八兵衛のセカンドライフ

46歳で脳幹(橋)出血、現在72歳の車イス男性。ブログはFact is factで(事実だものしょーがねぇべ)

温度感覚が蘇り始めた

2011年05月12日 05時34分22秒 | 脳幹出血
倒れてから3年目になっていたが、この年、実に嬉しいことがあった。

1つ目は平成12年6月、会社でのこと。
出張で来仙していた三原社長が、私を激励し別れる際に両手を包み込むように握手をしてくれた。
握手をした瞬間に、三原さんはびっくりして大声で私に言った。
「あんなに冷たかった八つぁんの手が、暖かくなってきたじゃないか!」

三原さんのお母さんはかつて脳梗塞を患っていたことがあり、
お母さんのマヒ手が氷のように冷たかった、その記憶が強くあったとの事。
三原さんは私が倒れた時に氷川神社に安全祈願してくれていたり、
半年ごとに激励に来てくれてその都度握手してくれていたから、それで直ぐに分かったというのだ。
自分でもうすうす感じてはいたが、
三原さんがいち早く気がつき喜んで教えてくれたので嬉しさもひとしおだった。

2つ目は平成12年10月、自宅で入浴中のこと。

両半身とも温度感覚が未だ無かったので、湯船に浸っていてもお湯の温かさは一向に感じなかった。
非常にぬるいぬるま湯に浸っている感じでしかなかった。

「これはお湯だ、温かさは感じないけど、ほら湯気が出ている。」
仕方ないから目でお風呂のお湯を感じ取り、
湯船に浸っている自分を目で確認をして、そして自己満足するしかない。
そんなお風呂だった。

いつものように身体をシャンプーし終わって、湯船に浸っている時だった。
マヒ側の右半身に感じていたぬるさが、急に氷水のように冷たく感じた。

次の瞬間、マヒの軽いほうの左半身が、「もあぁ~」っと急に温かくなった。
「おぉお~い、お銀、お風呂の暖かさが分かったぞ~っ!」
思わず大声で歓声を上げてしまった。
お銀も、娘達も、何事が起きたとばかりに素っ飛んできた。

歩くなど運動系の改善ではないが、6ヶ月以降の慢性期に入っているからといって、
脳神経の改善は決してストップしている訳ではない。
この年の2つの出来事から、
脳細胞は迂回路ネットワークの再構築を24時間絶え間なく営んでいることを実感し、非常に嬉しく思った。
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