牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

1月12日(土) 「ウォルマート」 ボブ・オルテガ著  日経BP社

2013-01-12 09:09:22 | 日記

 本書の副題は、「世界最強流通業の光と影」。著者はジャーナリストだ。本からの引用。「実のところ、基本的信条はもっと単純だ。最低価格で提供すること。経費は骨の髄の随まで削り、さらに削り続けること。そうすれば最低価格で商品を提供できる。より高額で売るのではなく、より多くの商品を売ることで利益を上げること。それだけだ。顧客満足という名の掟の前に立つものはない。汝、最低価格で提供すべし。他のことはすべて、そこから生じた。、、、、、サム・ウォルトンは、以前、自分の会社が社会に果たした最大の貢献は、商品を低価格で提供することにより、人々がこの何年間で数十億ドルもの倹約ができたこと、その結果、実質上、人々の生活水準を引き上げる助けにもなったことだと語っている。しかし、時として、低価格には他の代償が含まれている。時には、隠された割増金があるのだ。」

 島田陽介著「ウォルマートは本当に脅威か」の主張と少し違うような気もする。彼はウォルマートの「安さ」は一番の成功の秘訣ではないと書いていた。しかし、著者はウォルマートの真髄は「安さ」であるとしている。


 続いて本からの引用。「彼(ウォルトン)は、絶えずいろいろな店を見て回ったことから、優れたディスカウントストアは同じ戦略を軸にしていることを知った。名のあるヘルスケア用品や化粧品を積み上げ、原価で売ること。いくらでも仕入れようと、そのままの値で売り払ってしまうのだ。そのような特売品は大々的に宣伝され、客を惹きつけることになる。一度店内に入れば、その客たちは他の商品も大量に買って行き、値段は安いながら、粗利益率は30%以上に上った。」
 
 「重要なのはこの一点だった。「顧客にウォルマートでは安い価格と満足が保証されているという概念を植え付けることだ。顧客はウォルマートほど安い店は他にないという確信を持つようになり、気に入らない場合は商品を返せるという安心感も得ることになる。」、、、、、他の商品に関してもウォルトンは、たとえもっと高い利益率が可能な時でも、そして希望小売価格よりもずっと安くても、30%の利益率に固執した。もし良い取引ができたら、その分価格に反映させるようにと、マネージャーたちに命じていた。長い目で見れば、ウォルマートはどこよりも安いという概念を植え付けることが、売上の増大につながるからだった。」

 現在はどうかよく分からないが、少なくともウォルマートの初期は徹底して安さを追求していたようだ。

 
 本からの引用。「ウォルトンは、「埋め尽くし戦略」は経費の節約にもなると見ていた。店同士を近所に作ることにより、ウォルマートの名前が知れ渡るようになる。そうなると、新店オープンの広告を最初に大々的に打った後は、それほど宣伝する必要がなくなる。」

 ウォルマートは大きい都市ではなく小さい町をターゲットにしている。理由は強い競争相手がいないことだ。ターゲットにした小さい町で多くの店を出していき、他の店を囲い込んで他を圧倒していくという戦略である。また店同士を近くすることにより経費を抑えることができる。どのように経費を節約するかを考えることは経営者としてとても大切である。今年新しく札幌のホームセンター内でしようとしている直売所は私たちの場所から距離がありコスト(運賃)がかかる。どうせ札幌でやるなら一箇所ではなく数箇所でやることも検討中だ。そのことによってコストを抑えることができるであろう。運賃料に加えてホームセンターに支払う手数料(場所代)がある。それは参入している直売所にも言える。地元のホームセンター内でも直売所をしているが、規模がとても小さい。実質私たちがしている直売は出張直売の形だ。売上が伸び規模が大きくなってきているのだが、コスト面(運送代と手数料、人件費)で課題がある。そこで先日家族で話し合った結果、地元で私たち独自の直売所を持つことができないかと検討しているところだ。ぜひ地元(今の私たちの農場の近く)で土地を買って直売所をしてみたい。そうすれば初期投資として土地代などのお金はかかるが、長い目で見れば運送代と手数料がかからずコストをおさえることができ、(札幌などと違い本当に強い競争相手がいないと思うので)儲けが出る地元に密着した直売所となることができるのではないか。将来的には第二、第三の店舗を持つことができればと思っている。まずはぜひ土地を買いたい。買うことができれば第三農場(第一の私たち自身の直売所、生産面も期待できる)となる(私たちが昨年購入した土地が第二農場、ここでも直売所を開くことができれば面白いと思う)。