懈怠石

結晶系、屈折率:100、主要産地:東京近郊、つまりそういう日記

会議室の怪

2006-02-08 23:33:02 | Weblog
コーヒーを飲もうと思って給湯室に行った戻り際に、会議室の中にぽつねんと一人で座っている室長と目が合いました。

「おう、元気か?」
1時間前まで一緒に会議してたじゃないですか。
ああ、暇なのね。
打ち合わせの相手が資料を取りに行ったのを待っているのだそうです。
こうして微妙に暇な上司にうっかりつかまりました。

「M先輩(なんつうか、あざとい人)と二人きりで打ち合わせなんて、何か企んでるんじゃないんですか?」
適当に話しを振ったら、
「お前、企みって熟語で何ていうかわかるか?」
とからまれました。
さくっとデスクに戻れば良かったよとほほ。

「権謀術数?」
「ばか、奸計だろ。女が干すんだよ」

そして女編は良くない意味の漢字が多いと言われ、でも好きは女の子って書くじゃないですかとか言い返し、会議室のホワイトボードに色々な女偏の漢字を書きなぐっているところにM先輩が戻って来ました。

「・・・なんか、ボードに怪しいことがいっぱい書かれているけど、何の話し?」

確かに怪しかった。
早々に会議室を出て、なんとはなしに反省しました。
コーヒーはケチらずに買ってこよう。

有頂天ホテル

2006-02-08 23:09:58 | Weblog
先週ですが、三谷幸喜(いつも思うが、とても良い名前ですよね)監督の「THE 有頂天ホテル」を観ました。

いや、もう、感想言うのもおこがましいんですが、良いっす。ステキっす。
「笑い」と「感動」を等しく人に伝えられるって、とても素晴らしい才能だと思います。
私なんかどっちか片方ですら、人に感情をもたらすことなんか到底できません。

笑いのセンスがまた、憎たらしいくらいステキです。
ちょっと毒があってシュールで、とろけるように柔らかい。

映画の前半で、香取慎吾がミュージシャンの夢を諦めて、お守りにしていた怪しい人形を同僚にあげちゃうんですが、まあそれが色々な人の手を経て本人の元に戻るんですよ。それはとても単純な設定なんですが。
その単純な一周の中にすら、とてもステキな演出が込められていて、ひとつのドラマになるんじゃないかと。いや、それは言い過ぎなのか。
まあとにかく、みんなその人形にご利益なんか微塵も感じていないのに、人に手渡す時には必ず「あなたに幸あれ」的な想いを込めて渡していくんです。
人形には何の力もないとわかっているけれど、何か想いを伝えたくて、その媒介としての役割は見事に果たしていて。なんだか人の手にがしっと渡される毎に、そんな想いが蓄積されていくんじゃないか、と、観ている方はなんとなく感じていて。
最後に香取慎吾の手に戻った時は、人形の中には確実に何かがパンパンに詰まっていて。

さて、それが今後彼に幸運をもたらすかなんて誰にもわからないし保証もできやしないけれど、それでも再び人形を掴んだ時に彼は何かを受け取ったし、私も何やら感動とも言える感情を抱いたわけです。

あら、ステキ。

何かを褒めるのは苦手なんですが、それでも一生懸命褒めたい、そんなステキな映画です。

他の作品も観ようと思います。
と思ってもう一週間経ってしまったわけだが。