天台寺門修験

修験道の教義は如何に

修験第二十號 (大正十五年九月一日發行) - 大峰山の霊蹟に就て - 

2011年06月22日 08時14分51秒 | 大峰奥駈

 大峰奥駈七十五靡の名称と道程        宮城信雅  

 六十七  山上ケ嶽(さんじやうけだけ)

 山上本堂(さんじやうほんどう)なり、湧出(ゆしゆつ)の峰とも云ふ。高祖神變大菩薩(こうそじんべんだいぼさつ)が、祈念せられて蔵王権現忿怒(ざわうごんげんふんぬ)の御姿(おすがた)の岩上(がんじやう)に湧出せられたるを感見(かんけん)せられた處(ところ)である。

 本山入峰では鐘掛(かねかけ)、西覗(にしのぞき)、裏行場(うらぎやうば)を修行し、本堂に参拝し、採燈護摩供(さいとうごまく)を修(しう)し、喜蔵院参籠所(きざういんさんろうしよ)に宿泊する。山上(さんじやう)には本堂、本堂事務所の外に、吉野山(よしのざん)の竹林院(ちくりんいん)、喜蔵院、櫻本坊(さくらもとぼう)、東南院(とうなんいん)の四ケ場(じやう)、と洞川瀧泉寺(どろかわりうせんじ)の参籠所(さんろうしよ)とがあるのみである。