懈怠石

結晶系、屈折率:100、主要産地:東京近郊、つまりそういう日記

深夜の大江戸線で

2010-05-30 19:06:45 | Weblog
先日、驚いたことに、電車で男子に声をかけられました。
恐縮です!

終電間際の空いている時間帯。
本を読んでいたら、かるーいノリの若者が
隣に座って声かけてきたんですけどね。

「何読んでるの?おうごんたびかぜ!俺も読んだよー」

その本のタイトルは「黄金旅風」。
「おうごんりょふう」と読みます。

なんか、マンガみたいだなあと、ほほえましい気分になりました。

ちなみにその彼は沖縄出身の25歳で
「本が好き」で、好きな本は「スラムダンク」でした。

なんか、ほほえましいなあ。

川の底から再び

2010-05-18 13:52:55 | Weblog
「川の底からこんにちは」を観たという上司を発見しました。
ふたりで感想を言い合い、誉めちぎり合い、
周囲にいたスタッフに無理やり薦め合いました。

「ところで、僕の隣に若いカップルが座っていたのだけれど・・・」

と、語り始めた上司の話し。

その学生らしき若いカップルは通路側に座っていたので
映画が終わると、上司の前を彼らが歩くわけです。
後ろから見ると、彼女がハンカチで目を押さえています。
肩が震えてます。つうか、泣いてます。
そこまで感動したのか・・・若いってすごいな・・・
と思った矢先。彼女は言いました。
「男も女もあんなカンタンに浮気するなんて、
 こんな酷い映画、観たことないよ・・・!!」
・・・悲しくて泣いていたらしい。

彼氏はオロオロしながらごめんねと謝ったそうです。
まあ、謝るしかないよなあ。この映画の良さを説明しても無駄だし。

さて、ユーロスペースといえば。
東京が誇る渋谷丸山町ラブホ街の只中にあるサブカル系映画館。
ちょっぴり際どい映画や、いろんなニュアンス漂う作品も数多く上映。
映画鑑賞後、街の深奥に消えゆくカップル多数。

そーいう場所です。

彼女に言いたい。
ユーロスペース夜の部に来て、夢見てんじゃねえ!!

ああでもちょっとうらやましいなあ。
結局、ユーロスペース出て右手に向かったんだろうなあ。
(ちなみに左に向かえば駅だ)

川の底からこんにちは

2010-05-13 16:12:55 | Weblog
数年ぶりにユーロスペースに行きました。
しかも立て続けに2回。
しかも満島ひかり主演作を2連チャンで。

どんだけ好きなんだよ。

いや、特にそういうつもりで行ったのではないんですが、
「川の底からこんにちは」を観て、すっごい好きになった。

脚本も演出もすごく良かったけど、(石井裕也監督は26歳!若い!)
やはり満島ひかりが良かった!
なんか、スクリーンの向こう側に生々しい世界が広がってた。
クライマックスで啖呵切るとこなんか、
目え剥いてるし唾とんでるし声割れてるんですが
そして、敢えて言ってしまうと、大したこと言ってないんですが
(ダメ女の開き直りだ)すごくいいんです。
カンタンな言葉たちだけど、並びとか、リズムとか、あとなんだろ、
とにかくちょっとしたものたちがピッタリはまって、すごくいい感じ。

日常の会話の掛け合いも最高です。監督の才能でしょうね。
投げ合うセリフのひとつひとつが、ちゃんと繋がってるんですよね。
映画によくある、そらぞらしいキャッチボールではないというか。
主人公の肝になるセリフは「しょうがない」と「がんばる」です。
って、文字で見るだけだと、まるでヒネリが無い!のだけど
ちゃんと生きてるんですよ。会話の中で。

とにかく!良かった!良い映画でしたっ!!

ちなみにもう一本は、「カケラ」ですが、こっちは全然ダメ。
満島ひかりを脱がせりゃいい。吐かせりゃいい。みたいな使い方。
体当たり女優と勘違いしてます。
監督は若い女性で、結構有名な監督の娘だった気がしますが(調べる気もしない)
今後、がんばっていただければ。

世界一サービスが悪いエアライン

2010-05-11 17:06:25 | Weblog
ここ半年で、数回、飛行機で出張に行く機会があったのですが。
国内線だから機内食が出ないのは昔からだと思うのだけど、
最近、なんというか、侘びしくなってませんか?
機内サービス。

以前は、お茶うけにちゃんとした焼き菓子とか、お酒とつまみとか、
こどもにはオモチャとかが出ていた気がするんですが。

とはいえ、国内線の記憶というと7,8年前の学生旅行だから
観光的サービスだったのか、
もしくは私の記憶が妄想にシフトしているかだ。

ところで、そんなサービスの対極にある
格安エアラインがあるらしい。
アイルランドの航空会社で、ライアンエアと言います。
パリ-ロンドンが最安で約160円!
大江戸線の初乗りより安い!

モチロンさまざまなコストカットと、客単価を上げるための工夫をしています。
機内サービスは水から機内食まで有料、とかね。
全席自由席だから、好きな席に座りたい人々には優先搭乗券を販売する、とかね。
立ち乗りエリアをつくる、とかね。
トイレは有料、とかね。

いやいやちょっと待て。
飛行機の立ち乗りはやりすぎだろ!160円より安いのか?
ていうかトイレ有料って!!

