まったり~

まったり~っとしながら、お気に入りのものたちの紹介や、日々の出来ごと、読んだ本の感想などなど・・・日常生活を綴ります

For You

2011年02月21日 | 本の記録
読んだ本の記録です。

素敵な題名と表紙絵に惹かれて、かなりぶ厚い文庫本でしたが、迷わず購入。

<「For You」 五十嵐貴久 著  祥伝社文庫 刊>



この著者の作品を読んだのは今回が初めてです。
ホラーサスペンス・時代小説・コンゲーム小説・青春小説など、幅広いジャンルで活躍しているそうです。
今回の作品は初の純愛ミステリーだそうで・・・。

表紙絵の通りに爽やかな懐かしい感じのする話でした。

語り手兼主人公であるシネマ系雑誌の編集者である女性の「現在」の話と急病で急逝した叔母の高校時代の「過去」の話が交互に出てきます。

主人公の女性は幼い頃に母を亡くし、代わりに叔母が母代わりとなって彼女を育てます。
しかし、その叔母が44歳という若さで「くも膜下出血」で倒れそのまま帰らぬ人となります。

主人公は、叔母の家で遺品整理をしているときに叔母が昔つけていた日記帳を2冊見つけます。

その日記帳は、叔母の高校時代の学校生活や交友関係、好きな人の話など青春真っ只中の話題が綴られています。
時代は1980年代前半。静岡県のとある町での設定になっています。

その時代に私も高校生だった(東京の女子高でしたが)ので、そうそう、この頃はそうだったよね・・・。
と、自身の記憶ともつながるところがあり、懐かしい気持ちで読みました。

文化祭である「葵祭」という言葉にも反応してしまいました。
なぜかというと、私の母校の文化祭も「葵祭」という名前だったから・・・。

原宿のクレープ屋さんの話なども出てきましたし・・・(今はクレープなんてどこでも食べられますが、確か1980年辺りに原宿で初めて売り出されたのですよね!?)

タイムスリップして自分も高校時代に戻ったような気分で読みました。

主人公が叔母の日記を読み進めていくうちに意外な事実が判明します。
その事実は現在の主人公の仕事との関わりにも生じてきます。

その辺がミステリーなのですね。

でも、本当に意外な事実なのですが妙に共感してしまう・・というのでしょうか?

素敵な素敵な純愛だなぁ・・・と思えて、全然嫌味がない終わり方でした。

読後感がとても爽やかでした。

500ページ近くありますが、あっという間に読めます。

特に1980年代に高校生だった人が読むと懐かしく感じると思いますよ。


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