無駄記

徒然なるままにモニタに向かひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく書きつくれば死ねばいいのに。

1月分

2015年02月01日 21時45分51秒 | 感想
2015年1月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:5213ページ
ナイス数:62ナイス

風立ちぬ(下) 風の市兵衛 (祥伝社文庫)風立ちぬ(下) 風の市兵衛 (祥伝社文庫)感想
算盤パートは前巻で終了。後半のこの巻では侍パートのみ。盗賊の探索は鬼渋がメインで、これはかなりの捕物帳的展開。1巻で登場した時には早々バッサリやられて退場だったのがこの巻ではかつてなかったくらいの活躍だったかもw 今回のエピソードは政の闇に葬り去られる系のオチはなく、クソ旗本はただのボンクラで終了、盗賊も獄門送りでソコらへんはスッキリだったんだけど、失踪したお歌姉さんのオチは伏線が弱かったというかちょっとあれぇ?感があって、さらに真達さんのは前フリが思わせぶりだった割にオチには首を傾げた感じだったかなw
読了日:1月3日 著者:辻堂魁
震撼の太刀―織江緋之介見参 (徳間文庫)震撼の太刀―織江緋之介見参 (徳間文庫)感想
前の巻は一昨年の7月に読んだらしいんだけど、内容は忘れてた。が、気にせず読了。この巻はアレだね、上田作品の特徴でもある政の権と謀はいいんだけど、逆に良くないところがかなり出てる感じ。まー読んだら詰まらないってことはないんだけど、未熟な主人公が置いてけぼり食らって、周囲の善悪交々の大人が色々話進めてくってスタイル。悪役はラスボスの豊後守以外はまー薄っぺらい。5代将軍になる綱吉ですらなんとまぁチャチなお殿様よwって。今回の主役は頼宣になるのかなぁ。緋之助全然見参してないの巻かw
読了日:1月7日 著者:上田秀人
一輪の花―父子十手捕物日記 (徳間文庫)一輪の花―父子十手捕物日記 (徳間文庫)感想
食物は毎回美味そうだよね。天麩羅そばといいぶっかけうどんといい。前巻からのヒキで一応お知佳絡みでの話にはなってるのかな。伏線はあったものの唐突な感じは否めないというか、まー鈴木作品はこういうものというカラーの問題なのかな、もう。シリーズとメインキャラの位置の方向性が決まってると、それに合わせて話を持ってくので、キャラの心情や市井のひとの暮らしぶりなんかの描写の巧さに比べて、そこに行くまでのエピソードやキャラの整理が強引だったり杜撰だったりな印象があるんだよね。無理矢理一山拵えてるというか。面白いんだけどw
読了日:1月10日 著者:鈴木英治
鳥かご―父子十手捕物日記 (徳間文庫)鳥かご―父子十手捕物日記 (徳間文庫)感想
前巻飛ばしちゃったみたいで、お克が痩せたとかお春とこじれたとかその辺が最初よくわからなかったけど、この巻の主筋とはそれほど問題なく読めて、そこらの恋絡みの流れは事件解決と共に一応はひと段落っぽいかった。勇七はともかく、親父の方もまだ一つ二つは波乱はありそうだけども。あと、もう鈴木スタイルで飲み込むというつもりはあっても、あんだけ阿吽の呼吸の文之介勇七コンビがあんな騙され方するかね?とか、以前あれだけヘトヘトのバトルしてた親父が颯爽登場とかのこのインフレというか主人公補正どうなの?とかは思った。
読了日:1月12日 著者:鈴木英治
蒼い月―父子十手捕物日記 (徳間文庫)蒼い月―父子十手捕物日記 (徳間文庫)感想
この巻飛ばして読んでたんでオチを先にわかってたのがちょっと勿体無かったかなw 前巻で一応のケリがついてるんでこの巻は新しいエピソードのスタート、前フリのあった子供の掏摸と瀬戸物屋の泥棒の話。お克のダイエットの原因がわかって納得。人の良さ=スレてないってコトだろうけど、文之介の未熟なコトw つっても当時と今を比べるのはなんだけど、今なら学生気分の抜けてない新入社員くらいと考えればこんなもんかもしれずw それ故の感情移入とか熱血人情捕物って体になるんだろうけど、TV時代劇に慣れた年代にはちょうどいいのかな。
