牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

1月4日(金) 「自然に成長する教会④」 クリスチャン・シュヴァルツ著

2013-01-04 07:34:09 | 日記

 「自然に成長する教会」を読み終えた。第4章は「新しいパラダイム」で、第5章は「10の実践段階」。

 著者は人間的に可能なことと不可能なことの両方を述べてきたが、第4章で新しいパラダイムへシフトするように勧めている。第4章からの引用。「私たちはパウロの逆説的と言えない言葉を引用できる。それは神の介入と人間の関わりに関してパウロが述べている箇所である。「私は植えて、アポロが水を注ぎました。しかし、成長させたのは神です。」(コリント人への手紙第一 3章6節) 農夫の皆が知っていることがこのみことばに明白にされている。誰かが植えて、水を注ぎ、刈り取りをする。しかし、人にできないのは成長させることである。それでも熱心に植え、水をやることは来たるべき収穫に影響を及ぼすのである。教会の量的成長を「作り出す」ことは不可能である。教会の組織的側面と神の原則との調和を確実にするために、努力とエネルギーが注ぎ込まれるべきである。そうすれば、有機的な側面は妨げられることなく、健康に成長できるのである。これが「自然に成長する教会」の戦略的アプローチを最も明確に表わしている。」

 種にいのちがあるように、聖書のことばにはいのちがある。種が蒔かれれば芽が出て、実が結ばれる。同じようにみことばが語られれば福音が人々に届き、人々の人生が変えられる。成長させるのは神様にしかできない。その成長が豊かになるために農夫がやるべきがことがあり、牧師と教会がやるべきことがある。成長させようとするのではなく、成長するための環境を作ることに私は農夫としても牧師としても専念しなければならないだろう。そうすれば自ずと神様がいのちの自然法則によって成長させてくださるであろう。


 第5章は適用である。第5章からの引用。「これまでの4章において、教会成長のためにできること、またすべきこと、そして神の領域のゆえに私たちにできないことを見てきた。次に述べる10段階は私たちがなすべきこと、すなわち人間の領域を示している。」 以下が10の実践段階である。

 第1段階:霊的な雰囲気を作る        本からの引用。「もし教会がこの土台を持たないならば、これから説明しようとする後の9段階はほとんど意味がない。」
 第2段階:弱点となる要因の発見       8つの質的特徴のうちどの領域が最も弱いか。 
 第3段階:質的目標の設定          質的目標の例(リーダーシップ):今年の終わりまでに、牧師が信徒の働き人を訓練するために、日頃の20%の働きの時間をこのことに使うようにする。
 第4段階:障害となるものの確認
 第5段階:自然法則の適用
 第6段階:長所を活かす           本からの引用。「自然な教会成長のモットーは、弱点を開発するために長所を用いよ、である」
 第7段階:自然法則の資料の活用   
 第8段階:効果のチェック          1年後の変化を確認する。
 第9段階:新しい弱点要因への積極的対応
第10段階:教会の増殖

 本(第10段階)からの引用。「教会成長コンサルタントのロバート・ローガンは教会の始まりを4つの段階で表している。増殖期、受胎期、出生前期、誕生期である。この4つのそれぞれの段階において、8つの質的特徴の開発を、適切な方法で促進することが重要である。それでは「出生前期」という第1段階を詳しく見ていこう。増殖期と受胎期という段階で、新しい教会の立案がなされる。つまり、8つの分野の具体的な実現に向けてのマスタープランが開発されていく。出生前期において教会開拓チームが、8つの質的特徴を実践する。通常、次のようなパターンで進展していく。リーダーチーム(質的特徴1)から始まり、次に彼らがふさわしい副リーダーを募る(質的特徴2)。スタート時点から一人ひとりが霊的熱心さを持っている(質的特徴3)。スタートを共にしたメンバーの間で、密接な人間関係を築き上げる(質的特徴8)。これは最初から小グループ(質的特徴6)のかたちで起こっていく。最初の段階においても、クリスチャンは自分の信仰を隠さないよう、また自分にあった伝道のやり方を見つけ出すように心がける(質的特徴7)。新しい教会の胎児期のかたちが現れ始める(質的特徴4)。そしてついに出生前期から誕生期への移行が、最初の合同礼拝によって知らされる(質的特徴5)。ある教会が最初の公の礼拝を捧げる時、私たちはそこに新しい教会が誕生したというのである。」

 この適用方法はとても具体的なので非常に参考になった。この順番で教会開拓の準備を実際的にしていきたいと思った。