懈怠石

結晶系、屈折率:100、主要産地:東京近郊、つまりそういう日記

宝石じゃない方のカルティエ

2007-08-09 17:31:05 | Weblog
アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真展を見てきました。
写真には相変わらず疎いんですが、なんか良かったです。

「決定的瞬間」と言われてますが、
なんか、人の連続して生きている時間の1コマという感じでした。
どれくらいの時間、カメラを構えたまま
空気のようにその場にいたのかしらん、と思う。

個人的にはメキシコとか中国とかイタリアとか
日差しの強いクソ暑い国の写真が好きでした。
単に陰影がよく出てるってことではなく。
なんか埃っぽい空気感とか。

ポートレートも結構な数が出ていて、
サミュエル・ベケットの顔を初めて見ました。
神経質そうなおじいちゃんで、
この人がゴドーを待っていたのかしらと
しげしげと眺めてしまった。

ドイツの写真で、子どもが壁の横に数人でいて、
ひとりがその壁をよじ登ろうとして
体中を伸ばしている風景を写したものがありました。
私の隣にいた女性二人組が
「子どもは何にも考えずに遊んで、かわいーねー。」
と、その写真を見ながら笑ってました。
その写真のタイトルは「ベルリンの壁」。
ホントに何も考えてないのかな。
ちょっと考えてみたけど、その写真からは
壁に手をかけた子どもの気持ちは分からなかったです。

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