kiske3の絵日記

一コマ漫画、トホホな人の習性、

映画批評、恐怖夜話、あらゆる

告知をユルく描いて書いてます。

ヤスラギ 4

2008年06月22日 | ボスヒコの「恐怖夜話スペシャル」

「こんばんわ」




大雨の当る音であまり聞こえない耳が、男の声を拾う。振り返ると
そこには黒い影。すぐに目が慣れたワタシは安堵と苛立が襲って
来た。黒い影の正体はここのマンションの年老いた大家さんだった。
ワタシは驚きながらも微かに返答して、急いで自転車に鍵をかけた。



そして大家さんは、いつもやっている事をしだした。彼はマンション
前のゴミ捨て場に行き、住人達のゴミを開けて分別するのである。



ここ大阪は東京のようにゴミを分別しなくて良い。それなのにわざ
わざ分別する大家さん。感心と感謝の念が出ても良いはずなのだが、
夜中の3時過ぎ、大雨が降る中、薄いレインコートだけでマンション
住人のゴミの分別するのは不気味としか思えない。元々、この大家
さんは生理的に受け付かなかったので、この行為に酷く嫌悪した。

ワタシは逃げるようにエレベーターに乗り、最上階に着くなり降りた。

廊下のあの濡れた跡は既に渇いていた。そんな事よりも今は、早く
シャワーを浴びて、着替えないと風邪をひいてしまう。カバンから
鍵を取り出そうとしたが、奥底にあるのか、なかなか見つけられない。




その時、身体から滴り落ちる雨水を見て、愕然とした。今、正に、
ドアの前にあの水たまりが出来ようとしている。ワタシは思わず
ドアから離れて、試しに向かいの部屋のドアまで歩いた。身体から
流れる雨水はあの痕跡とそっくりなラインを残した。身体から雨水が
滴り落ちる程濡れている人間が歩くと出来る水のラインだったのだ。




しかしドアの前に立つ理由は!? 雨が降った日だけ痕跡を残す事
などありえない!!雨以外の日は“痕跡が残らないだけ”なのだ!!


そして、このマンション内で、雨の日だけずぶ濡れになる人間は!!





その時、エレベーターが何かを乗せに、音を立てて下へ降りて行った。












何を乗せて来るんでしょうか!!??              ボスヒコ
 絶対に押して下さいね。
 


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