2015年7月の読書メーター
読んだ本の数:20冊
読んだページ数:6311ページ
ナイス数:96ナイス
水の城―いまだ落城せず 新装版 (祥伝社文庫)の感想
大河ドラマやると出版社や書店が便乗して同人物をクローズアップした本を出したりするけど、本書もそんな感じなのかしら。ただし出版されたのは本書の方が先なんで、映画化もされた某作品に合わせて新装版で出し直したってとこか。内容はのぼうほどエンターテイメントではなく、あくまで時代小説といった感じで、最近の自由気ままな芸風ほどではないけど、それでも風野節を感じさせる飄逸さは健在。ただ忍城攻防戦がメインの群像描写て感じなので、主人公のはずの長親のキャラ立ちやクローズアップは弱いのかもしれない。その意味でちょっと散漫か。
読了日:7月3日 著者:風野真知雄
若殿八方破れ 萩の逃れ路 (徳間文庫)の感想
この全裸で鼻くそほじりながらぶらぶらしててもゴルゴですら殺せない真田の守護神(作者の主人公補正)への絶対的な安心感を持った無茶っぷりは大概どうなのか。急ぎの旅と知りつつ常に厄介事に首を突っ込み、その度江戸で待つ病身の二人に思いを馳せつつ時に自分の将来への誇大な妄想に耽り、そして許嫁の妹にほっこりするという、客観的に見ればバカそのものなんだけど、不思議な若殿威光で何もかもうまく運ぶという、今回は他藩の藩主にもその牙を剥くw 正義の味方すぎるだろwと思ってたところで今巻は次巻への引きがクリフハンガー。
読了日:7月4日 著者:鈴木英治
岡山の闇烏: 若殿八方破れ (徳間文庫)の感想
自分の力不足を感じる。あの時自分がもっとしっかりしていれば慙愧の念に堪えん。私もです。つってブチューとか頭おかしいのかw こう色々理想的君主とか妄想してる割には、色々自分中心に回りすぎてるんだよね。俺は口が堅い方だとか。今までどんだけ自分の正体晒して来たよw 何かの性格破綻者か人格障害なのかもしれない。大英雄や大悪人も人格障害者だというから、ある種突き抜けた人物というのはこんなものなのかも、と思わないこともない…ねぇよw スーパー忍者に担いでもらって城侵入&ロクに見えないのに斬人無双とかもう無茶苦茶やw
読了日:7月8日 著者:鈴木英治
手習重兵衛 闇討ち斬 (中公文庫)の感想
シリース1巻から何の説明もなくおまけに視点転換が多くて、鈴木テイストに慣れたとは言えやっぱちょっととっつきにくさは感じるかなぁ。物語がある程度進んじゃうと話もキャラも面白いからまぁ関係なくはなるんだけど。大雑把な作りではあるけど、若殿とか用心棒みたくひでぇなwってほど杜撰さは感じない。ミステリとしての体裁が視点転換多用の叙述トリックに近いので、最後まで関係者の繋がりが見え切らないのがこの話のキモかしら。つか、思わせぶりに展開しといて重兵衛の素性とかそのまま保留ってのはどうなのか。
読了日:7月10日 著者:鈴木英治
手習重兵衛 梵鐘 (中公文庫)の感想
シリーズ2巻でこの構成はないだろう。キャラ立ちも何もほとんどされないままいきなりサブキャラメインのエピソードとかどうなのか。せめてもうちょっとシリーズが進行してから番外編的な扱いとしてやるべきだと思う。話はまぁ面白いんだけど、こーゆー丁寧さに欠けるアレな部分が鈴木作品は時々引っかかるんだよね。このシリーズはメインのはずの重兵衛があんまし活躍しないのもナニかなぁ。その分、他シリーズではあまりお目にかからないタイプのボンクラ同心・河上惣三郎の切れ方が光ってるねw
