科学を無視するトランプ大統領に「ノー」! 有名科学雑誌、175年の歴史で初めて特定の候補者の支持を表明
9/17(木) 8:10配信 YAHOO!ニュース
有名科学雑誌『サイエンティフィック・アメリカン(Scientific American)』は9月15日(現地時間)、2020年の米大統領選では元副大統領で民主党候補のジョー・バイデン氏を支持すると発表した。同誌が特定の候補を支持するのは、その175年の歴史上初めてのことだ。
同誌の編集者らによると、トランプ大統領が科学を無視し、政治化してきたことが今回の決断につながったという。
「ドナルド・トランプがアメリカとその国民に多大な損害を与えてきたことは、証拠と科学が示している ── 彼は証拠と科学を拒絶してきたからだ」と編集者らは書いている。
『サイエンティフィック・アメリカン』は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と気候変動に関する科学を否定するトランプ大統領を激しく非難した。
有名科学誌『サイエンティフィック・アメリカン』は9月15日、2020年の米大統領選では元副大統領で民主党候補のジョー・バイデン氏を支持すると発表した。同誌が特定の候補を支持するのは、その175年の歴史上初めてのことだ。
同誌の編集者たちは、トランプ大統領がこれまで新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)対応などで科学を無視してきたことから、バイデン氏への支持を明言「せざるを得ない」と感じたという。
「ドナルド・トランプがアメリカとその国民に多大な損害を与えてきたことは、証拠と科学が示している ── 彼は証拠と科学を拒絶してきたからだ。その最も衝撃的な例は、COVID-19のパンデミックへの真実性を欠いた不適切な対応だ。そのせいで9月半ばまでに19万人以上のアメリカ人の命が失われた」
「(トランプは)環境保護や医療、この国がその最大の課題に備えるための助けとなる研究者や公的科学機関をも攻撃してきた」
「だからこそ我々は、わたしたちの健康、経済、環境を守るために事実に基づいたプランを提供しているジョー・バイデンへの投票を呼びかけている。彼の示す提言が、この国をより安全かつ豊かで公正な未来へと押し戻すことができる」
この発表の前日、カリフォルニア州で甚大な被害を出している山火事についてのブリーフィング中に、トランプ大統領は再び気候科学を否定した。
トランプ大統領「そのうち涼しくなる。見ていればいい」
カリフォルニア州天然資源局ウェイド・クロウフット局長「科学が大統領と同じ意見だったら良いのですが」
トランプ大統領「実際のところ、科学に分かっているとは思えない」
トランプ大統領は繰り返し、根拠なく気候変動を否定してきた。
大統領に就任する前には、気候変動は中国がでっち上げた「デマ」だと主張。
就任後も度々、寒波は気候変動がフェイクであることの証拠だと誤った主張を繰り返している ── 実際、2019年は史上2番目に暑い1年だった。
ただ、トランプ大統領による科学の否定は気候変動にとどまらない。
公衆衛生の専門家たちは、新型コロナウイルスのパンデミックに対するトランプ大統領の反科学的アプローチが、アメリカでの流行を手に負えない状況に陥らせたと指摘している。アメリカは感染者数657万人、死亡者数19万5000人以上と、いずれも世界最多となっている。
トランプ大統領は新型コロナウイルスの脅威を初めから軽視していた。
アメリカでは先週、ベテランジャーナリスト、ボブ・ウッドワード(Bob Woodward)氏とのインタビューの記録が公表され、トランプ大統領がウイルスの本当の危険性について、アメリカ人を意図的に誤った方向に導こうとしていたことが分かった。大統領は「パニック」が起こるのを避けたかったため、無症候性感染や空気感染に関する情報を公表しなかったと、ウッドワード氏に語っていた。
その一方で、トランプ大統領は民主党候補のバイデン氏を社会主義者だと非難し、同氏が11月の選挙で勝てば、郊外は「暴漢」によって破壊されると警鐘を鳴らしている。
こうした状況を背景に、『サイエンティフィック・アメリカン』はバイデン支持を打ち出した。
「トランプやその仲間は、郵便であれ直接であれ、人々を11月に安全に投票させないための障害を作ろうとしている。だが、わたしたちはそれに打ち勝ち、投票することが極めて重要だ」と同誌の編集者たちは述べた。
「今こそトランプを追い出し、データに従い、科学によって導かれてきたバイデンを選ぶ時だ」
[原文:Scientific American backs Joe Biden, endorsing a presidential candidate for the first time in its 175-year history]