牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

1月25日(金) 「統率者の哲学④」 ジョン・マクスウェル著

2013-01-25 08:01:25 | 日記

 第10の法則は、「絆の法則」である。本からの引用。「リーダは人の手を借りる前に、人の心に触れる。結果を出すリーダーは、手を貸してくれと頼む前に、まず人々の心に触れることが必要であることを知っています。これが「絆の法則」です。偉大なスピーカーたちは、一人残らずこの原則を悟っており、ほとんど本能的にこれを実行します。人々の感情を動かさない限り、人々を行動へと駆り立てることはできません。頭よりも心が先なのです。、、、、「絆の法則」を守り成功しているリーダーは必ず自分から部下に声をかけています。まず自分が声をかけてキッカケを作り、それを継続させることで人間関係を作り上げるのです。簡単なことではありませんが、会社を成功させるためには重要なことです。どんなにたくさんの艱難があったとしても、これはリーダーのやる仕事なのです。、、、、、陳腐に聞こえるかもしれませんが真理はこうです。『人というのはリーダーが自分のことをどれだけ思ってくれるかが分かるまでは、リーダーがどれだけ教えと知識に富んでいても聞く耳を持たないものだ』ということです。リーダーが部下と必要な絆を作っていくと、会社の動きにそれが現れてきます。従業員の中に驚く程の忠誠心が生まれ、仕事に対する真剣さは飛躍的に向上します。リーダーの持つビジョンが、そこで働く人々の抱負へと変わるのです。このインパクトは信じられないほどのものがあります。、、、、あなた自身と、あなたがリーダーとなって導く人々の間に強い絆を作ることを決して軽んじてはいけません。昔の諺にもありますね。自分を導くなら頭を使え、他人を導くなら心を使え、と。これが「絆の法則」の性質です。手を貸してくれと頼む前に、その人の心に触れることなのです。」


 第11の法則は、「腹心の資質の法則」。本からの引用。「リーダーの可能性は、一番近い人々の質によって決まる。どんなリーダーでもその可能性は自分の最も近い人たちによって決まります。これら腹心となる人たちがしっかりしていれば、リーダーが組織に対して大きなインパクトを与えることを可能としますが、取り巻きの者が弱体だったら、そういう訳にはいかないのです。これが「腹心の資質の法則」です。適切なスタッフが適材適所に配置されていれば、可能性は天井知らずなのです。

 「最も理想的な状況は、リーダーは自分の組織内部から資質のある腹心となれる人材を育てる努力をしなければなりません。、、、、、さて皆さんは、自分の会社の中で最も時間と労力を注ぐべきなのはどういう人材だろうと考えていらっしゃるかもしれません。腹心に取り込むべきなのは次の五つのタイプです。このような人材であなたの取り巻きを固めれば、あなた個人にも、あなたの組織にも計り知れない価値をもたらすことができます。」
 (1)自分が育てることのできるポテンシャルのある人材
 (2)組織の士気を高めてくれるポジティブな人材
 (3)リーダーを励ますパーソナルな人材
 (4)他の人たちを励ます生産的な人材
 (5)リーダーを作り出す実績のあるリーダー的人材

 最後にこのように書いています。「、、、、そしてもちろん、親友であるジム・ドーナン氏や私の兄であるラリー・マクスウェル氏、世界で一番の大親友である妻のマーガレットも決して忘れられない、私にとって貴重な存在です。、、、最高の人間で周りを固める、それこそが成功する秘訣なのです。これが、「腹心の資質の法則」です。」


 第12の法則は、「権限委譲の法則」。本からの引用。「自信のある、心の安泰なリーダーだけが、他の者へ権力を分け与えられる。成功するリーダーになりたいならば、不安なく権限を分け与えられる人間になることです。セオドア・ルーズベルト大統領はこのことを良く分かっていました。彼はこう述べています。「ベストの最高責任者とは、行なおうとすることを達成できる人材を発掘する能力があり、しかも彼らの仕事をいちいち干渉せずにいられる器の大きさがある人のことをいう。」 」

 著者は権限委譲を阻む要因を3つあげています。
 (1)自分の地位を守ろうとする保身の心
 (2)変化に抵抗する心
 (3)自己の存在価値の低下を恐れる心

 続いて本からの引用。「偉大なことというのは自分の功績を自ら進んで部下に分け与える時にのみ起こりうる。アメリカで最も偉大なリーダーの一人だった人物は、他者に権限を与えることにかけては特に優れた才能がありました。その人物の名はアブラハム・リンカーンでした。リンカーンの伝記作者の一人は、彼のやり方についてこう述べています。「大統領が政治的なライバルを一人くらい自身の閣僚に迎え入れることは前例がなくはないが、リンカーンが大統領に当選したことを快く思わない政敵の輩を意図的に多数起用して、自分の大統領府を固めたのは自殺行為に見える。しかしこれは、リンカーンが自分と同等か、もしくは更に強い人間からのアドバイスを誠実に聞こうとした行動の現れである。つまりリンカーンはそれらの人間から打ちのめされたり、リーダーの地位を乗っ取られたりする恐れを全く持たず、自分のリーダーシップについて静かな自信、また、人を信頼する純真さを持ち合わせていたと考えられるのである。」 リンカーンは「権威委譲の法則」そのものを生きた人でした。彼の安泰な心の中の自信が、他の者に多くの権限を分け与えることを可能にしたのです。、、、、権限委譲のカギは、権限を与えた人物に大きな信用を置くことです。」


 リンカーンの器の大きさにとても驚かされる。「権威分与的リーダーシップ」は、『自然に成長する教会』の特質の一つであったことを思い出す。権限を委譲できる(人を信用できる)人物としての心の安泰さを持つことが出発点であろう。そして自分の周り(今は家族だけだが)との関係を強めて更に一致してビジョンを共有し、彼らの質を高めることが次の段階、というか同時並行でしていくこと。ここまでが教会開拓の前までにすることである。それを土台にして集まってきた人たちと絆を結んでいくことが教会開拓の働きになる。