読了日:7月10日 著者:鈴木英治
大名やくざ3 征夷大将軍を脅す (幻冬舎時代小説文庫)の感想
痛快ヤクザ戦法の成り上がり快進撃w 遺恨の独眼竜も今巻にて決着。唯一の黒星はVS二升太夫戦のみだけど、負けることで逆にガッツが出て来るタイプなようで、流れ的には最終的にはがっつり落としちゃうのかな。身の上ネタがいい方向に転がればって感じだけどさてどうなるのか。当面の敵役だった独眼竜も消えて向かう所敵なし感もあるけど、ラスボスみたいなのはやっぱり欲しい。国許派の首魁に歴代の国家老の黒幕とかなのかな。あと、ちょい役で栗田と椀田が登場したのが、ちょっと面白かったけど、まだ根岸も生まれてないからご先祖なのかもねw
読了日:7月11日 著者:風野真知雄
東海道五十三次殺人事件 歴史探偵・月村弘平の事件簿 (ジョイ・ノベルス)の感想
出来そのものはシリーズ2巻目の方がこなれててよかったのかも。現代ものというか、風野節が現代的な価値観の動機や犯人像にうまくマッチしてない感があったような。事件そのものが無理やり入れたキーワードに強引に合致させたみたいなちぐはぐさを感じた。これが多分いつもの時代劇ならそんなにあれぇ?感もなかったような気はする。決して詰まらないワケじゃないんだけど、例えば赤川次郎的なラインでやるのだとしたら、もう少しキャラとか現代的アイデアのこなし方に工夫が必要なのかも。3巻仮に出るなら期待はしたいけど厳しいのかな。
読了日:7月12日 著者:風野真知雄
運命のひと姫は、三十一 (6) (角川文庫)の感想
シリーズ根幹のモテ期が単なる勘違いだったのが分かって以降、次々と男離れが進み遂に今巻で最有力候補と目されてた護衛の岡田も清湖姫から離れていくと。謎解きはまぁいつもの感じだけど、妻は~の時みたく後半は平戸藩静山絡みの対幕府とのきな臭い陰謀的なのの流れになっちゃうのかなぁ。まーあんましソコは関係なく話の決着はつきそうだけど。
読了日:7月13日 著者:風野真知雄
隠密 味見方同心(一) くじらの姿焼き騒動 (講談社文庫)の感想
あーこれは先に2巻読むんじゃなかったなーw 若様の竜之助みたいな主人公が新しく抜擢された面白部署で活躍。仕事が出来、ワイフとの仲もよく、部屋住みでしょんぼりな弟への配慮も欠かさずないい男が風野節のおかしな謎を解き明かす痛快捕物帳だったのに、この引きはなぁって。これはこのまま進んでもそれなりに面白そうだったけど、この展開にした方がさらに話は面白くなるんだろうなぁ。しかし、主人公もかわいそうだけど、ワイフもなんか救われて欲しいね。こんだけ円満だったのだから、やっぱり引継ぎはない方がいいかなぁ。
読了日:7月14日 著者:風野真知雄
切開 表御番医師診療禄1 (角川文庫)の感想
しかし上田さんは堀田正俊殿中刺殺事件が大好きだな!上田諸作品でもう何回も繰り返されてるネタで、この場合コレから読み始めるひとがメインで書かれてるから、他作品で語られてる部分とどんだけ被ろうと、この謎がメインっぽい本作では仕方ないんだろうけど、それにしても正直食傷気味と言わざるを得ないw そして例によって状況に流されるままの主人公。キャラの立ち位置やら時代・状況とまぁ流石にそういう部分の説明も「例に拠って」感があるから、もっと早く動かねぇかなという感じが強かった。今回は子供がいての武家の家長というのが新鮮。
読了日:7月15日 著者:上田秀人
手習重兵衛 暁闇 (中公文庫)の感想
