kiske3の絵日記

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Yo-Yo Ma その2

2006年06月06日 | カノリンヌの「男前ですよ!」

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調 op.104 / Allegro

小舟が波を立てず水面を滑り出すように、演奏が静かに始まりました。

ヨー様は私達お客よりもオーケストラの演奏を楽しんでいるように、満面の笑みで見守っています。すごく楽しそう。一歩間違えると、酔っぱらったご機嫌部長が部下のOLのカラオケをにこやかに聴いてる風にも見えるんだけど。

しかしだね、ヨー様のソロに入るとガラっと変わるんですよ。溢れ出る曲のイメージを弦と弓で紡ぎ出すその様は神々しいばかり。そのチェロの音はまさにヨーヨー・マの音で、私は握っていた手がしびれるのもお構いなしに聴き入ってしまいました。私にとって今回演奏されるドヴォルザークは彼が演奏する曲の中でも特に好きなものだったので、かなり嬉しかったのですよ。

しかも、ヨー様が弦に指を置く音まで聞こえて来るもんだから、鳥肌立ちっぱなしでした。チェロひとつであれだけの迫力と表現力ある音を出せるって、やっぱ凄いのねぇと感動しましたよ。いや、こんだけ書いといてナンですが、クラシックなんて浅~くしか知りませんから「何となく」感じ取るだけで精一杯です。

で、ブワーと弾き切った瞬間のヨー様のポーズが格好良くて、それは闘牛を見事に仕留めた後のマタドールさながら。思わず「うぅ」と唸りそうになったのですが、前にいたおば様が私の萌えポイントと同じ所で萌えたのが分かったので、かろうじて冷静さを保っておれました。ヨー様、マダムキラーです。

演奏はなだらかに、そして壮大なフィナーレへと進んで行く中、ヨー様の激しい息遣いが聞こえ、否応なく緊迫した会場の張りつめた空気と、微動だにしない人々の隙間を縫ってチェロの音が洪水のように流れて行くようでした。あぁ、言葉を知らないがために、上手く表現できないのが何と歯がゆい事か。ホントは、もっと凄かったんだけどなー。

迫力の演奏が終わり、客席からはヨー様だけでなく、このオーケストラがいかに素晴らしいかを実感し惜しみない拍手が鳴り止みませんでした。ヨー様は再び満面の笑みでジンマン氏やコンマスと抱擁を交わし、他のメンバー達にも賞賛の拍手を贈ります。オーケストラの人達にも笑顔が見えるのは、素晴らしい演奏は当然の事ながら、ヨー様の人柄にも原因があったのではないかと思えてなりません。

いつまでも拍手が止む事はなく、何度も舞台に戻っては袖に引っ込んでいたヨー様でしたが、とうとう再びチェロを持って来てくれたのですよ。最後にソロを、と言う事でアンコール曲はJ.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲第3番より サラバンド。
このソロも素晴らしく、どこまでも完璧に滑らかに流れるチェロの音を、私は忘れる事はないでしょう。そして、この日にコンサートに行かせてくれたkiskeのみんなにも感謝です。もう、今年後半、良い事が全然なくても構わんよ(ウソ)

Yo-Yo Ma / CONCERTOS FROM THE NEW WORLD


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