さすがにトイレ有料までやってないみたいですが、
モットーは(公式ではなかろうが、その精神は感じます)
格安なのだから、サービスがそれなりなのは当然。クレームがきてもかまわない。

なんだかんだ言いましたけど、学生のころに知ってたら
多分チャレンジしてたと思う。

教訓の無い故事ってあるのかな

2010-05-09 19:55:23 | Weblog
イカを烏賊と書くのは、
水面に浮いているイカを死んでいると勘違いして
舞い降りたカラスを、逆に足で絡め取って食べてしまうから。
烏(カラス)の賊と書いて、烏賊。

という話しを聞いて、
イカってカラス食うの!?もうイカ刺し食えねえ!!
とか思っていたら、中国の古書『南越志』に出てくるお話しなんだそうな。
漢字って、フィクションの物語に由来しすぎだと思う。
せめて教訓でもあれば「故事」とか言えてかっこいいのだが。

まあ、実際にカラス食べてるわけじゃないって
冷静に考えれば、そりゃそうですよね。
体積的にムリ!

とはいえ、けっこう前に羊を丸飲みして動けなくなったヘビが
人間に捕獲されちゃったていうニュースありましたね。
なんか、イソップ童話みたいな実話だ。

アホウドリの呼び名いろいろ

2010-05-08 23:17:19 | Weblog
飯島和一の「始祖鳥記」を読んでいたところ、
アホウドリのことを沖太夫(おきのたいふ)と呼んでいました。
大きな体や翼に似合わず、羽ばたきもせずに悠然と空を飛ぶ姿が
沖の太夫と呼ぶに相応しいとのことで、なるほどなあと納得。

とはいえ。
「おきのたいふ」(もしくは「おきのたゆう」)の当て字は
「信天翁」がメジャーみたいです。
よ、読めないよー

中国でアホウドリを信天翁と呼ぶらしく、
それは、アホウドリが海に潜って魚を捕まえるのが苦手で、
雁が獲った魚をうっかり落とすのを待っていたことから
天を信じて待つ的な意味なのだとかそうなのだとかそうでもないのだとか。
曖昧で申し訳ない。

ともあれ、アホウドリの漢字は
「沖太夫」よりも「信天翁」の方が一般的みたいです。
なんとなく故事っぽいものがあるから?
なんとなく字面がカッコいいから?

私としては沖太夫の方が、色っぽいイメージがなきにしもあらずで
好きなんですけど。

あと、「アルバトロス」とも言います。
ゴルフで使う用語らしいですが、まったく興味無いので割愛。

余談もいいとこですが、オットセイは「膃肭臍」とも書きます。
ペニスの意味だとかヘソの意味だとか、
何はともあれ、それはオットセイから作られる強壮剤の名前であり、
そのまま生物名になっちゃったということらしい。

それよりは・・・とか思ったり思わなかったり。

ボン・マルシェ日記

2010-05-07 22:05:28 | Weblog
ボン・マルシェの手帖ってご存知でしょうか?
ボン・マルシェはパリにある、世界初と言われている老舗デパートで、
ショッピングを初めてエンタメにしたデパートとも言われています。

余談ですが、当時、デパートでは上流階級の婦人による「万引き」も多発したのだとか。
安い店とか小さな店とかでは何も感じない。お金だって持ってる。
ただ、デパートに来ると「物欲」を刺激される快感でムラムラっときちゃうみたいです。

それはさておき。
ボン・マルシェは広報活動も当初から盛んで、
バーゲン情報や季節ごとの催事が書き込まれたスケジュール手帖を
顧客に配布していたそうです。

で、それを日記とメモに使っていたのが詩人の中原中也で、
その手帖が「ボン・マルシェ日記」と呼ばれています。
晩年の彼の生活を知るための貴重な資料だそうな。

もいっちょ余談で。
作家の林芙美子もボン・マルシェの手帖を使っていたらしいけれど、
こちらは育児だか家計簿だか実用的なメモに使われていたので
あんまし話題に上らないみたいです。それはそれで見てみたいけどな。

ちなみに私の手帳は、汚い。
打ち合わせの時間や、やらなきゃいけないこと、
読了した本のタイトルとか、全部ギッチリ書きこみます。
重要な項目はグリグリっと囲むし
終わって清々したことはこれでもかって勢いで塗りつぶすので
本当に汚いのです。真っ黒。
しかも、汚いのは平日のみ。週末は真っ白。
そのコントラストが、また、切ないデスネ。

で。使っているのは、社から毎年支給されている地味な手帳です。
年々、紙質が悪くなっているのが気になります。
ボーナスの減少よりも不景気を実感します。

去年から使いやすい手帖を探しているものの、
あまりピンと来るものに出合えなくて、未だに会社の手帖を使ってる次第。
モールスキンを知人に勧められているのですが、
語学に疎いので曜日すら読めず、まったく使いこなせる気がしません。
やっぱフランス語ペラペラの中原中也はすごいですね。
フランスに行ったことはないらしいが。

そういえば、どこでボン・マルシェの手帖を手に入れたんだろう・・・