読了日:1月13日 著者:鈴木英治
お陀仏坂―父子十手捕物日記 (徳間文庫)お陀仏坂―父子十手捕物日記 (徳間文庫)感想
んー事件そのものはいい感じなんだよね。探索の末に犯人を突き止めるというスタイルは実に捕物帳で、市井の人の情緒や人情の機微なんかもきっちりやってるし。ただ、やっぱこう所々風呂敷の畳み方が適当な部分を感じちゃうんだよね。新女子キャラ出すために親父の昔のつてで借金棒引きとか、本来切腹か改易、最低限隠居でおかしくないのにこっちも司法内部でのデッチ上げ揉み消し工作とか、「人情」で済む話じゃないんじゃないかしらって。鈴木テイストだと分かってはいても気になるんだよなぁw 無駄な喧嘩とかオチ一緒じゃねぇかwとかも。
読了日:1月16日 著者:鈴木英治
夜鳴き蝉―父子十手捕物日記 (徳間文庫)夜鳴き蝉―父子十手捕物日記 (徳間文庫)感想
今巻の捕物パートは面白かった。ちゃんと時代ミステリって感じだったしw ただいつも通りドラマティックな展開にする割には詰めの甘さがやっぱりあって、放置とか杜撰とか上手に畳み込まれてないなぁという思いは拭えないんだよね。そろそろ勇七と文之介のしょうもないド突き合いも割愛していいと思う。いつの間にか出番のなくなった弥生の代わりに入ってきたさくらが倅との絡みでなくなったし、お克もこの流れで消えるのならば、だけど。でもそうなると勇七は幼馴染的な属性も不要になっちゃうんだよね。てことは、また蒸し返す気なのかw
読了日:1月22日 著者:鈴木英治
大鯨の怪-新・若さま同心 徳川竜之助(7) (双葉文庫)大鯨の怪-新・若さま同心 徳川竜之助(7) (双葉文庫)感想
おっと、6巻読んでねぇやw まぁオムニバスなんで問題なく読めました。もう風野節に慣れたんでいつもの調子で読める安心感てのが大きいのかな。捕物とか時代ものではあるけど、どっちかゆーたらキャラ小説なんじゃないかしらって。鯨消失の謎とか幕末の史実の有名人物出したりして、このシリーズには要らなかったかなーという気もする。一応上司は小栗上野介ではあったけどw 本編よりは長くしないだろうから、そろそろ着地点が見えてくるんだろうなという、やよいや美羽姫女性陣の心理が面白い。このシリーズではお佐紀があんまり出ないけど。
読了日:1月24日 著者:風野真知雄
操の護り: 御広敷用人 大奥記録(七) (光文社時代小説文庫)操の護り: 御広敷用人 大奥記録(七) (光文社時代小説文庫)感想
そろそろしょーもない小物共のカス悪事は一掃して欲しいんだが、まだまだ続くのかなw 上様も本腰入れて大奥クリーン計画は進めるんだろうけど、一応史実を踏まえた上田作品だけに結果はもう出てて、ソコまでの解釈をどうするかってのがメインなんで、まー正直胸のすくような展開は期待出来ないのかなーとかw なので取り敢えずは、まー水城家の跡取りが無事生まれる(娘になりそうな気もするがw)のと玄馬と袖が上手くいきますように、なのかなー。次巻は太郎の取り合いになるのかしら。せめて家族は生き残るといいですな。
読了日:1月25日 著者:上田秀人
夜叉萬同心 冬かげろう (学研M文庫)夜叉萬同心 冬かげろう (学研M文庫)感想
面白かった。主人公が隠密廻りじゃなくて、隠密同心になってたのがちょっとアレだったかなw ただ、そーゆー荒唐無稽なTV寄りの時代劇っぽい感じになった分、市兵衛シリーズみたいにもやもやする部分がなかった感じかな。より勧善懲悪に近いのか。悪人がお白州待たずに処刑されるとかw 市兵衛も大分作りこんだ感じはするけど、こっちに比べると大分さりげなくなってるのかなーとか思った。表題作「冬かげろう」もそうだけど、「かどわかし」なんかはもう昭和のかほりが漂うねって感じw
読了日:1月26日 著者:辻堂魁