今巻でようやく重兵衛の過去が明かされて色々納得がいった感じ。やっぱ前の梵鐘はこれの後に出すべきだったんじゃないかな。まーそしちゃうと今巻で登場しない紋兵衛とか忘れちゃってるし、シリーズ終了感も漂っちゃうからアレだけど。良くも悪くも口入屋用心棒はこれが原型になってるんだなぁと思った。キャラ的にはこっちの方がサブキャラが個性的な気がしたけど、主人公が地味っちゃあ地味だよね。好みの問題なんだろうけど、主人公が走り始めるとバカなのか疎漏な部分が目立つってのは多いよね。悪人含めてお前ら全員うっかり屋さんかとかねw
読了日:7月16日 著者:鈴木英治
表御番医師診療禄2 縫合 (角川文庫)の感想
状況に流され、流された状況の中でどう生き残りどう自分を貫くか公事でも私事でもってのはアレだよね、サラリーマンに置き換えてる的な時代小説の流行りの方向の推移とかだと昭和の後半とかのかなーって思う。その前ってのはストレス解消的にバッタバッタとなぎ倒しだったワケで、武将の生き方をリーダーシップに反映的なのもあったかw。相変わらず状況説明がくどいw感はあるんだけど、お使い主人公ににまでは堕してない。とはいえ、上の方々の有用な捨て駒として翻弄され続ける受身は変わらず、どう切り抜けるかが肝になってるのは面白い。
読了日:7月18日 著者:上田秀人
手習重兵衛 刃舞 (中公文庫)の感想
あぁ遠藤さんがベジータ化すると左之助になるのねw 重兵衛の過去絡みのしがらみを払拭するために前巻で弟が(作者にw)殺されて、その流れで故郷に帰るフラグ立てるために今巻で自称許嫁登場と。いずれもメインはVS遠藤なワケで今巻は修行と対決とあって一応の決着はあったものの、真の決着はこれからだぜつって引きつつ、いい年こいて女の前でモジモジ朴訥童貞だったのも、自称許嫁の登場で肝も座ってそっちもまぁ一応の決着はあったって感じなのかな。鈴木作品の主人公はいい漢ではあるんだけど、イマイチ朴念仁つーか優柔不断だよな。
読了日:7月19日 著者:鈴木英治
手習重兵衛 道中霧 (中公文庫)の感想
遠藤と一応の決着がつき、さらに自分へ決着つけるため重兵衛は故郷へ向かう。その道中再起をかけて遠藤や、黒幕込みの乙左衛門の暗躍が藩包みの陰謀に発展しそうな中、案の定詰めの甘さで敵の罠にはまる重兵衛w おそのに渡されたお守りを布団の中で見つめてほっこりしたりとか乙女か。江戸では彼の身を案じる悪友連中も新たな情報を持って諏訪に赴き、彼の地では陰謀が進む中、何やら女版惣三郎の趣もある吉乃と輔之進の間がいい雰囲気になりそうな。しかし毒消し飲まずに、逆方向に全力ダッシュで結局助かるとかどうなのか。そこが鈴木作品かw
読了日:7月21日 著者:鈴木英治
表御番医師診療禄3 解毒 (角川文庫)の感想
将軍毒殺未遂に関する良衛くんのお使い事件簿w 5代将軍就任前からの権力闘争が続いてる中で今回は綱吉暗殺未遂。弱みを握られたらそれでアウトの、もはや武士というよりも単なる官僚的機構の幕府の吏人達の中、どうやってトップに立つかという将軍ですら武士らしさはなく、権謀術数という名のなんなる姑息な足の引っ張り合いでどうやってカスつかませるかの底の浅いバトルの中、ジョーカーになれずに都合のいいカードとして使い倒される相変わらずの主人公w たまにキレかけてハッタリかましたりするのが微笑ましい。ラストの綱吉にも被ったw
読了日:7月22日 著者:上田秀人
嶽神伝 孤猿(上) (講談社文庫)の感想
