懈怠石

結晶系、屈折率:100、主要産地:東京近郊、つまりそういう日記

キャデラックから得る、豪華教訓

2005-08-08 23:18:43 | Weblog
友人の後輩は弱冠22歳にして、愛車がキャデラックだそうです。
車に詳しく無い私ですら、凄え!と思ってしまう響き、キャデラック。
ちなみに購入したのは19歳の時、300万円の5年ローンだったそうです。
つまりあと2年もあるんですよね。
大変だあ・・・

そしてその後輩くんは、ローンなんかへっちゃらなくらいキャデラックが好きだが、いかんせん物持ちが悪い。
購入して3年足らずとは誰も思えないくらい車体がぼこぼこで、エンブレムが無いと誰もキャデラックってわからないんじゃないか、というくらいだそうです。
それは言い過ぎだが、先日ゼヒとも自慢のキャデラックに乗ってくれと言われて一緒に出かけた私の友人、なんかガクガクしながら走るなあ、と思った途端に助手席のタイヤが取れたそうです。
もう、ガガガガガガガガーって。
火花散らしながら傾きつつ走るキャデラック。
真夏の怖い実話です。

視界の端に見えるガソリンスタンドまで、車体を地面に擦りながら走り、そこでタイヤ屋さんを呼んで応急処置をしてもらったそうです。
ちゃんとサイズの合うタイヤが無かったため、帰りも傾きながらで怖かったとのこと。

おまけにローンはやっぱり大変で、車検は切れたまま、駐車場も無いので路駐。
大家さんに毎日「そろそろどかしてください」「駐車場紹介します」などの紙を貼られ、軽い掲示板です。
すでにもう「車」では無いのではないだろうか、というのが衆目の一致する所。

大切なものは、大切に。
という教訓。

半鐘泥棒とも言う

2005-08-07 12:45:21 | Weblog
背の高い人への揶揄で、「お月様ん油差し」と言う表現があるそうです。
夜空に輝くお月様、雲で翳ろうものならば、私が油を差しましょう

身長154センチ、小さ過ぎはしないけれど、まあ、小さいと言われるくらいで、便利も不便もありますが、身長に特に不満はありません。
と言いつつこういうステキ表現を聞くと、ミーハーなもんで、お月様に油差してー!背よ伸びろ!
と理不尽なことを思います。
もう伸びないって。

余談ですが、先日母校へ行ったらオープンキャンパスなるものをしていまして、受験を控えた高校生がわんさか居るわけですよ。
中庭で、後輩と一緒に輝かしい若者をじろじろ見ながら、何が我々との決定的な相違点なのだろうか、と考えてみました。
全部だよ、という事実はさておき、二人で出した結論は、「まだまだ背が伸びるポテンシャルが秘められている」ことではなかろうか、と。
まだ牛乳に望みをかけながら飲んでいそうだ!という感じ。
朝目覚めた瞬間にフトンの中でちょっと背筋を伸ばすと背が伸びるらしい、というのを真面目に実行している感じ。
好きな女の子の身長を気にしながら、オレ、まだ成長期だもん、と自分に言い聞かせている感じ。

かーーーー!若え!!!

ヤツらが若い、というより、自分がダメだ、ということがよくわかった。

見立てるという事

2005-08-06 23:47:33 | Weblog
六本木の絵で有名な山口晃さんの画集を見ていたら、「見立て」の絵がありました。
普通の住宅街の道路に佇むと見える、ちょっと大きな家の壁が続く風景。
壁のすぐそばには電柱があり、壁越しには家の上部が覗いています。
普通の路地の壁。

それを遠近法でさらりと線で描き、並べて宇宙戦艦みたいな絵を描いています。
壁が船体で、電信柱がマスト、船室は壁の向こうに覗いていた民家、とても上手い具合に見立てられた絵でしたが、印象に残ったのは画家のコメント。

こういう見立ては子供には簡単だけれども、大人にはとても難しい、という。

確かに、子供の頃は目に見える物体を通して目に見えないものを見る事ができたように思い、はっとさせられました。

記憶に残っているのは私が小学生の低学年だったころ。
うちの親は「勉強しろ」と一言も言わない代わりに、子供を褒める事も滅多にしなかったんですが、お昼ご飯にパスタを食べていて、短く切れたパスタが皿の上に丸まっているのを見て、私が「Bだ」と言いました。
そうしたら母が「そういうモノの見方ができるのは、とても良いね」みたいな、ぶっきらぼうだけど、本当に驚いて褒めたというような言葉をくれました。
本当に嬉しくて、小さかった私は「これはRで、こっちはW」と、必死でアルファベットパスタを皿の上に探したのでした。

今、パスタを食べながらどれだけのモノを見る事ができるのだろうか。
夕飯にきのこのパスタを食べながら、やれやれとビールを飲む週末の夜。

季節外れの秋刀魚の歌

2005-08-06 23:34:08 | Weblog
万札は 私益に消えし 初秋刀魚

井口吾郎さんの「死んだら談志」という回文俳句集に収録されている一句です。
そう、回文俳句。
逆から読んだらくいはんぶいか。
それはさておき、逆から読んでも成立する上に、内容もステキ。一句で二度美味しい名句です。

季節のものを、お金を惜しまず堪能しようと思うことが大切ですよね。
あんまケチると、私のように夏バテになってから夏に気付くことになります。
どうせならスイカ食べたりウナギ食べたり花火見たりして夏に気付きたいもんです。
回文で言うと、ウナギ、ナウ!か。
なんか、自分がかわいそう。

正直万札が飛ぶようなウナギは無理ですが、ちゃんと食べようと思います。