バーとホテルと農業と…           ほんまはテレビ

東京から徳島の山奥へ移住したテレビディレクターの田舎暮らしドキュメント。毎日なんやかんややっとることの記録です。

やるべき仕事

2009年12月16日 21時58分20秒 | 日記
明日12月17日(木)深夜24時08分から
「傍聴マニア09」第9話が放送になります。
最終回に向かって3人の活計が急展開。
お楽しみください。




昨夜、NHKの「たった一人の反乱」という番組を見ました。

主人公は全国犯罪被害者の会代表幹事の岡村勲さん。
岡村さんは山一證券の顧問弁護士でした。
1997年、山一證券の資金運用で損害をこうむったある男が、
岡村さんの家を訪れ奥さんを殺害します。
この日を境に犯罪被害者となった岡村さんは法廷の傍聴席に座り、
司法がいかに遺族の気持ちを無視しているか感じるようになります。
法律家としてではなく、愛する妻を失った一人の男として司法に怒りを感じます。
岡村さんは妻の遺影の前で、自分の手で司法を変えると心に決めます。
そして、光市母子殺害事件の遺族、本村洋さんらと共に全国犯罪被害者の会を設立。
その努力が実り、2004年に犯罪被害者等基本法が作られることになったのです。

壮絶な事件と岡村さんの苦悩にドキドキし、
法廷シーンでは傍聴マニアとしてテレビにかじり付くように見ていました。
…でも、浮かれた気分は一瞬にして吹き飛ばされました。

この番組では所々で、岡村勲さん本人のインタビューが出てきます。
その表情、その言葉の重み、本人だけが伝えられる想い。
脳天を打ち抜かれるような衝撃を感じました。

「事件が起こっていなかったら、この運動はしていましたか?」
という問いに、岡村さんはこう答えます。
「してません。絶対に。たぶんのんきに旅行とかしてたでしょう…」

それが、本当は岡村さんのしたかったことだったのかもしれません。
最愛の妻を失うことで与えられた使命。
それを成し遂げた今も、岡村さんの悲しみは癒されていません。





自分のやるべき仕事は何なのか?
それを求めて僕は悩んだり、迷ったりしてきました。
焦ったり、イラついたりしてきました。
でも「やるべき仕事」は、「やりたい仕事」ではないのかも知れません。

人が僕に求めること、周囲が僕に求めること、
そんな周囲の声に耳を傾ければ、自然に見えてくることなのかも知れません。
自分の感情は後回しにして、人の気持ちを大切に出来る人間になりたい。
番組を見てそんなことを思いました。




この番組を作ったのは時空警察を共に制作した小林正樹監督。
プロデューサーは怨み屋本舗でも一緒だった千葉P。
更に、野田刑事ことマイク・ハンも出演していました。
(今年の稲刈りを手伝ってくれた二人です)

素晴らしい番組をありがとうございました。








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