主人公は嶽神伝から引き続いての無坂。今回はパートナーが二ツ。シリーズ読んでると関係者がチラホラ垣間見えるのが山の者サーガって雰囲気w 途中から月草も加わり逆渡りの後のエピソードがちょっと知れてそーゆーのも楽しい。甲斐の信虎・信玄親子が人でなし軍団で、謙信が義の毘沙門天軍団という、そうした里の者達の争いごとの中を生きる山の者の清冽さが潔い。上巻は攫われた信虎の庶子太郎奪還がメインのエピソードで、それに二ツに遺恨のある忍者集団かまきりとのバトルが絡む。依頼は果たせなかったけど、太郎は生きてるので下巻が楽しみ
読了日:7月23日 著者:長谷川卓
嶽神伝 孤猿(下) (講談社文庫)の感想
ドラクエ3そして伝説へ的なラストに多十登場w 上巻でメインエピソードだった太郎探索はほとんど脇に追いやられた感じ。武田・上杉・今川・北条の争いの狭間を、巨大な勢力と組せずあくまで己の義によって動くその先に全ての山の者を統べる嶽神が生まれるということか。しかし戦国武将に知り合い多すぎだろ無坂w これじゃ多重スパイ疑われても仕方ないよな。二ツは飛び加当を、無坂は鶴喰をそれぞれ撃破ってのは勿論すごいけど、ちょっと地形有利でも山の者強過ぎる気はするかな。まーでも無坂、二ツ、月草あたりは図抜けた戦士てコトなのね。
読了日:7月24日 著者:長谷川卓
手習重兵衛 - 天狗変 (中公文庫)の感想
史実の二の丸騒動のその後に忍者と天狗メン付け足して創作したのね。でも何で70年後にしたのかな。先祖というか子供くらいにしといた方が無難じゃないかしら。どうせ主人公チームの年代なんか適当なんだし、史実があるなら動かせないソコから派生する感じで設定組んだ方が破綻しないと思うんだけど。まーでもソコが鈴木節なのかなぁ。適当とか杜撰とか思わずに味と解釈すべきかw つか、本当このシリーズって直乃進シリーズの原型なのねw 遠藤さんとお麻衣のラストはまず見事というべき。佐乃助と特に千勢のは先にこっち読んでたら厳しい。
読了日:7月26日 著者:鈴木英治
手習重兵衛 母恋い (中公文庫)の感想
前巻まで完結したけど、人気があったのでその後の話も続けましたよって感じ。第二部なのかな。いやぁ本当にこれって口入屋用心棒の原型なんだね。重兵衛サイドと惣三郎サイドで進行、最後にある程度修練しつつ大団円的なのもそんな感じ。つか、主人公の女へのだらしなさ(自分の斟酌優先で大事な人の気持ち蔑ろにするのは優柔不断通り越してる)も一緒ってどうよ。男とは朴訥なものだってのをエクスキューズでやってんじゃねぇのかなーとかね。惣三郎と善吉コンビのバカ会話がいい感じだけど、ソコも多分後発の父子十手シリーズに引き継がれてるね。
読了日:7月28日 著者:鈴木英治
姫は、三十一 (7) (角川文庫)の感想
終に完結。静湖の謎解き商売がメインエピソードで、ラストに毎回ちょっとずつ触れられつつ前巻で大幅に振られてた静山絡みの抜け荷の顛末がクライマックスで最後は大団円。なのかなw つか、散々恋の話振っといてオチがこれってどうなのか。まー一応複線は張られてたと思うけど、密室殺人の犯人が超能力者って感じがしなくもなく。彦馬と織江の手紙って向こうのシリーズだとあったんだっけか。そこはファンサービスなのかなぁ。彼らが明治に帰国した時は静山は没してたろうし、ちょっとほっこり。つかこれ100万石お取り潰し案件だよなw
読了日:7月31日 著者:風野真知雄
読書メーター
読んだ本の数:20冊
