けろろの「浜あるき・野良あるき」

漁あるところ、農あるところへ、風土のにおいに誘われて、いそいそ出かけています

お台場でノリ養殖

2011-01-24 10:06:48 | 浜あるき
「あの、お台場?」って、思いましたか?
そうです、フジテレビなどがあるあのお台場で、本格的に海苔をつくっているんですよ。
今年で6年目。海の目の前の港陽小学校の学習を中心に、
地域コミュニティが実行委員会を作って運営しています。

手助けしているのは、東京湾で自然再生の活動をしているNPOと、
その縁につながる木更津の海苔漁師さんや、お台場周辺に屋形船を出している遊漁船など。

ご存知のように、お台場は浅い海を埋め立てて作られた人工島。
住民は島に作られた高層マンションに住む“島人”で、島内には保育園と小中学校があります。
子どもたちにとっては、この島がふるさとであり、この海が“ふるさとの海”。

海苔づくりは、「目の前の海を汚いといとわしく思うのではなく、豊かなふるさとの海として愛してほしい」
という小学校の先生たちの願いから始まりました。
豊かさを実感にするには、「食べ物がつくれる」ことを目の当たりすることほど、効果的なことはない。
というわけで、海苔に行き着いたのだそうです。

水質の面からは、ここで成長した海苔を食べることにはまったく問題なし。
昨年12月18日に入れた海苔の芽は順調に成長していて、2月5日に収穫の日を迎える予定。
子どもたちが手で摘み取り、昔ながらのやり方で海苔すきをします。

常々思うことですが、その土地の自然からとれたものを、からだの中に納めることで、
ふるさとは離れがたく他にかけがえのない、特別の土地になっていくのでしょう。
大昔から、食べ物を得られる場所を求めてヒトは移動し、
住みついた場所でより多く安定的に食べ物を手に入れるために、工夫をしてきたのでしょうね。

豊かな漁場だった海を埋めたてた人工島での海苔づくりは、
逆説的とはいえ自然と食をつなぐ貴重な試みだと思います。

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