懈怠石

結晶系、屈折率:100、主要産地:東京近郊、つまりそういう日記

週末の読書

2006-03-19 20:05:51 | Weblog
池澤夏樹の「キップをなくして」と、柳美里の「ゴールドラッシュ」を読みました。
この取り合わせは何なんでしょうね。
たまたま手に取っただけですが。

「キップをなくして」はとても暖かくて良かったです。
夏休みの課題図書にしたい感じ。もうなってるかも。
「ゴールドラッシュ」は人に無責任に薦められない感じ。
手放しに良いと言えないし、良さを説明するのは大変だし、悪くはないけれどそこまで良いとも思えなかったから。

別に比較する必要はないんですが、どちらも主人公の男の子を三人称で「少年」と表現するんですよ。
「キップ」の方は、主人公が自分の名前を口にした瞬間から、彼の呼称は「イタル」という固有名詞になります。
「ゴールドラッシュ」では、主人公の名前はわかっているけれど、ずっと、「少年」という表記。

ゴールドラッシュの、凄く個性的な主人公の、気味の悪い匿名性。
独特の、むせかえるような夏の臭気を連想させる文章が、「少年」の印象とともに記憶にまとわりついてくる。

8人の女たち

2006-03-10 09:05:47 | Weblog
「8人の女たち」を観ました。
すごい久しぶりに部屋でお酒を飲みながら映画を観るという贅沢。

負け犬の遠吠えに、負け犬にならない10か条のひとつにありましたけど。
部屋で一人酒を楽しむのは、もう、負け犬一直線だと。
他にも色々とひっかかるところがあるので、10か条のひとつに引っかかったからといってどうでもないです。どうにもならないです。

映画の話しに戻ると、8人しか登場人物がいない、というより、8人も主役がいる、みたいなお話しなので、多すぎだよ設定覚えられないよと思ってたんですが。
それぞれのキャラがしっかりしていて、かわいい衣装で色分けまでされていて、親切ですね。
ちゃんとわかりました。
グリーナウェイのコックと泥棒くらい凝ってるとさらに良かったんですけど。

主役の前髪パッツン娘がとてもかわいらしくて、ピンクの上下がおしゃれ。

というわけで、なんか良かった。

舞台公演もやってたみたいだけど、妹役がソニンなんですよね。
なんとなく、ああ、ソニンの妹役はミスキャストな気がするけど、意外とはまってるかもなあ、と。