読んだページ数:6311ページ
ナイス数:96ナイス
水の城―いまだ落城せず 新装版 (祥伝社文庫)の感想
大河ドラマやると出版社や書店が便乗して同人物をクローズアップした本を出したりするけど、本書もそんな感じなのかしら。ただし出版されたのは本書の方が先なんで、映画化もされた某作品に合わせて新装版で出し直したってとこか。内容はのぼうほどエンターテイメントではなく、あくまで時代小説といった感じで、最近の自由気ままな芸風ほどではないけど、それでも風野節を感じさせる飄逸さは健在。ただ忍城攻防戦がメインの群像描写て感じなので、主人公のはずの長親のキャラ立ちやクローズアップは弱いのかもしれない。その意味でちょっと散漫か。
読了日:7月3日 著者:風野真知雄
若殿八方破れ 萩の逃れ路 (徳間文庫)の感想
この全裸で鼻くそほじりながらぶらぶらしててもゴルゴですら殺せない真田の守護神(作者の主人公補正)への絶対的な安心感を持った無茶っぷりは大概どうなのか。急ぎの旅と知りつつ常に厄介事に首を突っ込み、その度江戸で待つ病身の二人に思いを馳せつつ時に自分の将来への誇大な妄想に耽り、そして許嫁の妹にほっこりするという、客観的に見ればバカそのものなんだけど、不思議な若殿威光で何もかもうまく運ぶという、今回は他藩の藩主にもその牙を剥くw 正義の味方すぎるだろwと思ってたところで今巻は次巻への引きがクリフハンガー。
読了日:7月4日 著者:鈴木英治
岡山の闇烏: 若殿八方破れ (徳間文庫)の感想
自分の力不足を感じる。あの時自分がもっとしっかりしていれば慙愧の念に堪えん。私もです。つってブチューとか頭おかしいのかw こう色々理想的君主とか妄想してる割には、色々自分中心に回りすぎてるんだよね。俺は口が堅い方だとか。今までどんだけ自分の正体晒して来たよw 何かの性格破綻者か人格障害なのかもしれない。大英雄や大悪人も人格障害者だというから、ある種突き抜けた人物というのはこんなものなのかも、と思わないこともない…ねぇよw スーパー忍者に担いでもらって城侵入&ロクに見えないのに斬人無双とかもう無茶苦茶やw
読了日:7月8日 著者:鈴木英治
手習重兵衛 闇討ち斬 (中公文庫)の感想
シリース1巻から何の説明もなくおまけに視点転換が多くて、鈴木テイストに慣れたとは言えやっぱちょっととっつきにくさは感じるかなぁ。物語がある程度進んじゃうと話もキャラも面白いからまぁ関係なくはなるんだけど。大雑把な作りではあるけど、若殿とか用心棒みたくひでぇなwってほど杜撰さは感じない。ミステリとしての体裁が視点転換多用の叙述トリックに近いので、最後まで関係者の繋がりが見え切らないのがこの話のキモかしら。つか、思わせぶりに展開しといて重兵衛の素性とかそのまま保留ってのはどうなのか。
読了日:7月10日 著者:鈴木英治
手習重兵衛 梵鐘 (中公文庫)の感想
シリーズ2巻でこの構成はないだろう。キャラ立ちも何もほとんどされないままいきなりサブキャラメインのエピソードとかどうなのか。せめてもうちょっとシリーズが進行してから番外編的な扱いとしてやるべきだと思う。話はまぁ面白いんだけど、こーゆー丁寧さに欠けるアレな部分が鈴木作品は時々引っかかるんだよね。このシリーズはメインのはずの重兵衛があんまし活躍しないのもナニかなぁ。その分、他シリーズではあまりお目にかからないタイプのボンクラ同心・河上惣三郎の切れ方が光ってるねw
読了日:7月10日 著者:鈴木英治
