

基本的にはその使っている木の種類、その一本の木の中でどの部分を使うかによって

その楽器の質が決まってしまいます。

簡単にいうと、素直な木目のものは、素直な音になり、

倍音も少なく、クリアーな音になりやすく。

複雑な木目のものほど、強く響き、倍音も多くなり、

複雑で、豊かな音色になります。

ですから、胴の木目を見るとその楽器の基本的な響き方というのは分かります。

ところがよく乾いた、紫檀など、真っ黒で木目など見えないのです。

皆さんもお持ちだと思いますが、老紅木といわれてもどこが紅なのと思うほど、

真っ黒だと思います。

こうなるともう弾いてみる以外にははっきりは判りません。

また弾いてみても、自分で弾くとどうもはっきりせず、

仕方なく先生や楽器屋さんに弾いてもてもらっても。

なんだかよくわからず、

というのが、ほとんど、99%の二胡であるのが現状です。

しかし残りの1%、あるいは1000台に1台、

どんな初心者が弾いても、

弾いた瞬間に、あ!この二胡は、すごい”!!!と思える楽器があるのです。

これはもう名品というしか仕方がないものです。

しかしここからです、

ここから二胡の面白いところで、

どんな安物の、花梨の二胡でも、このすごい響き、

体に直接訴えかける響き、

そうですね、音色などという生易しいものではなく。

体に響いてくる振動!

この振動は、棹を響かせ、皆さんの、体を慣らし、

周りの空気を揺らして、聴衆の体をも揺らします。

これはたまたま、二胡の胴の木の厚みが、疎の樹種を活かす最適な厚みとバランスで振動した時に起こる現象なのです。

ほとんどの二胡の胴は、機械の刃の形で削られていますから、

形は同じなのですが、木によっては、その同じ形でよく響くものと響かないものができてしまいます。

それほど、二胡の胴の振動というのは敏感なものです。

その胴の木の特性に合った形が見つかりさえすれば、

その木のお特性を活かす最大の鳴りが実現できるのが、最近わかってきたようです。

今までは何台か作ってこれなら良いと思うものだけをお客様に提供してきました、

おかげで、ほぉさんの言う、二胡のシガイが山ほどできてしまったのですが(笑い)

しかし今、二胡を造るのが楽しくて仕方ありません。

最近ご来店のお客様が、西野二胡弾かせてほしいのだけれど、

弾いてしまうとな~~~~~~

欲しくなってしまうから、、、、、

いえいえ是非弾いてみてください。

Comments (2)    この記事についてブログを書く
« 良い二胡とは何だろうと、時... | TOP | 良い二胡とは何だろうと時々... »
最新の画像もっと見る

2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (名古屋人)
2017-06-19 21:59:56
はーい、まんまと弾いてはまってしまった一人です(笑)

先日ボランティアデビューしましたが、
絨毯敷の部屋にも関わらず響きの大きいこと…

事前練習でもメンバーが
「私の横で弾いてるのに前の方から音が聞こえてくる!」と驚いていました。

弾いた感じがとても安定しているんですよね。
薔薇駒のお陰でサスティンも素晴らしいし!
(いや、もう、ウソ~っていうくらい伸びます)

本番ではいつも緊張しますが、
これだけの音を出してくれるととても安心します…
素晴らしく頼もしい胡です。

本当に、自分がうまくなったかのように錯覚しちゃいますね(笑)

返信する
名古屋人さん (nisino)
2017-06-20 09:20:10
そうですかお役に立ててよかったです。
最近、光舜堂にいらしても、調整会でも、私が弾いて見せても、試し引きされないかたが、、、、、
欲しくなってしまいそうだからと、、、
こまった物ですね、
金額は本場の二胡と変わらないのですし、
むしろ、安いくらいにしているのですがね、、、
最近本場の二胡も値上がりしていて、先日中国から買ってきた楽器を見せていただいて、思わず昔の値段を言ってしまったら、倍くらいしているようです、まあ、かの国もどんどん成長していて人件費も上がっていて、南のほうではもう、日本と変わらない給料だそうですね。
たくさん弾いてやってください、!
返信する

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | ■工房便り 総合