牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

1月2日(水) 「自然に成長する教会②」 クリスチャン・シュヴァルツ著

2013-01-02 07:59:13 | 日記

 著者は本書で教会成長について論じているが、その方法はある成長している一つの教会をモデルにするのではなく、多くの教会を調査した結果としての原則を参考にすることを勧めている。彼は世界規模で1994年から1996年にかけて教会調査を行った。科学的に分析して成長している教会に共通している8つの質的特徴を見つけ出し紹介している。以下の通りである。

 1.権威分与的リーダーシップ   教会のリーダーたちは、教会の大部分の責任をこなすよりも、むしろ自分の主要な時間を弟子訓練、委任、増殖のために費やしている。
 2.賜物に基づいたミニストリー  教会員の奉仕の働きがそれぞれの賜物に合っている。
 3.霊的な熱心さ         教会員が自分の教会のことに熱心である。
 4.機能的組織構造        教会にそれぞれのミニストリー部門における個々のリーダーがいる。
 5.生き生きとした賛美と礼拝   教会員にとって礼拝に出席することが生き生きとした経験となり、教会に行くことが楽しい。
 6.多機能的小グループ      小グループで個人的な自分の問題を話し合うことができる。小グループの増殖を意識的に進めている。
 7.ニーズ志向的伝道       教会員たちがすでに持っている人間関係を大切にして、伝道に用いている。
 8.愛にあふれる関係       教会に笑い声があふれている。


 著者は8つの質的特徴を挙げて説明した後、このように書いている。「この調査によって、教会成長をもたらす決定的な要因は存在しないことが分かった。つまり教会成長は、8つの要素すべての相互作用によって起こるのである。、、、、、この8つの質的要素の調和のとれた相互作用こそが唯一の鍵なのである。」 

 量的成長に関してこのように著者は言っている。100人以下(ミニチャーチ)の教会(平均51人)は過去5年間で32人の新しい人々を獲得した。成長率は38%である。一方1,00人以上(メガチャーチ)の教会(平均2,856人)は過去5年間で112人の新しい人々を獲得した。成長率は4%である。本からの引用。「一つのメガチャーチは一つのミニチャーチよりも多くの人々を獲得していた。しかし、メガチャーチはミニチャーチの56倍の大きさであることを考慮しつつ、次のような計算をすると、この二つのカテゴリーの可能性について更に明らかになる。礼拝出席者2、856人の教会が一つある代わりに、51人の教会が56教会あるとしよう。するとこの56の教会は5年間のうちに1、792人の新しい人々を獲得するに違いない。これは一つのメガチャーチが獲得できる数の16倍である。従って、ミニチャーチは伝道において、統計上メガチャーチよりも1、600%も大きな効果を持っていることになる。」 だからメガチャーチが必ずしも「良い」教会ではないと指摘している。

 教会開拓の前に、8つの質的特徴をよく考慮して、教会をスタートしていきたい。