大名やくざ3 征夷大将軍を脅す (幻冬舎時代小説文庫)の感想
痛快ヤクザ戦法の成り上がり快進撃w 遺恨の独眼竜も今巻にて決着。唯一の黒星はVS二升太夫戦のみだけど、負けることで逆にガッツが出て来るタイプなようで、流れ的には最終的にはがっつり落としちゃうのかな。身の上ネタがいい方向に転がればって感じだけどさてどうなるのか。当面の敵役だった独眼竜も消えて向かう所敵なし感もあるけど、ラスボスみたいなのはやっぱり欲しい。国許派の首魁に歴代の国家老の黒幕とかなのかな。あと、ちょい役で栗田と椀田が登場したのが、ちょっと面白かったけど、まだ根岸も生まれてないからご先祖なのかもねw
読了日:7月11日 著者:風野真知雄
東海道五十三次殺人事件 歴史探偵・月村弘平の事件簿 (ジョイ・ノベルス)の感想
出来そのものはシリーズ2巻目の方がこなれててよかったのかも。現代ものというか、風野節が現代的な価値観の動機や犯人像にうまくマッチしてない感があったような。事件そのものが無理やり入れたキーワードに強引に合致させたみたいなちぐはぐさを感じた。これが多分いつもの時代劇ならそんなにあれぇ?感もなかったような気はする。決して詰まらないワケじゃないんだけど、例えば赤川次郎的なラインでやるのだとしたら、もう少しキャラとか現代的アイデアのこなし方に工夫が必要なのかも。3巻仮に出るなら期待はしたいけど厳しいのかな。
読了日:7月12日 著者:風野真知雄
運命のひと姫は、三十一 (6) (角川文庫)の感想
シリーズ根幹のモテ期が単なる勘違いだったのが分かって以降、次々と男離れが進み遂に今巻で最有力候補と目されてた護衛の岡田も清湖姫から離れていくと。謎解きはまぁいつもの感じだけど、妻は~の時みたく後半は平戸藩静山絡みの対幕府とのきな臭い陰謀的なのの流れになっちゃうのかなぁ。まーあんましソコは関係なく話の決着はつきそうだけど。
読了日:7月13日 著者:風野真知雄
隠密 味見方同心(一) くじらの姿焼き騒動 (講談社文庫)の感想
あーこれは先に2巻読むんじゃなかったなーw 若様の竜之助みたいな主人公が新しく抜擢された面白部署で活躍。仕事が出来、ワイフとの仲もよく、部屋住みでしょんぼりな弟への配慮も欠かさずないい男が風野節のおかしな謎を解き明かす痛快捕物帳だったのに、この引きはなぁって。これはこのまま進んでもそれなりに面白そうだったけど、この展開にした方がさらに話は面白くなるんだろうなぁ。しかし、主人公もかわいそうだけど、ワイフもなんか救われて欲しいね。こんだけ円満だったのだから、やっぱり引継ぎはない方がいいかなぁ。
読了日:7月14日 著者:風野真知雄
切開 表御番医師診療禄1 (角川文庫)の感想
しかし上田さんは堀田正俊殿中刺殺事件が大好きだな!上田諸作品でもう何回も繰り返されてるネタで、この場合コレから読み始めるひとがメインで書かれてるから、他作品で語られてる部分とどんだけ被ろうと、この謎がメインっぽい本作では仕方ないんだろうけど、それにしても正直食傷気味と言わざるを得ないw そして例によって状況に流されるままの主人公。キャラの立ち位置やら時代・状況とまぁ流石にそういう部分の説明も「例に拠って」感があるから、もっと早く動かねぇかなという感じが強かった。今回は子供がいての武家の家長というのが新鮮。
読了日:7月15日 著者:上田秀人
手習重兵衛 暁闇 (中公文庫)の感想