五分の魂 風の市兵衛 (祥伝社文庫)五分の魂 風の市兵衛 (祥伝社文庫)感想
今巻は算盤パートはなかったね。ただ、シリーズがそれなりに続いて来たのでキャラ同士の関係を描くという点で、いつもの矢藤太の仲介でなく弥陀之介の依頼って切り出し方はアリなのかな。この巻の前に夜叉萬シリーズ読んだばっかりだったんで、ちょっとこうエログロ方向の凄惨な描写が通底してるなーとか思った。あとこの信託投資詐欺みたいなのは、こないだ父子十手シリーズでも読んだんだけど、鈴木作品よりも辻堂作品のが闇が深いね。それとは逆に、いくら評判に問題のある業突婆でも殺しの結果が蟄居謹慎じゃ甘すぎねぇかい?とは思った。
読了日:1月27日 著者:辻堂魁
夜叉萬同心 冥途の別れ橋 (学研M文庫)夜叉萬同心 冥途の別れ橋 (学研M文庫)感想
市兵衛と違ってかなり硬派でダイナミックな進行。その分緻密さには欠ける気もするけど、主人公が主人公らしくきっちり動いてる感がいいと思う。探索しつつって捕物の体ではあっても、最後に夜叉萬バッサリモードが発動するんでスッキリはするけど、TVの仕事人的勧善懲悪っぽいパターンになっちゃうのが若干引っかからなくもなく。話の筋はやるせない系の話で、特に「川向こうの女」とか、まぁ全編女性がかわいそうな方向ではあるんだけど、救いがあるかないかはこの時代特有の制度とかも絡んでくるんで、ソコはやっぱり時代物の味の濃さ故かしら。
読了日:1月28日 著者:辻堂魁
風塵 上 風の市兵衛(9) (祥伝社文庫)風塵 上 風の市兵衛(9) (祥伝社文庫)感想
今巻も算盤パートなし。いきなり御膳試合とかそろそろ市兵衛さんは矢藤太を軽く締めた方がいいw 抜荷、蝦夷、元老中の大名、刺客集団、徐々に明らかにされるかつて幕府の行った政策の問題など、ハードな展開。そして多分悪人らしい悪人はいないであろう先の流れ。分かり易い悪があれば最後に風の剣バッサリですっきりはするんだろうけど。クライマックスの暗殺決行のあたりとかちょっと忠臣蔵っぽかったね。蝦夷絡みの話なんで、ちょっと蝦夷地別件思い出した。船戸作品ほど遣る瀬無い結末になるとは思えないけどw それにしても市兵衛は固いw
読了日:1月29日 著者:辻堂魁
風塵 下 風の市兵衛(10) (祥伝社文庫)風塵 下 風の市兵衛(10) (祥伝社文庫)感想
そうなるだろうねーとは思ったけど、それしかないのかなというある種収まるところへ収まった感。上下巻分冊の所為でややもったりした感じはあって、それが市兵衛が自分の筋を通すための律儀だけど迂遠なやり方に似てる。それ故の至誠天に通ずな、あラストの爽やかさもあるのかな。悪人らしい悪人はいなかったけど、ボタンの掛け違い的な些細な行き違いがあって、その根っこにこの時代の「侍」ではなくなった幕吏の慣例から生じる無自覚な悪があって、「お上」という実体のない集団に堕した時に生じる人の世の今も昔変わらぬアレさとの対比なのかな。
読了日:1月30日 著者:辻堂魁
新装 餓狼伝〈the Bound Volume3 〉 (FUTABA NOVELS)新装 餓狼伝〈the Bound Volume3 〉 (FUTABA NOVELS)感想
いやーフツーに面白かった。今となればグレイシーとかマウントポジション取りがすげーとかもうテレビで総合格闘技の番組も見なくなったから、ビジネス的にもピーク過ぎてる感があるんで、それで全米取るとか世界を席巻するとかはぁ?ってなのも無きにしも非ずだけどw 最初は無頼なヤサグレ文吉がスポーツマンっぽくなったのが、自分を取り戻したかと思ったら逆上した挙句のあの顛末ってのは先が気になるとは思うけど、巻物争奪戦は明らかに失敗エピソードな気はするかなぁ。終わらせるためにって突飛なコトしてるのかもだけども・・・。
読了日:1月31日 著者:夢枕獏

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