今巻でようやく重兵衛の過去が明かされて色々納得がいった感じ。やっぱ前の梵鐘はこれの後に出すべきだったんじゃないかな。まーそしちゃうと今巻で登場しない紋兵衛とか忘れちゃってるし、シリーズ終了感も漂っちゃうからアレだけど。良くも悪くも口入屋用心棒はこれが原型になってるんだなぁと思った。キャラ的にはこっちの方がサブキャラが個性的な気がしたけど、主人公が地味っちゃあ地味だよね。好みの問題なんだろうけど、主人公が走り始めるとバカなのか疎漏な部分が目立つってのは多いよね。悪人含めてお前ら全員うっかり屋さんかとかねw
読了日:7月16日 著者:鈴木英治
表御番医師診療禄2 縫合 (角川文庫)の感想
状況に流され、流された状況の中でどう生き残りどう自分を貫くか公事でも私事でもってのはアレだよね、サラリーマンに置き換えてる的な時代小説の流行りの方向の推移とかだと昭和の後半とかのかなーって思う。その前ってのはストレス解消的にバッタバッタとなぎ倒しだったワケで、武将の生き方をリーダーシップに反映的なのもあったかw。相変わらず状況説明がくどいw感はあるんだけど、お使い主人公ににまでは堕してない。とはいえ、上の方々の有用な捨て駒として翻弄され続ける受身は変わらず、どう切り抜けるかが肝になってるのは面白い。
読了日:7月18日 著者:上田秀人
手習重兵衛 刃舞 (中公文庫)の感想
あぁ遠藤さんがベジータ化すると左之助になるのねw 重兵衛の過去絡みのしがらみを払拭するために前巻で弟が(作者にw)殺されて、その流れで故郷に帰るフラグ立てるために今巻で自称許嫁登場と。いずれもメインはVS遠藤なワケで今巻は修行と対決とあって一応の決着はあったものの、真の決着はこれからだぜつって引きつつ、いい年こいて女の前でモジモジ朴訥童貞だったのも、自称許嫁の登場で肝も座ってそっちもまぁ一応の決着はあったって感じなのかな。鈴木作品の主人公はいい漢ではあるんだけど、イマイチ朴念仁つーか優柔不断だよな。
読了日:7月19日 著者:鈴木英治
手習重兵衛 道中霧 (中公文庫)の感想
遠藤と一応の決着がつき、さらに自分へ決着つけるため重兵衛は故郷へ向かう。その道中再起をかけて遠藤や、黒幕込みの乙左衛門の暗躍が藩包みの陰謀に発展しそうな中、案の定詰めの甘さで敵の罠にはまる重兵衛w おそのに渡されたお守りを布団の中で見つめてほっこりしたりとか乙女か。江戸では彼の身を案じる悪友連中も新たな情報を持って諏訪に赴き、彼の地では陰謀が進む中、何やら女版惣三郎の趣もある吉乃と輔之進の間がいい雰囲気になりそうな。しかし毒消し飲まずに、逆方向に全力ダッシュで結局助かるとかどうなのか。そこが鈴木作品かw
読了日:7月21日 著者:鈴木英治
表御番医師診療禄3 解毒 (角川文庫)の感想
将軍毒殺未遂に関する良衛くんのお使い事件簿w 5代将軍就任前からの権力闘争が続いてる中で今回は綱吉暗殺未遂。弱みを握られたらそれでアウトの、もはや武士というよりも単なる官僚的機構の幕府の吏人達の中、どうやってトップに立つかという将軍ですら武士らしさはなく、権謀術数という名のなんなる姑息な足の引っ張り合いでどうやってカスつかませるかの底の浅いバトルの中、ジョーカーになれずに都合のいいカードとして使い倒される相変わらずの主人公w たまにキレかけてハッタリかましたりするのが微笑ましい。ラストの綱吉にも被ったw
読了日:7月22日 著者:上田秀人
嶽神伝 孤猿(上) (講談社文庫)の感想
主人公は嶽神伝から引き続いての無坂。今回はパートナーが二ツ。シリーズ読んでると関係者がチラホラ垣間見えるのが山の者サーガって雰囲気w 途中から月草も加わり逆渡りの後のエピソードがちょっと知れてそーゆーのも楽しい。甲斐の信虎・信玄親子が人でなし軍団で、謙信が義の毘沙門天軍団という、そうした里の者達の争いごとの中を生きる山の者の清冽さが潔い。上巻は攫われた信虎の庶子太郎奪還がメインのエピソードで、それに二ツに遺恨のある忍者集団かまきりとのバトルが絡む。依頼は果たせなかったけど、太郎は生きてるので下巻が楽しみ
読了日:7月23日 著者:長谷川卓
嶽神伝 孤猿(下) (講談社文庫)の感想
ドラクエ3そして伝説へ的なラストに多十登場w 上巻でメインエピソードだった太郎探索はほとんど脇に追いやられた感じ。武田・上杉・今川・北条の争いの狭間を、巨大な勢力と組せずあくまで己の義によって動くその先に全ての山の者を統べる嶽神が生まれるということか。しかし戦国武将に知り合い多すぎだろ無坂w これじゃ多重スパイ疑われても仕方ないよな。二ツは飛び加当を、無坂は鶴喰をそれぞれ撃破ってのは勿論すごいけど、ちょっと地形有利でも山の者強過ぎる気はするかな。まーでも無坂、二ツ、月草あたりは図抜けた戦士てコトなのね。
読了日:7月24日 著者:長谷川卓
手習重兵衛 - 天狗変 (中公文庫)の感想
史実の二の丸騒動のその後に忍者と天狗メン付け足して創作したのね。でも何で70年後にしたのかな。先祖というか子供くらいにしといた方が無難じゃないかしら。どうせ主人公チームの年代なんか適当なんだし、史実があるなら動かせないソコから派生する感じで設定組んだ方が破綻しないと思うんだけど。まーでもソコが鈴木節なのかなぁ。適当とか杜撰とか思わずに味と解釈すべきかw つか、本当このシリーズって直乃進シリーズの原型なのねw 遠藤さんとお麻衣のラストはまず見事というべき。佐乃助と特に千勢のは先にこっち読んでたら厳しい。
読了日:7月26日 著者:鈴木英治
手習重兵衛 母恋い (中公文庫)の感想
前巻まで完結したけど、人気があったのでその後の話も続けましたよって感じ。第二部なのかな。いやぁ本当にこれって口入屋用心棒の原型なんだね。重兵衛サイドと惣三郎サイドで進行、最後にある程度修練しつつ大団円的なのもそんな感じ。つか、主人公の女へのだらしなさ(自分の斟酌優先で大事な人の気持ち蔑ろにするのは優柔不断通り越してる)も一緒ってどうよ。男とは朴訥なものだってのをエクスキューズでやってんじゃねぇのかなーとかね。惣三郎と善吉コンビのバカ会話がいい感じだけど、ソコも多分後発の父子十手シリーズに引き継がれてるね。
読了日:7月28日 著者:鈴木英治
姫は、三十一 (7) (角川文庫)の感想
終に完結。静湖の謎解き商売がメインエピソードで、ラストに毎回ちょっとずつ触れられつつ前巻で大幅に振られてた静山絡みの抜け荷の顛末がクライマックスで最後は大団円。なのかなw つか、散々恋の話振っといてオチがこれってどうなのか。まー一応複線は張られてたと思うけど、密室殺人の犯人が超能力者って感じがしなくもなく。彦馬と織江の手紙って向こうのシリーズだとあったんだっけか。そこはファンサービスなのかなぁ。彼らが明治に帰国した時は静山は没してたろうし、ちょっとほっこり。つかこれ100万石お取り潰し案件だよなw
読了日:7月31日 著者:風野真知雄
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